アニメーション アルドノア・ゼロ  [上]に戻る

監督:あおきえい ストーリー原案:虚淵玄(ニトロプラス) シリーズ構成:高山カツヒコ『アルドノア・ゼロ』A−1 Pictures + TROYCA
  鑑賞:2014.07.06〜2014.09.21(全12話),2015.01.11〜2015.03.29(全12話)

 公式サイト:http://www.aldnoahzero.com/

 以下は、『アルドノア・ゼロ』を視聴した感想です。…ニコニコチャンネルで視聴してます。

2014.07 06(第1話)/ 13(第2話)/ 20(第3話)/ 27(第4話)
2014.08 03(第5話)/ 10(第6話)/ 17(第7話)/ 24(第8話)/ 31(第9話)
2014.09 07(第10話)/ 14(第11話)/ 21(第12話)
2015.01 11(第13話)/ 18(第14話)/ 25(第15話)
2015.02 01(第16話)/ 08(第17話)/ 15(第18話)/ 22(第19話)
2015.03 01(第20話)/ 08(第21話)/ 15(第22話)/ 22(第23話)/ 29(第24話)
 2014.07.06 

 第1話「火星のプリンセス −Princess of VERS−」(2014.07.06#01)

 巨大人型ロボットが登場するSFもの、です。

 第1話から把握した背景設定としては…。
 月面で、火星古代文明の遺跡を発見した者たちは、それを動かし、火星へと移住。その者たちは火星に残されていた古代文明の遺産の継承者を自認・自称し、その「力」を以て、地球人類からの分離独立を企図・実行。
 火星人と地球人は、十数年前に戦端を開き、その戦いの過程で、地球の衛星・月を半壊状態に。
 …ということらしいです(把握が間違っている可能性はあります…背景設定は、公式サイトのTX/005−2が物語世界の過去の年表で、これで大体の経緯は把握できる感じでした)。

 第1話では、十数年前の騒乱以降は表立った戦いこそ起こっていないものの、月は崩壊したまま、地球の衛星軌道上には火星人の宇宙要塞的な巨大な物体が多数、遊弋していることが描写されてます。
 そして物語の現在、火星人たちを統率する皇帝の孫娘・第一王女が、親善大使として地上に降下したところ、降下した日本で、過去の騒乱からか火星人への怨嗟に囚われていると思われる者たちによる過激な破壊行動の対象になり、(視聴者的には)生死不明になります。…物語の登場人物たちの殆どにとっては、第一王女は亡くなったと解釈された感じです。
 第一王女の暗殺事件を受け、地球の衛星軌道上にあった火星人の宇宙要塞の半数ほどが、地上に向かって降下します。
 火星人の宇宙要塞は、隕石の様な速度と灼熱した状態で降下激突し、その威力を持って地上を蹂躙。降下した場所に平然と、地上を制圧するための要塞として展開した様です。

 …H・G・ウェルズ『宇宙戦争』の換骨奪胎が基点の一つだったりするのかな、と、第1話の、地球の衛星軌道上からの大襲来を見て思いました。地上を掃討する平の兵隊的なものとして、三脚の戦闘メカが欲しいかも(笑)、とかも。

 いっそ、火星人たちの地球制圧が早々に確立されてしまい、主人公たちは、日本を管理下に置いた火星人要塞に徴兵されて、他の地域の火星人要塞の尖兵たち(ほぼ地球人)との、支配者である火星人同士の勢力争いに駆り出される、みたいなドロドロ展開しないかな〜、などと想像してます。

 (2014.07.09 追記)

 火星古代文明の遺産には、軍事に応用利用できる類の科学技術だけでなく、その文明を生み出した存在の思想や芸術などの文化的なものもあったのではないだろうか、と想像し。
 地球人類の封建貴族的な社会制度や文化を利用している感じの現火星人は、なぜ火星古代文明の文化を自分たちの規範にしてないのだろう、と思い。
 火星古代文明の文化的な遺産は、地球人類の思考や感性からすると異質に過ぎて、理解も利用もできないでいるのかもしれない、と考えたりしました。

 火星という、地球類似と考え得る環境で発生発達した知性体が生み出した文明、と想定すると、その形態は地球型生命体であり。地球の衛星にまで遺跡を残していたとすると、宇宙へ向かって進出発展を企てたという点だけでも地球人類が理解可能な文明文化を生み出し展開させていた、のではないか、と言えるかもしれません。
 それでも、服飾文化を想像するだけでも、身体構造が地球人類とは異質隔絶しているとすれば、そのまま継承使用しようとしても不可能だろう、とも思えます。

 2014.07.13 

 第2話「地球の一番長い日 −Beyond the Horizon−」(2014.07.13#02)

 地上に落着し、その衝撃で地表を蹂躙した火星の要塞は、火星カタフラクトによる落着地周辺の掃討・制圧を開始します。
 応戦する地球軍は、火星カタフラクトの超絶性能に手も足も出ず、損耗するばかり。
 …公的な、たとえば「地球人類に告げる。降伏せよ。さもなくば掃討する」みたいな宣言は、あったのでしょうか。対等の相手という視点・立場・意識などは無く、ただ一方的な征圧を強要するための行動、とかだったりするのでしょうか。

 火星カタフラクトの操縦者たちは、圧倒的な技術力・武力を私有(?)しているからなのか、地球人たちを蔑視している感じです。…ドラえもんの未来的道具を、ドラえもんというブレーキ役なしでほしいままに使い放題を繰り返すことに慣れきってしまった、のび太たちの成れの果てはこうなるだろうか、な印象を持ちました。

 和平の使者だったはずの火星の姫にテロを仕掛けたのは、十数年前の戦乱の中に投入されていた、火星側の工作員たちの仕業だった様子。…どうやら、その計画は、火星人の総意ではなく、一部の者たちの暗躍・謀略と思われますが。火星カタフラクトの操縦者の名前を工作員は事前に知っていたようですが、それなりに報告連絡相談をしていた感じですね。

 火星要塞が緒戦で通信網のインフラを破壊できたのも、そういった地球に潜入させていた工作員による情報収集の成果、だったりするのかもしれません。
 …それならいっそ、火星古代文明由来の技術を、出自を伏せて地球社会に浸透させ、侵攻を始めた時に「お前たちのインフラは、既に我々火星の者の支配下にあるのだー」的な種明かしでもすればいたずらに流血の惨事を起こさなくても済んだのでは、とか思いましたが、火星カタフラクトの操縦者たちの高慢さからすると、展開されている降下蹂躙作戦は「地球人は武力で掃討すべし」的な武断派の嗜好なのかもしれない、とも思えます。

 火星の姫は、お付きの少女と二人きりで、地球の新芦原市を彷徨っていたようです。テロで死亡したのは別人だったらしいですが、そうなった経緯は謎です。
 姫が地球環境に慣れずに体調を崩し、パレードには代役を立てた、みたいですが、そのことを地球側も火星側も把握していない謎や、姫とお付きの二人だけで市中に出るまでの段取りの謎や。
 …星間文通(ぉ)していた地球の少女に会うために、不調を押して新芦原市にお忍びの外出をした火星の姫が倒れてしまい、地球の少女が代役を申し出て・火星の姫は市中で休んで、とかいう感じのドラマを想像したりもしてますが、はたして。

 火星側の少年・スレインは、火星の姫に対するテロ計画に、何か関わっていたりするのでしょうか。

 後半の焦点である火星カタフラクトの物質分解(?)機能は、地上を普通に歩行していたので足裏には無いと思われます。とすると、1.強力地雷源に誘い込む、2.深い穴に落とし・穴の底に槍を立てておく、3.強力接着剤を踏ませる、あたりを試したいです(おいおい)。

 火星カタフラクトに消滅させられた工作員が、それが発した光を見て、
「これがアルドノアの光」
と言ってましたが。…「ゼロ」というのは、そうすると「アルドノアの光」と関係・対抗する「何か」なのかもしれない、と想像します。

 火星の姫さんの髪形や髪の色が2種類ある様子です。どちらかがウィッグなのでしょうか。あるいは火星古代文明の利器による偽装 or 変装 or 変身とかだったりするのでしょうか。

 2014.07.20 

 第3話「戦場の少年たち −The Children’s Echelon−」(2014.07.20#03)

 地球側の少年(界塚伊奈帆)は、敵・火星カタフラクトの性能を冷静に分析し、そこから攻略可能な「弱点」を露呈させる作戦を実行し、露顕した「弱点」を攻めることで、火星カタフラクトを撃退しました。
 …火星カタフラクト撃退作戦には、火星テロリストの遺児(ライエ・アリアーシュ)と火星のプリンセス(アセイラム・ヴァース・アリューシア)も参加していて、それぞれが「できること」をしたことで、撃退が可能になっていった、と言えるでしょう。

 火星のプリンセスと懇意にしている火星側の少年(スレイン・トロイヤード)は、火星カタフラクトの操縦者が火星のプリンセス暗殺事件を引き起こした一味の一人だったことを知り、射殺してしまいました。
 …スレインくんは、戦闘機の操縦や武装の使用は許されているのに、護身用とかの携行火器とかは持たされてなかった(持つことを許されてなかった)のかな、と、火星騎士の携行火器を奪う行動を見て思いました。

 火星のプリンセスが魔法少女(違)だったとは。あの「変身」も「アルドノアの輝き」の力、なのでしょうか。
 一般人モードは火星で設定したのでしょうか(ファッション情報の、地球の現在のそれとの整合性とか)。…季節が変わったら、どうなるんでしょう(笑)。一般人モードは単に普通の服で、「変身」すると分解しちゃう・プリンセスモードから一般人モードに戻ると、髪の毛は復旧するけどアクセサリーや着衣は分解しちゃって復元不可(裸体に)、とかだったり?
 変身モードは、一般人とプリンセスの他に、魔法少女(戦闘服)もあったりしないかな、等と空想したり(笑)。

 地球側の少年は、火星のプリンセスの正体を知り、どう動くのでしょう。
 変身して見せた火星のプリンセスは、地球側に正体を示し、どう動くのでしょう。
 火星騎士を射殺してしまった火星側の少年は、火星のプリンセスの無事を知り、どう動くのでしょう。

 OPからすると、火星のプリンセスは正体を隠して地球側の少年たちと行動を共にし、火星側の少年は火星側のまま、に見えます。が、各々の思惑・計画・希望が、どこを向いているのかで、その状況の意味は変わるでしょう。各自が何を考え・望み・行動するのか、それがどう描かれるのか、楽しみです。

 火星テロリストの遺児・ライエは、火星のプリンセスの正体を目にして、どう動くのでしょう。
 …そもそもライエは、生粋の火星人なのか否か、とも思ったり。年齢的には高校生の地球側主人公たちと同じくらいに思えるので、そうすると、火星テロリストたちが地球に送り込まれた15年前の戦争「ヘブンズ・フォール」の前後には幼児だった訳で。月からの難民(非火星人)に偽装したりとかで家族ぐるみで地球に派遣された、とかなのでしょうか。
 それとももしかして、火星テロリストの「お父さま」が、地球潜入後に地球人と結婚して出来た子供とかだったりして、等と。

 EDの、火星のプリンセスが立つ遺跡は、「ヘブンズ・フォール」で地球に落着した月の遺跡の一部、だったりするのでしょうか。
 でも、頭上に地球を遠望する絵もあるので、ゲートが生きていて崩壊した月の一部に繋がっている場所、とかなのでしょうか。

 (2014.07.21 追記)

 LCAC、フェリー護衛、強襲揚陸艦、と、地球側・日本軍(?)は海上に避難路を求めてる感じでしょうか。
 東京は火星揚陸城に占拠され、軌道(赤道?)上にも多数の火星揚陸城が遊弋し。
 軌道上からの隕石爆撃は、低緯度の方が落とし易い、とは思えます。…日本軍は高緯度の港湾都市にでも糾合する、のでしょうか。

 火星騎士の高慢・増長具合を見ていると、火星カタフラクトを得た段取りとして、火星古代遺跡の「何か」に選抜され、各々の騎士の何らかの要素に相応する・ワンオフ/専用な火星カタフラクトが創造・付与される、のかもしれない、などと想像したり。
 あるいは、皇帝や騎士には火星古代文明の「呪詛・怨霊」か何かが憑依してたり、とか(笑)。

 火星テロリストの遺児・ライエ…15年前の戦争「ヘブンズ・フォール」の混乱の中、母親は死亡し、幼児を抱えた父親に、月の火星勢力の口減らしを兼ねた・地球に潜入する任務が与えられた、的な状況設定も思い付けますね。
 さらに、もっと卑怯な状況設定として、ライエは地球人で、月にあった民間施設に居た地球人(あるいは火星への移民志望者)幼児の一人を、火星テロリスト一味が偽装工作要件として潜入工作者である「父親」に与えた、という可能性も。火星テロリスト一味は、父親には「火星人の遺児だ」とか言い含めたりして。

 2014.07.27 

 第4話「追撃の騎士 −Point of No Return−」(2014.07.27#04)

 火星カタフラクトを倒した伊奈帆たちを練習機カタフラクトごと回収したLCACは、軌道上から新芦原市を標的にした隕石爆撃が落着する直前に新芦原市からの脱出を果たし、地球軍の港らしい場所で強襲揚陸艦わだつみの到着を待つことに。
 そこに、首都圏の火星揚陸城から派遣されたらしい、第2の火星カタフラクトの襲撃が。
 新たな火星カタフラクトは、光の剣を超高速で精確に取り回し、銃撃などの物理攻撃を的確に防ぎながら接近戦を挑む戦い方をする相手でした。
 伊奈帆は、火星カタフラクトその2を、港のクレーンを使った「罠」に誘い込み痛撃を与え、強襲揚陸艦わだつみの到着と砲撃もあり、撤退に追い込みました。
 一方、火星側の少年・スレインは、「アセイラム姫の敵討ち」を口にして、出撃の許可を求めました。

 火星のプリンセス・アセイラムは一般人・セラムとして、地球側の少年・界塚伊奈帆たちと行動を共にすることを、伊奈帆と、火星テロリストの遺児・ライエの二人に求め、伊奈帆の諒承によりライエも黙認します。
 ライエの方は、自分が火星人テロリストの仲間だったことを、伊奈帆たちに明かさずに、火星人への敵意だけを表明しました。

 …スレインくんは、アセイラム姫の生存とトリルランの言動と銃で殺した事について、火星騎士の上司には語らないことを選んだようです。今回の副題の「Point of No Return」は、この決断を指しているように、私には思えます。
 彼の行動は、火星の謀略派閥の全容や目的を把握しようとしてのもの、なのでしょうか。次回以降に、密かにアセイラム姫に接触を図ったりするのかな、と想像しますが、はたして。

 前回と今回の火星カタフラクトの強さ・弱さを見る限り、火星騎士の弱点は、ひとえに単独行動している点にあるように思えました。加えて、火星騎士の・いわゆる舐めプ…地球人とその戦闘力の軽視・火星騎士の力の過信…が、伊奈帆に戦術的な勝利をもたらしたように感じます。

 今回の戦闘の、地球側から見た最悪の展開は、火星カタフラクトその2が問答無用で接近戦を仕掛けてきて全てを破壊してしまうこと、だったと思います。
 伊奈帆側のLCACが艦橋の損壊を免れたのは、火星騎士/カタフラクトが2隻の脅威度を判定したから、でしょうか。伊奈帆側のLCACはエンジン始動前だったので、動力の熱量を見て、とかでしょうか。だとしても二択だったので、伊奈帆側のLCACは幸運だった(脚本の都合=主人公補正)と、どうしても思ってしまいます。
 今回の火星騎士が先手での殲滅を選ばなかったのは、どんな理由があるのか、知りたいです。捕虜の確保を命じられていた、とかかもしれませんが、問答無用で片方のLCAC艦橋を潰す行動を見ると、そうとは考え難いので。

 今回の火星カタフラクトは、どうやって港まで来たのでしょう。首都圏から火星カタフラクト単体で移動可能なくらい、LCACが寄った港は近かった、のでしょうか。

 なんともアンバランスな火星カタフラクトその2ですが、細い脚部とオーバーサイズな上半身を見ていると、脚部の細さに相応な「素体」が、二回り程も大きな(それに相応しい機能性能)の「追加外装」を着込み・着膨れている、様にも思えて。
 実は全ての火星カタフラクトは、共通の細身の素体の上に、各騎士毎に・好みや戦法や何かの要件で、様々な追加外装を施されている、のかもしれないとか想像してしまいます。

 火星騎士たちは、単純に自身による地球の占領・確保を目指している、のでしょうか。その行動の視野の狭さ・短さを見るに、あまり将来や未来への中長期的な展望や計画を、持っているようには思えませんけど。
 火星のプリンセスの弑逆を企てた派閥の指導者(たち?)は、たとえば「世界征服後の施政」レベルの「予定」を持ってはいるのでしょうか。

 2014.08.03 

 第5話「謁見の先で ―Phantom of The Emperor―」(2014.08.03#05)

 火星の皇帝が地球に休戦を申し出ました。
 地球に降下し侵攻を進めつつある火星騎士たちは反発します。
 地球側の少年・伊奈帆たちを収容した強襲揚陸艦わだつみに、火星カタフラクトその2が襲来します。
 伊奈帆は、火星カタフラクトその2の光の剣の威力を逆手に取り、地球カタフラクト1機と引き替えに海中に叩き込むことで水蒸気爆発を誘発させ、その爆発力で火星カタフラクトその2を撃破するのでした。
 火星側の少年・スレインは、火星皇帝に直接、姫の存命を打ち明けますが、火星騎士の一人に先手を打たれていて、皇帝は火星騎士の言い分を信じたのか、地球に対し改めて宣戦布告しました。…スレインくん、逃げてー。

 …なんとも朝令暮改な、休戦の申し出の後に改めての宣戦布告をした火星皇帝は、はたして部下の暗躍・叛逆を把握できない程度の暗君なのか、それとも造反者たち(?)の存在には気付いていての・何らかの思惑があっての迷走なのか。
 情報収集の様子を見ても、直接の視認どころか、使用人・配下などの人を介しての伝言ゲームでしか状況を知り得ない感じなので、そこから改善するとなると、それこそ自分が前線に出るくらいじゃないと、情報を握る輩の恣意的な判断・解釈・操作を抑えることはできそうに無い、様に思えます。でも、皇帝は体調が思わしくない感じなので/武力を揮っての独立を行なった過去からしても遠い地球の「敵対勢力」への慈悲は持ちようが無いとも思えるので/地球侵攻を始めて成果を上げつつある騎士たちを止めるには現状では「証拠・理由」が足りないので、等々から鑑みた現状維持のための迷走なのかな、とも思いますが、はたして。

 火星皇帝の玉座の背後の壁の植物(苔?)は、モウコジャコウソウか転輪王か、などと思いました(笑)。

 物語の現在の5年前に、スレインくんがカプセルで落着した場所は、火星古代文明の遺跡なのでしょうか。アセイラム姫は、どんな理由で、あの時あの場所に居たのでしょうか。
 それとも、あの塔(?)は火星帝国の王城で、あの部屋はアセイラム姫の居住区画(の一部)とかだったりするのでしょうか。

 そしてスレインくんが、液体が充填されていたらしいカプセルで火星に落下した経緯は、はたして何なのか。
 思い付くのは…
 ・ 現火星人(地球移民)によるワープゲート開発の一環の、超高重力による空間歪曲とかの実験で、スレインくんを被験者にした耐重力有人カプセルを投入したが、失敗して火星に落着させてしまった。
 ・ 耐加速装置を使った高加速宇宙船の事故か何かでカプセルが火星に落着した。
 ・ コールドスリープ装置を使った生活資源節約型宇宙船の事故か何かでカプセルが火星に落着した。
 ・ 15年前の月のワープゲート暴走に巻き込まれた、スレインくん入りの、何か(耐加速とかコールドスリープとか)の実験カプセルが、10年後に火星に出現し落着した。
…辺りですが、この中に当たりはあるでしょうか(笑)。

 地球侵攻を行なっている火星騎士(軌道騎士)たちは、もしかすると、15年前の戦争以降ずっと月や地球軌道に居て・間近に地球を見続けていて、火星は「遠い故郷」になり火星と皇帝への忠誠も擦り切れ形骸化して、ひたすら「すぐそこにある豊かな大地」への欲望が肥大化してしまっている、のでしょうか。

 前回の隕石爆撃のシーンを見て、伊奈帆たち・地球に住む人たちは、こういう被害を15年間、それなりに体験し続けているのかな、と思いました。
 とすると、火星側が強力な通信妨害をしているにもかかわらず、隕石落下自体は察知していたのも、そういう体制が社会全体で構築されている、と解釈できそうです。そうならば、農業・工業・居住・サービス業、等々も、隕石落着の可能性の少ない場所や施設・構造を持っている可能性が考えられるでしょう。それでも日本の首都圏を始め、要所を制圧されつつある感じの地球軍の兵站や、避難民の生活の困窮具合は、今後どうなるのか関心を持ってます。

 火星の揚陸城が地球軌道上に展開されている理由も、もしかすると地球カタフラクトの開発も、15年の間の交渉や駆け引きで、軌道掃海を申し出たり/申し込んだり、作業機械のノウハウの提供を要請したり/受け入れたり(生活物資と交換とか)、等があったのかもしれない、と思います。

 火星カタフラクトその2の最期は、海中で光の剣は安全装置が働いて作動停止したものの、機体は地球カタフラクトに拘束されたまま沈み続け、遂には水圧で押し潰される、でも良かったかも、と思い付きました。

 火星カタフラクトその2の頭部の修理後の無骨さから、少なくとも揚陸城には予備部品が無いこと、機能は修理復元できても外観を元通りにするだけの設備が無いこと、等が想定できます。
 もしかすると火星カタフラクトは、火星でしか製造できない・火星古代文明の遺跡からのみ産出(あるいは発掘)される物、だったりするのかもしれない、と思えます。機能や構造は地球がカタフラクトを製造できる程度には解析・研究・周知されている様子ですが。

 スレインくんが体験した、人の姿のない火星皇帝の居城(?)の様子に、「実はアルドノア炉(揚陸城とかの中に並ぶ光の玉)には火星移民の脳髄が使われている」とかだったら嫌過ぎる、と思ったりしてます(苦笑)。

 2014.08.10 

 第6話「記憶の島 ―Steel Step Suite―」(2014.08.10#06)

 種子島で補給と修理をしてロシアの地球連合本部に向かうべく航行する強襲揚陸艦わだつみ艦内では、火星皇帝の宣戦布告に地球軍も応じて、民間人も予備役も正式な軍人として扱う手続きが始まりました。
 種子島へ接近していたわだつみに、巨大な拳が突入しました。
 種子島の高台には、拳を撃ちだす火星カタフラクトが立ち、わだつみに攻撃を仕掛けてきました。
 ライフル弾で拳の軌道をずらし攻撃を凌ぐ伊奈帆たちでしたが、狙いを外し弾切れしてしまい軌道変更に失敗した拳に痛撃を受けようとした寸前に、クルーテオ伯爵の揚陸城をスカイキャリアで脱出してきたスレインの攻撃で、間一髪の危機から脱しました。

 …次回、伊奈帆とスレインとアセイラム姫の関係が進展・変化したり、女伯爵の火星カタフラクトその3との決着がついたり、するのでしょうか。
 スレインくんがアセイラム姫と再会し、伊奈帆とドライな協力関係になり、女伯爵がアセイラム姫の存命に衝撃を受け・姫と地球人たちを囲い込み・ザーツバルム伯爵と対抗しようとする、みたいな展開を期待してしまいますが、はたして(苦笑)。

 スレインくんのクルーテオ城脱出劇は、ザーツバルム伯爵の干渉(と、もしかすると内通者への脱出幇助指示も?)により上手く行ったのではないか、と疑っています。スレインくんがクルーテオ伯爵に拘束され、アセイラム姫暗殺の件に関する「真実」をクルーテオ伯爵の耳に入れることを、ザーツバルム伯爵が嫌ったのではないか、と。クルーテオ伯爵がスレインくんの言葉を簡単に信じるとは思えませんが、クルーテオ伯爵はトリルラン男爵やザーツバルム伯爵への疑念を持つ「かもしれない」、とも思えるので。

「飛べ! 我が眷属たちよっ!」
と宣じたフェミーアン伯爵ですが。その言葉から、「眷(拳?)属」中枢をAIBO的な小型動物メカにしていて、平時には自室に侍らせ愛でている、などという幻視をしてしまいました(笑)。
 種子島を「妾の領地」と言う女伯爵の揚陸城は、台湾か香港あたりに落着しているのでしょうか。

 火星カタフラクトの超装備は、使いようでは宇宙船の装備に極めて有用なものではないか、と思えてきました。
 その1の、なんでも分解する障壁は、高速で飛翔する宇宙船の前面に展開すれば、宇宙塵から宇宙線まで、完全に遮蔽してくれそうです。
 その2の、超高温の光の剣は、小惑星や個体惑星での資源採集や、効率の良い推進力に使えそうです。
 その3の、地球の大気圏内で自在に機動する超硬質の拳は、様々な環境での探査に活躍しそうです。

 2014.08.17 

 第7話「邂逅の二人 ―The Boys of Earth―」(2014.08.17#07)

 火星カタフラクトその3は、噴射推進拳の掌を動かす時には自身の硬化効果を解除する必要がある点と、後方の噴射口内には硬化効果が働かない点と、この2つの弱点を伊奈帆に見抜かれ・突かれて、全ての噴射推進拳を撃墜されてしまいました。
 種子島の防波堤(?)に追突していた強襲揚陸艦わだつみは、軌道を射撃で逸らされた噴射推進拳の一つが島の崖を崩した時に露顕した、島の内部に造成された港湾施設の入り口に、強引に突入して入り口を砲撃で崩し、火星カタフラクトその3の攻撃から身を隠すことが出来ました。
 わだつみ艦長たちは、島の地下に隠されていた、15年前に地球に来ていた火星カタフラクトを目にして、驚きます。
 伊奈帆とスレインとゆき(伊奈帆の姉)と韻子の協働により全ての噴射推進拳を撃墜された火星カタフラクトその3は、本体が変形して飛行を始め、伊奈帆の地球カタフラクトを乗せたスレインのスカイキャリアに迫ります。
 その時、種子島の地下からミサイル攻撃が実行され、更に、アセイラム姫によって起動された巨大な飛行戦艦が、地盤を割り崩しながら浮上しました。
 そして、火星カタフラクトその3は、飛行戦艦に轢き潰され、さらにライエのライフルで撃たれて爆発したのでした。
 その後、伊奈帆とスレインは、互いの、アセイラム姫への対応を問い質し合い敵対して撃ち合い、伊奈帆の銃撃でスレインのスカイキャリアを墜落させるのでした。

 …地球カタフラクトの基礎技術は、種子島の地下の火星カタフラクトから得たもの、だったのでしょうか。
 そして、脅威の飛行戦艦というか発掘戦艦というか超戦艦アルドノアというか、な、なんとも昭和チックなデザイン・武装の/どうにも南アタリア島に落着したSDF−1マクロスな感じもするアレも、15年前に落着していたもの・月の遺跡の一部、なのでしょうか。「ぼくがかんがえたさいきょうのへいき」というか思いっきり地球産の発想で作られた超ロマン兵器の系譜にしか見えません。技術的には揚陸城の建造技術と同系統なのかな、とも思えますけど。
 あの飛行戦艦は、いずれワープして火星に行ったりするのでしょうか(苦笑)。

 伊奈帆とスレインの口論と物別れは、ちょっと脚本の都合な印象を覚えてしまった展開でした。スレインも伊奈帆も、気持ち的に相手を受け入れる余裕がなかった、のかもしれませんが。

 軌道上から一部始終を観察していたはずのザーツバルム伯爵は、次回以降どう動くのか。アルドノアで動くらしい飛行戦艦を得たわだつみ艦長たちは、正体を明かしたアセイラム姫と、どう行動するのか。
 ライエは自身の矛盾をどうするのか。伊奈帆とスレインは敵対を続けるのか。アセイラム姫は、地球人たちの中で何を望むのか。

 飛行戦艦を得てしまった地球側の展開として、個人の激情の衝突の果ての対立よりも、互いの利害を勘案しての冷静な協働を期待したいのですが、はたして。
 火星からも地球からも追われてスペースランナウェイ、もイヤですね。

 (2014.08.18 追記)

 スレインを「僕の敵」と断じた伊奈帆。彼は、実は現状肯定な好戦派なのかも、と思い付きました。
 地球と火星が交戦状態にある今、ずっと貯め込んで来た鬱屈があって、それを火星人に向けて晴らせる現状を、暗殺されかかったアセイラム姫の味方らしい火星人の出現が変えてしまう・元に戻してしまう、かもしれないという可能性を嫌った、みたいな。

 遭遇してきた状況から、伊奈帆の思考を想像してみました。

 トリルラン/ニロケラスの襲撃…アセイラム姫暗殺から始まった、世界の激変。敵の襲撃。敵の弱点を突いて勝利し、友人の敵討ちが出来た。生きていたアセイラム姫がそこに居る驚き。
 新芦原市への隕石爆撃…圧倒的な武力・無慈悲な敵意の示し。
 アセイラム姫との対話…アセイラム姫生存を公開し、敵の注目を浴びることは避けたい。
 ブラド/アルギュレの襲撃その1…アセイラム姫生存の情報を敵に与えたくない。敵を詭計にはめることが出来、撤退させることが出来た。
 ブラド/アルギュレの襲撃その2…その1で得ていた敵の情報から、海を使って敵を倒すことが出来た。
 火星皇帝の宣戦布告…アセイラム姫の生存を、火星人が公式に否定したことを確信。
 フェミーアン/ヘラスの襲撃…敵がアセイラム姫の生存を知り、暗殺完遂を目的に襲ってきた可能性。
 スレイン/スカイキャリアとの共闘…火星人の内部抗争の存在を示す「コウモリ」の目的は、フェミーアン/ヘラスとの敵対からすると、アセイラム姫の暗殺ではない。「コウモリ」の存在は、火星人の内部でアセイラム姫生存が認識され対立が起こっていることの証拠であり、フェミーアン/ヘラスの襲撃が、アセイラム姫殺害を目的としていた可能性を高めるもの。

 「コウモリ」の出現と飛行戦艦の取得は、確実に伊奈帆たちに世界(地球と火星)の関心が集まることを意味します。
 敵の攻撃は激しくなり、味方との関係は複雑になり、状況は厳しくなりこそすれ、楽になることは期待できそうにありません。
 そう考えると、伊奈帆の「僕の敵」宣言は、スカイキャリアへの攻撃を翼だけに止めたことからすると、状況悪化の象徴に思える「コウモリ」への不信感・不快感・隔意の自覚なのかもしれない、とも思えてきました。

 地球側がアセイラム姫を「利用する」ということは、火星に・ひいては世界中に、アセイラム姫の生存を公示する、ということでしょう。
 それが「困る」と言うなら、「コウモリ」は、アセイラム姫の殺害には反対しているが、公的には死んだままにしておきたい火星人勢力=現状のまま戦争を続けたい奴らの一員である、と伊奈帆は解釈し、だから「僕の敵」と言ったのかもしれない、と思い付きました。

 次回以降、伊奈帆が周囲に自分の考えをどのように表明して行くのか、で、彼の真意が判る、でしょうか。

 2014.08.24 

 第8話「鳥を見た日 ―Then and Now―」(2014.08.24#08)

 スレインは、海に落ちたスカイキャリアともども伊奈帆たちには回収されることなく放置され、日本の首都圏を制圧しているクルーテオ伯爵の派遣した者たちに捕縛されてしまったようです。
 クルーテオ伯爵は、揚陸城の拷問室(?)でスレインを責め、これまでの状況の裏にあるものを吐かせようとしますが、クルーテオ伯爵をアセイラム姫暗殺勢力の一員かもしれないと疑うスレインは、口を割りません。
 艦橋に「DEUCALION」という銘板を掲げた発掘戦艦は、種子島を出て、どこかの港に落ち着いて。とりあえずの目的は、ロシアの地球連合本部に向かい、生存していたアセイラム姫を送り届けること、になった感じです。
 拷問の末の朦朧とする意識の中、スレインはクルーテオ伯爵にトリルランの行動の要点を語ってしまい…クルーテオ伯爵は、アセイラム姫の生存と火星騎士の叛逆を悟るのでした。
 ところがその時、ザーツバルム伯爵自らが駆る火星カタフラクトがクルーテオ城を強襲し中心部を破壊・クルーテオ伯爵を殺害し、スレインを攫って宇宙へと去って行ったのでした。

 …スレインくん、洗脳されて仮面の騎士として伊奈帆たちの前に敵として現われそうな悪寒。
 というのは空想として、ザーツバルム伯爵は、どんな思惑でスレインを持ち帰ったのでしょう。たまたま目の前にあったから、というのは勘弁ですが。あるいは種子島の火星カタフラクトDEUCALIONや謎の飛行戦艦の詳細を知っているかもしれないと考えたのか、トロイヤード博士/アルドノア絡みの何かかな? とも思いますが、はたして。
 この後、ザーツバルム伯爵はクルーテオ城を隕石爆撃でもして、自分が襲撃した証拠の隠滅を徹底する、のでしょうか。

 それにしても火星カタフラクトの設計思想・想定戦術は、搭乗者が騎士と名乗っているだけあるのか、1対1しか考えていない感じがひしひしとする、1対多の戦闘での脆さの露呈の連続に思えます。

 ところで超戦艦「DEUCALION」は、15年前に種子島に下りた火星カタフラクト「DEUCALION」のアルドノアドライブを使って、地球側が建造していたもの、と思わしき感じです。
 でもそうすると、アルドノアドライブの出力を前提とした武器類は、まともな試射すらしていない、と思われ、実戦で役に立つのかどうか不安です。と言うか超戦艦「DEUCALION」は、よくも起動直後から安定して飛行できたものだ、と思います(苦笑)。
 あ!
 超戦艦「DEUCALION」の武装は、火星カタフラクト「DEUCALION」のものを地球側なりに解析して・その仕様と仕組みのままに組み上げたもの、だったりするのでしょうか。外観は海洋戦艦を模しているものの、中の仕組みは火星カタフラクト「DEUCALION」の引写し、とか。だからこそ超戦艦の名を「DEUCALION」にした、と。それなら純地球製の武器よりはアルドノアドライブと適合しそうですけど。
 でも、「DEUCALION」という火星側の呼称を地球側がそのまま継承したのなら、そうするだけの何か理由が欲しいところです。
 …実は、超戦艦DEUCALIONは「アルドノアドライブ以外の火星カタフラクトDEUCALIONの機構機能を、地球の技術だけで再現しようとして頑張って成し遂げたものの、あまりにも巨大かつ複雑になったので、膨れ上がった機体を納めるために戦艦の形にしてしまった」のかもしれない、と思い付きました(爆)。

 2014.08.31 

 第9話「追憶装置 ―Darkness Visible―」(2014.08.31#09)

 飛行戦艦「DEUCALION」はインド東岸から北上しヒマラヤ山脈を越えシベリアへ抜けようとしていました。
 ザーツバルム伯爵はスレインに、15年前の地球でスレインの父親・トロイヤード博士に命を救われた恩義から助け出した、と言い、さらに、自分がアセイラム姫暗殺の首謀者だと告げました。
 15年前の戦いの中でザーツバルム伯爵は婚約者を亡くし、その怒りと悲しみを火星王家と地球に向けていたのでした。
 毬戸大尉のPTSDの原因は、15年前の戦闘で、戦車に閉じ込められた同僚を射殺したから、でした。
 ライエは、明朗闊達に過ごすアセイラム姫に、寄る辺の無い自分自身を対比させて精神的に追い詰められたのか、衝動的に襲い掛かりました。
 アセイラム姫は浴室の床に倒れ伏し、同時に飛行戦艦「DEUCALION」のアルドノアドライブが停止し、船は氷原に不時着するのでした。

 …地球の各大陸の東岸側は、15年前のヘブンズ・フォールで海岸線の形が激変するほどの被害を受けた感じです。たぶんきっと、地図では判らない内陸部も、海や湖になってないだけで、穴だらけになっていたりするのでしょう。

 毬戸大尉が同僚を戦車から引き出そうとしていた映像は、彼自身の自己欺瞞だった、ということでしょうか。

 ザーツバルム伯爵の意図・意志は、指導者としては言語道断じゃないかと思います。ひたすらに全てを巻き込む破滅へ・何も救われない悲劇へと向かっている、様にしか思えません。
 身内を失った激情は、ザーツバルムだけのものではない、でしょうに・彼もそれは見聞きして知っているでしょうに、なまじ武力と政治力を持っていたが故にか、愚行に走ってしまったことに、ザーツバルムは自らを省みて何も感じないのでしょうか。それとも、止まらなかった・止める何者もいなかった陰謀と暗躍の連鎖に、人類の愚昧に対する諦念・絶望を深めた、とかなのでしょうか。

 自作自演のアセイラム姫の暗殺を口実に地球侵攻を実行したザーツバルム伯爵には、この先に自制的な・戦争状態を落ち着かせて平和的な状況に持って行く方向での未来図があるのでしょうか。
 彼自身の口ぶりや、火星騎士たちの言動からすると、地球人が無条件降伏するまで徹底的に叩く・降伏したら封建的な支配をする、くらいしか考えてない気もしますが。それでは早晩に火星騎士同士で領地や資源の奪い合いが起こったりしそうです。

 破滅への衝動、という点ではライエの懊悩も同じではないか、と感じました。その衝動のままに襲い掛かった結果、更に取り返しの付かない事態を招くという負の連鎖は救われません。
 はたして、アセイラム姫は気絶しただけ、とかなのか否か、も不安です。…まさか、憑依とか入れ替わりとか(そしてOP最後のシーンへ gkbr)。

 戦闘シミュレーターでライエにニロケラスをけしかける界塚姉はヒドイと思います。あのニロケラスに弱点も付与されてたら、伊奈帆なら対応して勝てたりするのか否か、少し興味があります。

 ライエとアセイラム姫の、多少なりとも丸く収まる方向での甘めの展開としては…

 アセイラム姫は生きていて、ライエは傷害罪で拘束され、自分の出自を告白したライエをアセイラム姫が許し、ところが、アセイラム姫のアルドノア成分(笑)はライエに転移していて、飛行戦艦「DEUCALION」の要になってしまったライエは対外的にもアセイラム姫の影武者を務めることになる。

 …という「ご都合な成り行き」を思い付きました。

 2014.09.07 

 第10話「嵐になるまで ―Before the War―」(2014.09.07#10)

 ライエに襲われ心肺停止したアセイラム姫でしたが、伊奈帆の救命処置が功を奏して一命を取り留めました。
 ライエは自分の来歴を伊奈帆たちに明かします。そして、アセイラム姫との対話と、伊奈帆との会話の後に、ライエは降参するのでした。
 動力が復活した飛行戦艦デューカリオンは、ロシアの地球連合本部に到着しました。そこでアセイラム姫は世界に向かって休戦を呼び掛けます。
 しかし、火星側の情報管制を掌握している様子のザーツバルム伯爵は、アセイラム姫の呼び掛けを握り潰し、通信で得られた地球連合本部の場所に揚陸城で襲い掛かるのでした。

 …スレインは、ザーツバルム伯爵に託されたクルーテオ伯爵の火星カタフラクト機・タルシスを、どう使うのでしょう。そもそもスレインはアルドノアドライブの起動権を持っているのか否か、不明ですけど(笑)。

 地球連合本部には、飛行戦艦デューカリオンを受け入れることが出来る港湾施設がありましたが、もしかして、種子島の火星カタフラクト機を元にアルドノアドライブ戦艦を建造しようとした計画の一環で作っていた施設、だったりするのでしょうか。

 そして気になる設定的な謎は、火星のアルドノア本体(?)の正体と、月の崩壊の原因、ですね。

 2014.09.14 

 第11話「ノヴォスタリスクの攻防 ―Wind, Snow and Stars―」(2014.09.14#11)

 ザーツバルム伯爵は自身の揚陸城を地球連合本部の至近に降下させ、自ら火星カタフラクトを駆って進攻を開始しました。
 迎え撃つ地球連合軍ですが、突入してきたザーツバルムの兵たちの目標はアセイラム姫でした。
 エデルリッゾとライエの活躍でアセイラム姫を乗艦させた飛行戦艦デューカリオンは基地を出て、ザーツバルムの揚陸城の上空から強襲を掛けます。
 しかし、伊奈帆を含む強襲部隊を放出した飛行戦艦デューカリオンを、ザーツバルム伯爵の火星カタフラクトが攻撃します。
 痛撃された飛行戦艦デューカリオンは、ザーツバルムの揚陸城に艦首から突入したのでした。

 …スレインくん、飛行戦艦デューカリオンのドックまで行きながらも無駄足に(不幸)。
 ま、まだエデルリッゾとライエ(地球カタフラクト付き)を連れて、ザーツバルム揚陸城内の戦闘に推参する機会はある、と期待しましょう。

 ザーツバルムの私兵(?)は、躊躇なくアセイラム姫の弑逆を口にしました。ザーツバルム伯爵の「教育」が徹底していたことの現われ、なのでしょうけど、同時に火星(ヴァース)という「国」の歪み・虚ろさの現れでもあるように思えます。あるいは日本の中世の、戦国大名と朝廷は、もしかするとこんな感じの意識の差があったりしたのでしょうか。

 艦長以下のデューカリオン戦闘要員の作戦会議は、アセイラム姫と伊奈帆のアルドノアドライブに関する会話よりも後・アセイラム姫を乗せて発進する前、なのでしょうけど、そんな時間的余裕はあったのでしょうか。ちょっと謎です。

 ザーツバルムの火星カタフラクトの攻撃を受けて深刻な損傷を受けた飛行戦艦デューカリオンですが、ザーツバルムの揚陸城に強行突入した衝撃に、はたして艦と乗員は耐えられたのでしょうか(不安)。事前に衝撃の発生方向が判っていれば、反重力機関での衝撃相殺も可能だった、とかなのでしょうか(苦笑)。

 (2014.09.16 追記)

 ザーツバルム伯爵の火星皇帝への造反・ザーツバルム兵の皇姫弑逆作戦の迷いの無さ、を、戦国大名の朝廷敬遠・各大名の領民の帰属意識、と同定可能かも、として。
 皇帝=アルドノアドライブ起動権下賜権=征夷大将軍、とすると、火星のアルドノア本体=朝廷、と見れるかも。ザーツバルム伯爵が言う「領民」の実体が全く不明なので、何とも言えませんが。
 あるいは物語の現状は、火星=江戸、クルーテオ伯爵=新撰組、ザーツバルム伯爵=尊皇攘夷論者、地球=京都、みたいな見立ては苦しいでしょうか(笑)。
 火星皇帝=織田信長、ザーツバルム伯爵=明智光秀、と見ると、豊臣秀吉や徳川家康は? となりますが。

 (2014.09.18 追記)

 エデルリッゾは、他者との交流が皆無な感じで、姫さまを例外として、後はスレインと伊奈帆に片手で数えられるくらい口を開いた、程度で。その個性・キャラクターを感じる取っかかりが何も無いまま、ここまで来ました。
 今回、軍用車両を運転する技量を持っていることが示されましたが、そこから逆算して、初期の頃・ニロケラス戦でライエと姫さまのトレーラーに、運転手予備としてでも同乗して、その後はライエが/と話す唯一のキャラクターという立ち位置になっていれば、ライエに絡んでエデルリッゾのキャラクターも描写できたのではないか、とか後出しの思い付きが浮かんできました。

 2014.09.21 

 第12話「たとえ天が堕ちるとも ―Childhood’s End―」(2014.09.21#12)

 ザーツバルム伯爵の火星カタフラクト・ディオスクリアは、バリアー・光の剣・分離合体&飛行という、ニロケラス・アルギュレ・ヘラスの機能を全部乗せした人型メカでした。
 伊奈帆は、腕が分離攻撃するときの本体の隙…バリアーを張れず・接合部が無防備…を突き、それを突破口にザーツバルム伯爵を追い詰めます。
 同じ頃、アセイラム姫はザーツバルム城のアルドノアドライブを停止させます。
 伊奈帆がザーツバルム伯爵を追い詰めた時、クルーテオ伯爵の火星カタフラクト・タルシスを起動できてしまったスレインが現われ、伊奈帆の地球カタフラクト・スレイプニールに体当たりをして、スレイン・タルシスと伊奈帆・スレイプニールは、姫が居る動力部に突入してしまいます。
 スレインの突進で重傷を負った伊奈帆に状況を告げていたアセイラム姫を、ザーツバルム伯爵が撃ち倒してしまいます。
 スレインはザーツバルム伯爵を撃ちますが、殺しきれず。
 倒れたアセイラム姫に近付く重傷の伊奈帆を見て、スレインは伊奈帆に銃を向けます。
 二人は、
「オレンジ色」
「コウモリ」
 と互いを呼び、銃を向け合い。
 スレインが伊奈帆を撃ち倒すのでした。

 …スレインは健在。アセイラム姫、伊奈帆、ザーツバルム伯爵は生死不明な感じで、物語はいったん幕を閉じました。

「味方に銃を向ける奴はいない」
 スレインも伊奈帆も、互いに銃を向けてしまったが故の結果、とは言えますが、あの状況で銃を向けないことを選択できるか否か・銃を向ける前に敵か味方か判断/検討できるか否か、は難しそうです。
 でも、そもそも先に銃を向けたのはスレインです。それに応じて銃を構えた伊奈帆を、銃を向けてきたから撃った、な感じで撃ってしまったスレインは、先の言葉だけに縛られ過ぎ、と思えます。銃を向ける奴は敵、ではなく、味方にすれば銃は向けてこない、として、まず「味方にすること」の方法/手段を考えよう・それに悩もうよ、と言いたいです。

 ザーツバルム伯爵は、そして伊奈帆は、生き延びているのでしょうか。
 ひとりぼっちのスレインは、これから何をするのでしょう。…ザーツバルム伯爵を救命し、アルドノアドライブ起動権を持っていることで火星側で成り上がる、のでしょうか。いや、その起動権はアセイラム姫起源のものと考えられるので、アセイラム姫が存命でなければ消失してる気もします。アセイラム姫は脳死には至らなかったものの植物状態、だと悲壮です。

 ザーツバルム伯爵の、自分の中の理性と感情の二律背反に翻弄され、理性の正しさを認めながらも感情に抵抗できない自分の俗物っぷりに絶望している、的な告白を、似た感じに揺れ動き続けるコウモリ・スレインは共感してしまったのかな、と思ったり。

 エデルリッゾが投降したのは、火星軍な感じ(袖とか)でしたが、どうなるのでしょう。
 そしてライエのその後も、どうなった・どうなるのでしょう。…界塚姉とインコとライエが、第2期での主戦力になりそうな気がしてたりしますが、如何に。

 多数の火星騎士/揚陸城が地球上には健在の筈で。
 地球側は、アセイラム姫を失い、稼動状態のアルドノアドライブを持たず。…デューカリオンのアルドノアドライブが稼動し続けているのなら、それはすなわちアセイラム姫の生存を意味する訳ですが。まあ、持っていてもデューカリオン一隻だけでは、せいぜい旗艦として張り子の虎 or 象徴化、するしかない気もします。
 地球と火星の交渉が上手く行ったとして、火星騎士/揚陸城の地上制圧区域はそのままの状態で休戦、でしょうか。

 第2期(?)は、2015年1月ごろ、みたいです。

 (2014.09.22 追記)

 ディオスクリアの、ニロケラス・アルギュレ・ヘラスとの関係を想像してみました。
 ・ニロケラスのトリルランはザーツバルムの身内/手下です。
 ・アルギュレのブラドはクルーテオの手下/身内っぽいです。
 ・ヘラスのフェミーアンは、ザーツバルムやクルーテオとの関係が不明ですが、クルーテオの制圧域に隣接する制圧域を手に入れる程度の近くに互いの揚陸城を降下させているらしいことは、本編から読み取れるので、そんな感じに近くに寄れる程度には良好な関係を持っているのではないか、と推測できます。
 そこで。
 ザーツバルム伯爵は、元々のディオスクリアに、自身の身内・懇意にしている伯爵の身内・悪くない関係と思われる伯爵、の持つ火星カタフラクトの機能を、良いとこ取りで後付けしていったのではないか、と考えます。後付け故の、変形分離組み換え増設ゲタ履かせ合体ではないのだろうか、と。
 ただ、ヘラス/フェミーアンについては、関係性が推測でしかないので、たとえばザーツバルムの故婚約者の女騎士つながりの可能性とか、若いフェミーアンが火星騎士・伯爵になるに当たって、古参のザーツバルムやクルーテオが助言・後援・後見をしていた可能性とか、その流れで、ザーツバルムが自身の火星カタフラクトの分離合体機能の技術情報をフェミーアンのヘラスに提供し、代わりに眷属という発想をフェミーアンがザーツバルムに提供した可能性とか、色々と考えることはできそうです。

 (2014.09.23 追記)

 第2期への空想を。

 アセイラム姫と伊奈帆の存命と、スレインと伊奈帆がアセイラム姫からアルドノアドライブ起動権を得ていたことと、アルドノアドライブ起動権を与えた者が死亡したら与えられた者の起動権が失われることと、を前提・仮定として。

 火星では寝たきり皇帝が亡くなり(殺され?)、スレイン以外の火星騎士は、寝たきり皇帝から得ていたアルドノアドライブ起動権を喪失。アルドノア順位(?)からすると、寝たきり皇帝の死亡により、植物状態ながらアセイラム姫が第一位に。
 第二位になったスレインは起動権の下賜権も持つことになり、アセイラム姫の「夫」として新皇帝を僣称し、新たな火星騎士を次々と任命。ザーツバルム伯爵を後見として、火星本星と月を支配下に。
 スレイン同様、伊奈帆もアルドノアドライブ起動権と下賜権を持っていることが判明。起動権を失い戦意喪失状態だった地球の火星騎士は伊奈帆に従うことに。
 …これで、火星vs地球=スレインvs伊奈帆、という構図にできそう、かも。

 2015.01.11 

 第13話「眠れる月の少女 ―This Side of Paradise―」(2015.01.11#13)

 19ヶ月後。
 地球カタフラクト4機が、地球衛星軌道上(?)サテライトベルトで火星の輸送船に強襲をかけたものの、火星カタフラクト・タルシス/スレインに撃破され。
 月の(?)火星基地には、アセイラム姫ではない「直系の姫」レムリナ姫がいて(車椅子に乗り、エデルリッゾが付き)。
 発進準備中のデューカリオンを目指し(?)、エントロピー操作能力を持つ火星カタフラクトが侵攻し、韻子とライエが迎撃に出るものの押し負けて。
 そこに伊奈帆が姿を見せ、冷静果断な戦法で火星カタフラクトを撃破して。
 デューカリオンはトライデント基地に向かって発進し。

 …伊奈帆の目は機械で。スレインはザーツバルム伯爵の配下で。現行のアセイラム姫はレムリナ姫の偽装で。アセイラム姫は意識無く養生中(?)で。

 レムリナ姫以外は想定範囲内な感じでしょうか(苦笑)。
 伊奈帆くん、六百万ドルの男に? デューカリオンに、伊奈帆専用アルドノアドライブ・カタフラクト(ディオスクリア改装)が乗ってたら燃えるかも。

 デューカリオン出撃の目標は月の火星基地攻略?
 スレインは静かな狂気が感じられますが、コウモリの面目躍如に?(酷
 アセイラム姫は、はたして目覚めるのか、あのままなのか?

 色々と期待と不安が湧いてます。

 地球上空の地球側基地っぽいトライデント基地ですが、もしかしてザーツバルム揚陸城を地球側が接収・修理したのを伊奈帆が再起動させて宇宙に上げたもの、だったりしたら面白そうかも、ですね。

 ***

 if。
「お祖父様、空から男の子が」
 な感じだったアセイラム姫とスレインが出会う展開ではなく、親繋がりでザーツバルム伯爵がスレインを庇護下に置いて、その後にレムリナ姫のお付きになっていたら。

 意外と、アセイラム姫暗殺(未遂)〜ニロケラス襲撃に始まり、デューカリオンが地球連合軍本部に到着し・ザーツバルム揚陸城が降下し・伊奈帆/スレイプニールとザーツバルム/ディオスクリアの戦いが終わるまで、ほぼ全編に渡る展開が、特に問題なく進みそうです(笑)。

 トリルランの死因や、ザーツバルム伯爵がクルーテオ伯爵を強襲することになる段取りは変わりそうですが。
 それも、スレインがザーツバルム伯爵の真意(瞋恚)を知っていて、自分から「火星の現体制を崩す者」として動けば、それなりの展開を考えるのは可能に思えます。トリルランを始末し、クルーテオ伯爵の近くに侍ることで危険性をザーツバルム伯爵に伝える、等。

 ディオスクリア敗北後は、スレインがザーツバルム伯爵を普通に救出し、その過程でザーツバルム伯爵がアセイラム姫を撃ち・伊奈帆がザーツバルム伯爵を撃ち・スレインが伊奈帆を撃ち、とすることで、(スレインやザーツバルム伯爵がアセイラム姫を連行する必要はないので)アセイラム姫が地球側に残る以外は、今回の状況とほとんど同等になりそうな気がします。

 スレインの騎士就任は、ザーツバルム伯爵の救出後に初代皇帝から、で必要十分な気がします。もちろん、レムリナ姫からでも。
 レムリナ姫もまた、ザーツバルム伯爵に近い「世界に怒りを向ける者」でありそうですし。

 アセイラム姫が地球側に付いたことによる火星陣営の動揺をどうするか、は問題でしょうけど。

 (2015.01.13 追記)

 上記の、ザーツバルム伯爵を首魁に最初からスレインとレムリナ姫も共謀して、第3勢力な感じで火星も地球も等し並みの誅伐を企てる空想展開で。
 ニロケラス敗北後にトリルランは死なず、その後に小物的な保身や近視眼な野心でトリルランがクルーテオ伯爵にアセイラム姫の生存を知らせたので、それを知ったスレインからの報告によってザーツバルム伯爵がクルーテオ城を強襲した、という段取りも可能かも、などと。

 アルドノアドライブの起動権と特殊な血(血統)というネタで。

 −火星初代皇帝とトロイヤード博士(スレイン父)の、アルドノアを巡るバビル二世とヨミな感じの確執、とか。
 −アセイラム姫が主役の『その名は101』な後日談、とか。彼女の血から造られた人工騎士のアルドノアドライブ・カタフラクトによる戦乱が地球で起こっていて、姫が人工騎士とアルドノアドライブ・カタフラクトを封じて回る、みたいな。伊奈帆、スレイン、レムリナ姫は、3つのしもべ的に封印されていたり(笑)。

 …横山光輝テイストと相性が良いのかな、と思ったり(苦笑)。

 2015.01.18 

 第14話「異星の隣人たち ―The Beautiful and Damned―」(2015.01.18#14)

 デューカリオンは、地球上空サテライト・ベルトの地球軍トライデント基地へ。
 ザーツバルム伯爵麾下の船団は、月から出撃してサテライト・ベルトのヴァース軍マリネロス島へ。
 別々の軌道を巡る互いの基地島の最接近に合わせて、双方が大規模戦闘の準備に。
 ザーツバルム伯爵は「行きがけの駄賃」と、宇宙戦闘機っぽいステイギス15機に強襲を命じ。トライデント基地はヴァース船団の接近と小型機発進を知り迎撃に。
 伊奈帆曰くサテライト・ベルトの「高密度衛星群による重力偏向」で射撃が当たらず。しかし伊奈帆は当てて。
 伊奈帆の、ヴァース中型船を狙った弾を、スレインが阻止し。
 二人は互いを認識して。

 …砲弾の軌跡を曲げる程度の重力偏向というのは、どれだけ高密度な衛星群なのでしょう。月の崩壊時に出来た物、なのでしょうね。
 圧縮作用で高密度化したとしたら、ダイヤモンドが出来てたりして(笑)。

 体調が思わしくない様子のレイレガリア皇帝。祖父に偽りの姿で対面するレムリナ姫。
 互いの真相を、二人はどれだけ知っているのでしょう。発する言葉だけでは内面は窺い知れませんが、それなりに察しているのではないか、と考えたいです。

 レムリナ姫の下肢の不具合は、月の重力程度では歩行に支障をきたすけど微小重力くらいでなら一見普通に動ける様子。その状態や原因を巡る展開は、今後あるのでしょうか。

 スレインを「ウミネコ」と呼んだ伊奈帆でしたが、それはタルシスの配色からの連想なのでしょうか(苦笑)。

 アセイラム姫の入った容器を拭くエデルリッゾ。月基地ではアセイラム姫の事は公然の秘密な気がします。

 アルドノアを独占する火星の体制を否定するザーツバルム伯爵ですが、では、どう変えようと考えているのか。現状では、ちょっと判りません。
 起動権の貸与(?)が属人なものであるかぎり、階級付けは免れないでしょう。起動権保持者を民衆の「下」に付けようとしても、「公僕」の特権者化は不可避でしょう。

 宇宙戦闘機なステイギスは、アルドノアドライブの起動こそレムリナ姫が行なってましたが、とするとあの操縦者たちは、いわゆる軌道騎士とは違い起動権を貸与されていない兵士である、と思われます。
 軌道騎士以外の兵士にもアルドノアドライブ機を使わせる、という戦術は、ザーツバルム伯爵の「アルドノアの独占」を否定する思想の現実的な戦略のひとつ、なのかもしれない、と考えられるかもしれません。
 ステイギスが1+4で戦闘空域まで移動したのは、実は合体の要になる機体にしかアルドノアドライブが搭載されていないからかも? という思い付きが。

 (2015.01.20 追記)

 見立てコードギアス・キャラ、という空想がデンパして。

 ジェレミア(オレンジ)=伊奈帆。とすると、アーニャ=韻子。
 ユーフェミア=アセイラム姫。

 カレン=ライエ。で、伊奈帆の血をもらって/伊奈帆に起動してもらって、赤くしたディオスクリアを駆るんですね。

 ちょっと悩んで。
 ルルーシュ=ザーツバルム伯爵。スザク=スレイン。

 ナナリー=エデルリッゾ(笑)。

 レムリナ姫の想定は……C.C.? う〜ん(苦笑)。

 …という脳内遊びの中、火星のアルドノア本体にはレイレガリア皇帝のお妃がアセイラム姫な状態で存在している可能性、というか想定は可能か否か、という発想が降臨したり。
 アセイラム姫/伊奈帆、レムリナ姫/スレイン、オルレイン子爵/ザーツバルム伯爵、と見ると、レイレガリア皇帝にも対する女性が居てもおかしくない、と思えるので。

 ***

 ザーツバルム伯爵がスレインを引き取り、秘めた怒りと野望を共有し、レムリア姫を囲い込み、三人が世界に叛旗を翻し。
 1期の最後で皇帝を公開で糾弾し、月にザーツバルム公国の樹立を宣言し、月の基地が虚空に浮かび。
 2期は、ヴァース本星と公国と地球との3すくみ状態で始まって……。
 火星のアルドノアが暴走を始め、公国と地球、スレイン&レムリナ姫と伊奈帆&アセイラム姫が主導して対抗する、的な展開しか思い付かない。orz
 あるいは、地球にもアルドノアがあって……とか。

 ***

 さらなる if。
 14年前、月のハイパーゲート暴走時に戦死したと思われていた二代目皇帝は、専用カタフラクトとともに数光年の距離に跳ばされていて。
 二代目皇帝は自分のカタフラクトの能力の一つである亜光速航行で太陽系を目指し、数年の加齢を重ねて帰還して。
「我こそは太陽系皇帝である」
 とかなんとか言って大暴れ。レイレガリア皇帝とザーツバルム伯爵を滅ぼし。
 眠るアセイラム姫を地球のアルドノア「ゼロ」に奉じて、火星と地球のアルドノアの加護を得ようとするのを、伊奈帆とスレインが止める……とかとか(笑)。

 2015.01.25 

 第15話「旋転する罠 ―Toll for the Brave―」(2015.01.25#15)

 マリネロス島のヴァース軍 vs トライデント基地の地球軍。
 マリネロス島には、ザーツバルム伯爵を含めて伯爵級が3人? 軌道騎士のカタフラクトは、スレインのタルシスを合わせて4機以上?
 伊奈帆/スレイプニール vs スレイン/タルシスに、ザーツバルム伯爵/ディオスクリア2と韻子/アレイオン。
 対伊奈帆用の軌道置き弾が、ザーツバルム伯爵を撃つ弾になり。
 結果としては、ザーツバルム伯爵の戦死を除けば、本体への多少の損傷と兵員・機器の損耗と。
 そして、スレイン・ザーツバルム・トロイヤード伯爵が立ち。

 …19ヶ月前の「撃て」の答が、今回の軌道置き弾だった、と思えました。
 ザーツバルム伯爵家の統率は、副官ハークライトがこなすのでしょうか。

 ザーツバルム伯爵の代替わりによる政治力・発言力の低下は、アセイラム姫/レムリナ姫の威光で補うしかないでしょうけど、はたして。

 伊奈帆のサイバー化(死語)が、脳の未使用域の活用まで行けてる世界だったので、ならば、いっそ脳を摘出して全身義体化でいいんじゃないかなアセイラム姫、と思ったり。

 2015.02.01 

 第16話「熱砂の進撃 ―Soldiers’ Pay―」(2015.02.01#16)

 鞠戸大尉と貝塚准尉は、デューカリオンへの乗艦を求められたが断り、地球でカタフラクト水上母艦(強襲揚陸艦?)に乗っていた様子。
 互いの要塞の離合戦を終え、地球軍はデューカリオンに降下指示。
 ヴァース軍は、スレインに反感を持つ伯爵級(マリネロス島の管理職?)が根回しとして、自分たちより弱い立場な感じの伯爵級軌道騎士に地上制圧の性急な進展を勧めて。その結果、中東に降下していた伯爵級は火星カタフラクトを駆り、強引な侵攻を始め、たまたま近くに居た鞠戸大尉と貝塚准尉の地球カタフラクト隊が迎撃に出て。
 水平方向に破壊的な重力の潮汐力を発する火星カタフラクトの威力に壊滅寸前だった鞠戸隊を、軌道上からデューカリオンが救い。
 一方、スレインはタルシスでトライデント基地を急襲し、補給船の弾薬の誘爆によってトライデント基地は壊滅的な損害を受けた様子。

 …伊奈帆の、
「しかたないか」
は、軍の中の一兵士である自分や個艦であるデューカリオンは、鞠戸隊は救えても同時にトライデント基地を救えるほど万能ではない、という認識の表現に思えますが、はたして。
 何か、ヴァース軍に損害を与える方向での提案とか、したりはしないのでしょうか。
 左目を押さえていた事からすると、襲撃の可能性の提案や発想を得ていたけど上申はしなかった、でもそれは「しかたないか」ということかも、とも思い付きました。地球への帰還で慌ただしかったり、上申しても可能性でしかない意見への対応は難しかった気がしますし。

 トライデント基地に大打撃を与えたスレインは、一定の支持を得た様子ですが、次の手は何でしょう。味方を増やすか敵を減らすか。

 地球軍はヴァース軍マリネリス基地に応報するのか。
 スレインは綱紀粛正を進めるのか。

 伊奈帆が、あの距離で姉に会いに行かない、という判断をした理由・意志・意図が、判りません。単に「直前に会話したから、今はいいか」という、甘えなのでしょうか。

 2015.02.08 

 第17話「謀略の夜明け ―The Turning Wheel―」(2015.02.08#17)

 デューカリオンは地上基地に停泊中。
 界塚ユキ准尉、鞠戸孝一郎大尉、耶賀頼蒼真医師(少尉)が追加人員として乗艦。
 マズゥールカ伯爵は地球軍の捕虜として収監され牢屋入り。
 伊奈帆はマズゥールカ伯爵の人柄を確認すると、地球軍基地から脱走させ(?)、本物のアセイラム姫の状況やスレインの真意を探ることを依頼して。
 マリネロス島管理職(?)のマリルシャン伯爵は、スレインの台頭に我慢も限界に達した様子で、月基地のアセイラム姫(レムリナ姫)に申し入れをしてから、バルークルス伯爵を伴って月基地に揚陸城で到来し、スレインに火星カタフラクトによる決闘を申し込み。

 …伊奈帆が軍法裁判必至の行動を取るとは思いませんでした。
 軍組織の一員という立場も、地球人と火星人の対立も、伊奈帆には二の次なんだな・関心が無いんだな、と思えた行動でした。
 スレインの真意や野望が伊奈帆の思惑と一致したら、少なくとも伊奈帆の方は躊躇なく共闘を申し出そうな気がします(苦笑)。

 次回はタルシス対ハーシェルの火星カタフラクト対決がメインでしょうか。

 2015.02.15 

 第18話「深い森を抜けて ―The Rose and the Ring―」(2015.02.15#18)

 地球上では、デューカリオン部隊が、光線式移動砲台な火星カタフラクトの討伐を行い。
 月では、スレイン/タルシスとマリルシャン伯爵/ハーシェルの決闘が行なわれ、スレインが勝利しマリルシャン伯爵は死亡し。
 アセイラム姫(偽)は、スレインとの婚姻と、火星からの月勢力の独立を宣言し。
 アセイラム姫(真)は、目覚め?

 …光線式への戦術は、伊奈帆の眼と、デューカリオンの曲射の他に、地味ですが連絡手段の事前の多重化が肝心だったと思えました。
 まあ、砲台の護衛部隊が展開されてない・砲台が単独で動いてる、という状況は、いわゆる「舐めプレイ」でしかなかった訳で。周囲に防衛線を張るとかスカイキャリアを飛ばすとか、すればいいのにしなかったから、というのは後知恵ですか。
 ところで、伊奈帆が使った中継器は、地球のものでしょうか、火星の備品でしょうか(笑)。

 月の決闘は、物語としてスレインの敗北は恐らくは無いと思えたので、マリルシャン伯爵の生死をどうするのかが興味でしたが、容赦なく殺したのは、他の軌道騎士への示威なのかな、と思いました。

 月勢力/スレインは、独立宣言を火星本星だけでなく地球にも告げるのか否か。月勢力内部の造反を抑えつつ、火星本星の分裂・弱体化を誘う、として、地球とはどうするのか。地球を占領している軌道騎士勢力や、そもそも火星人の、地球への敵意を考えれば、月と地球で友誼を結ぶのは、少なくとも直ぐには無理でしょうけど。
 地球からの決別を起源に持つ火星ヴァースからの独立・決別を、本星は造反と見るのか「見放された」と見るのか。順当に行けば次期皇帝としてヴァースを率いるはずのアセイラム姫が、敢えて本星からの独立を宣言したのですから、「今の火星は老いて終われ」と言ったようなものと思えるので、ヴァースの人々は困惑するしかない気が。地球人であるスレインが関わっている点で反発・猜疑心を持つヴァースの人々も多そうな気もします。

 アセイラム姫の覚醒によるスレインやレムリナ姫への影響や、覚醒したアセイラム姫の心身の状態と合わせて、今後の何時かレムリナ姫の存在を公にするのか、今のままレムリナ姫がアセイラム姫の偽装を続けるのか、も気になります。

 韻子と伊奈帆の距離感は、姉と伊奈帆の距離感もあって、女性側の伊奈帆への心配りだったりするのかな、と思ったりしてますが、はたして(謎)。

 アセイラム姫が目覚めた後の状況を空想してて、アセイラム姫がレムリナ姫の外観に変身して伊奈帆に嫁げば、レムリナ姫が変身したアセイラム姫を娶るスレインと共闘できそうじゃないか、という無理筋を思い付きました(苦笑)。

 2015.02.22 

 第19話「楽園の瑕 ―Here to There―」(2015.02.22#19)

 スレインの意向を受けたアセイラム姫(レムリナ姫)は、地球にも知らせる形で独立を宣言し。
 マズゥールカ伯爵が自宅(揚陸城)に帰還し。
 アセイラム姫(真)が目覚め。
 各個撃破で勝ってきた伊奈帆/デューカリオン部隊の前に、協働する火星騎士たちが立ちふさがり。

 …アセイラム姫の心身の復旧が怪しい感じ、にも思えます。記憶障害が残ったりするのでしょうか。

 レムリナ姫の方は、ひたすらにスレインと共に生きる路線に入ってる様子で、スレインの対応如何では病んでしまいそうです。

 スレインは、目覚めたアセイラム姫を抱えながらも、それを公に出来ず・アセイラム姫が昔のような行動を望んでも叶えようも無く、現状のまま欲求も怒りも持ってるとは思えない覇道を進める、その先に何か光明が見えるとは思えません。

 協働する火星騎士たちとの戦闘は、伊奈帆にとって正念場になる、と思えます。

 マズゥールカ伯爵が、下手に動かずスレインに取り入って内情を探るだけの才覚を持っていれば良いのですが、不安です(苦笑)。

 (2015.02.23 追記)

 アセイラム姫の目覚めに、名を告げ続け涙し、出された手に縋り付くスレインを見る限り、彼の本分はアセイラム姫への臣従に尽きる様に思えます。
 それが、ザーツバルム伯爵の権力を得てヴァースの騎士として君臨することになり、レムリナ姫を上に戴いて臣従しようとしたところが、そのレムリナ姫に命を懸けて縋り付かれてしまった彼は、誰にも指示を仰ぐことが出来なくなり、流れのままに戦争を進めざるを得なくなっている、としか思えません。

 いっそアセイラム姫に現状を打ち明けて指示を仰ごうにも、まだ姫は本復ではなく、そもそも姫の本復を待つ時間も得ることが出来るか否か判りません。

 いみじくも伊奈帆がマズゥールカ伯爵に依頼した「スレインの本意(中長期的な目標)」が何なのか、スレインは今現在、それを持っているのかいないのか、せめてハークライトやレムリナ姫に未来図や本音を示すことができるのか否か、が彼の帰趨を左右しそうな気はします。

 ***

 スレインはアセイラム姫の目覚めを、積極的に否定することも肯定することも出来ず、漠然と「たぶん目覚めることはないのだろう」と思いながら日々を過ごしていたように思えます。
 アセイラム姫の言動・意志・目標をスレインは知っているはずなのに、いつか彼女が月のヴァース基地で目覚めた時に、すぐに彼女の意に沿うことが出来るだけの準備を、スレインがしていたとは思えません。ザーツバルム伯爵に仕えながら、伊奈帆のことを探りながら、戦いながら、ザーツバルム伯爵を殺しながら、ザーツバルム伯爵の権力を継ぎながら、レムリナ姫に縋られながら、「主の墓標を守る忠臣」を気取った感じで。
 「治療液」に浮かんだ状態で延々と保存する状況に、安定感を感じていたのではないでしょうか。
 あの状況が変わりうる可能性を夢想しながらも、「青い薔薇」に象徴されるように彼の意識は「回復の不可能性」を受け入れてしまっていたのではないでしょうか。

 アセイラム姫の目覚めに涙し喜びながらも、戦争を止めるそぶりも無く・それを押し進めるスレインは、自分が権力を維持し戦いに勝つことでアセイラム姫の生命を安全に維持できる、とか考えての事なのかな、とは思えますが、その先に来るのはアセイラム姫に拒絶される未来でしょうに、それも覚悟しているのでしょうか。

 (2015.02.25 追記)

 また無理筋な空想が襲来したので。

 レムリナ姫がアセイラム姫の目覚めを知り、それを隠していたスレインを銃で撃ち。
 その場に立ち会ったアセイラム姫は、後悔するレムリナ姫をスレインから託され、スレインに変身して火星と地球の和平を目指すことに。
 そして和平への道筋が見えた時、レムリナ姫はスレインを装いタルシスで叛乱を偽装し討たれる、とか。

 2015.03.01 

 第20話「名誉の対価 ―The Light of Day―」(2015.03.01#20)

 不可視の火星カタフラクトの増援に雷撃と分身(?)の火星カタフラクトが来て、デューカリオン部隊は窮地に。
 マグバレッジ艦長の判断でデューカリオンが戦場に強行着陸して、伊奈帆たち地球カタフラクト部隊を収容し脱出するものの、デューカリオンも損傷し。
 そして補修中のデューカリオン部隊には、再戦の指令が来て。
 一方、スレイン陣営では、マズゥールカ伯爵がアセイラム姫と謁見し、偽物であることを確信したのか、連絡艇の故障を装ってスレインの揚陸城へ入り、エデルリッゾに「スレインからアセイラム姫への贈り物」を渡し。それを目にしたアセイラム姫は、負傷する前の記憶を思い出し?
 レムリナ姫は月基地にアセイラム姫が不在であることを知り。

 …伊奈帆の義眼が苦痛を肉体に与えている感じでした。ちょっと不安です。

 不可視ロボへの対策は確定してる様子ですが、雷撃ロボには終始押されていて、分身(?)ロボは個々には火力で対応できるものの数と機動力で不利になりそうな感じで。
 地球軍上層部は物量で攻める考えみたいですが、マグバレッジ艦長たちが懸念するように苦戦必至な気がします。
 雷撃ロボ対策が勝利の鍵、でしょうか。
 スレイン側のゴタゴタが戦況に干渉してきたりはしない、とは思いますが、はたして(苦笑)。

 そのスレイン/レムリナ姫/アセイラム姫の修羅場の予感は、いったいどうなることか。
 まずはレムリナ姫の大暴れ(期待)にスレインやハークライトは対応できるのか否か。
 アセイラム姫の方も、現状確認・情報収集を、アセイラム姫がエデルリッゾからどれだけできるのでしょう。アセイラム姫が自分でネット検索とかしたりするのでしょうか。
 一気呵成にレムリナ姫がスレイン城に乗り込んで行ったり? 逆に、それで姉妹が協働し始めたら怖そうですが(笑)。

 ***

 前回の無理筋な空想の改訂を。

 レムリナ姫がスレイン城に乗り込んでアセイラム姫を撃ち。その前に割り込んだスレインが瀕死になり。
 瀕死のスレインを、自分が入っていた治療槽に、ハークライトに指示して入れさせたアセイラム姫は、スレインに変身し、月のヴァースの指揮を取り。
 地球で追い詰められていた伊奈帆に、ペンダントを持つ「スレイン」が「我が軍門に下れ」と呼び掛け、伊奈帆は応じ、マズゥールカ伯爵の下に付き。
 半年後。
 地球をヴァースが占領し、戦争が終結。

 2015.03.08 

 第21話「夢幻の彼方 ―The Fortune’s Fool―」(2015.03.08#21)

 3体で連携する火星カタフラクトに対して、地球軍は物量戦を挑み。
 合体していた電撃ロボと透明ロボを、透明ロボを損傷させて分離させ。そうして、電撃ロボに上空からワイヤーを繋いで「電位」を等価にして避雷して、銃撃で撃破。その後に透明ロボも集中攻撃で撃破。
 残った分身ロボは、「全てが本物」という観測結果で、伊奈帆は強引な全体管制を実行し、全ての分身ロボを同時に撃破することで、決着。
 一方、月のヴァース基地では、アセイラム姫とレムリナ姫が対面し。
 スレインの行動を糾弾するものの、実質的な指揮権が握られていて、二人の姫は軟禁状態に?
 そこに、火星からクルーテオ伯爵の息子(?)氏が到来し。

 …スレインの思惑は、地球世界を制圧して戦争状態の前提条件=対立する国を無くそう、というものと解釈できますが、現実世界では烏合のテロ集団が「事実上の戦争状態」を実現してるし、そもそも二人以上の人間の間で起こる様々な対立を上からの支配で無くせるのか、と考えると、あまりに理念に偏った幻想でしかない、と思えざるを得ず。もっとも、今回レムリナ姫に向かって自分で口にした方策を、どこまでスレイン自身が信奉しているのか、も疑わしい気もしますが。

 クルーテオ伯爵の息子(?)氏は、お気楽な感じでやって来てる感じもしますが、地球圏の状況把握はきちんとしているのでしょうか(苦笑)。来訪の目的も不明ですが。

 今回、多大な負荷を自分に課した伊奈帆は、体調が心配です。

 スレインに銃を向けて謀略の中止を命じるアセイラム姫、には違和感が。1期で、ライエを追ってきた火星カタフラクト・ニロケラスの前に「姫」として立った時と同様に、火星皇族の威を以て堂々と下命する、のが「姫」じゃないかなぁ、という気がして。

 2015.03.15 

 第22話「邂逅と訣別 ―Out of the Past―」(2015.03.15#22)

 クルーテオ伯爵の息子が月基地でスレインと会談し、まずは互いの状況確認と多少の腹の探り合い?
 デューカリオンは、本体と同じくらいの巨大な追加装備を身にまとい、宇宙へ。新しい(?)小惑星基地で、ヴァース月面基地進攻作戦の最終打ち合わせ。デューカリオンはヴァース月面基地の戦力を誘き出し引き付ける囮役、と。
 そして地球軍の目的・目標は、指導者・象徴であるアセイラム姫を倒すこと。月面基地進攻も見せ札で、非公開に潜入部隊を月面基地に突入させ、アセイラム姫の暗殺を目論んで。
 伊奈帆はマグバレッジ艦長に申し出て、韻子や姉の助力を得て、ひとりで月面基地に向かい。
 月面基地を脱出するために連絡艇に向かったアセイラム姫とレムリナ姫は、レムリナ姫が別れ。
 姫たちの危険にスレインが向かい、伊奈帆と遭遇し戦うも、痛み分け。
 アセイラム姫とエデルリッゾと伊奈帆が合流したものの、伊奈帆は左目の負荷に倒れ。ところが、左目が自律的に(?)稼動し、伊奈帆の意志をアセイラム姫に伝え。
 伊奈帆の用意した手段を実行しようと動くアセイラム姫に暗殺部隊の一人が追い付き、そこにクルーテオ伯爵の息子が姿を見せて、暗殺兵を倒し。

 …伊奈帆の左目の機能は、いったいどこまで盛られているのでしょう。R伊奈帆とでも呼びましょうか(苦笑)。脳の負荷が心配ですが、生体の制御まで可能だと、逆に安全な気もしてきますが、はたして。

 別れたレムリナ姫は、自暴自棄な行動をしそうで恐いです。

 アセイラム姫は、現状では地球に行っても、良くて監禁、悪くすれば断罪処刑、な未来しかなさそうで、どうなるのか不安です。クルーテオ伯爵の息子の去就如何でもあるでしょうし。

 2015.03.22 

 第23話「祈りの空 ―The Unvanquished―」(2015.03.22#23)

 クランカイン・クルーテオ伯爵に窮地を救われたアセイラム姫は、クランカインの船で月面基地を出て。
 伊奈帆も月面基地を出て韻子とともにデューカリオンへ帰投し。
 レムリナ姫は、スレインの下に戻り。
 両軍は仕切り直しに。
 地球軍は再度ヴァース月面基地攻略に出て。…伊奈帆も出撃し。
 スレインは月面基地の全戦力で迎え撃ち。
 アセイラム姫はマズゥールカ伯爵の揚陸城の設備を使い、火星の皇帝に接見するものの、皇帝の意識は現実から乖離し始めていて。
 両軍の戦いが始まり、スレインがヴァース軍に檄を飛ばし、地球に降下している軌道騎士たちに地上侵攻を命じている時、アセイラム姫が割り込み、クルーテオ伯爵との婚姻の宣言と、地球との和平の申し出をして。

 …エンディングが変わりました。

 アセイラム姫がクランカイン・クルーテオ伯爵を夫とすると宣言したことで、スレインは大義・名目・権力基盤を失いましたが、レムリナ姫は手元にあります。新たな宣言をしたアセイラム姫を「偽物」と断じて戦争継続を呼びかけるとか、するのでしょうか…エデルリッゾの言葉を信じる限り、アセイラム姫の意向をスレインは尊重するはず、ですが。

 指導者の迷走(としか見えない状況)に、騎士たちは何を思い、どう動くのでしょう。

 デューカリオン/伊奈帆は、マズゥールカ伯爵/アセイラム姫/クルーテオ伯爵の揚陸城に寄って協力、とかするのでしょうか(願望)。

 この物語の終わり方は、はたしてどうなるのでしょう。
 スレインとレムリナ姫は生き残るのか。生きるとして、どこでどのように生きてゆくのか。
 アセイラム姫は生き残るのか。生きるとして、火星に戻るのか。
 伊奈帆は生き残るのか。アセイラム姫と共に生きる道を選んだりするのか。

 2015.03.29 

 第24話「いつか見た流星 ―Inherit the Stars―」(2015.03.29#24)

 アセイラム・ヴァース・アリューシアの即位宣言に、月面基地を統括するスレイン・ザーツバルム・トロイヤード伯爵は麾下に降伏を指示し、自身は月面基地を自爆させます。
 しかし、副官ハークライト、バルークルス伯爵、ステイギス隊は、レムリナ姫の護衛を離れ、地球軍との戦闘を再開します。
 そして、界塚伊奈帆/スレイプニールの接近を知ったスレインは、タルシスで出撃し、二人は最後の戦いをして地球に落着します。
 その後。
 アセイラム女王は地球との友好を進め、火星はアルドノアを人類社会に供給する役割を得、新たなアルドノアを地球で起動するのでした。

 …スレインは収監。公的には死亡扱い。
 地球に降下した軌道騎士の一部は占拠を続けている、と語られているのは不穏な気が。
 レムリナ姫の行方は明示されず。…地球で、耶賀頼医師の治療を受けてる「誰か」が、実は?
 伊奈帆は姉と共に軍人を続け。学友たちは、男子一人を除いて退官し?

 アルドノアという超技術(?)の謎は、謎のまま。

 誰か・何かに象徴される「敵」を倒して大団円、ではない、清濁併せ呑む、な感じの終幕だったと思えます。

 スーパー系はリアル系よりも使い処・使い勝手が難しい、という話だったかもです(笑)。

 ハークライトの自暴自棄というか造反というか、な行動は、無用な犠牲を出しただけに思えて、残念な感じです。

 たとえば、伊奈帆とスレインは再開発される月面基地で転移ゲート技術の再開発に携わる、的な発展への予兆も見たかったかも、と思えたり。

 2クール目の物語は、実は水槽に眠る姫様が、アルドノアを通して見た可能性世界の夢のひとつ…だったりしたら哀しいですね(苦笑)。

 (2015.03.31 追記)

 終盤に来てのクランカイン・クルーテオの登場について。
 いよいよレイレガリア皇帝の体調が思わしくなく、火星の家臣団・官僚たちが、彼らなりに火星世界の安定的な存続を企図して、アセイラム姫の「救出」の報を契機に、自分たちの代表・全権特使としてクランカインを送り込んだ可能性、を思い付いて。
 レイレガリア皇帝の後継者はアセイラム姫しか存在せず。皇位の継承に不備や齟齬があっては、地球との戦争の継続どころか、火星の存続自体を左右する重大事ということで、クランカインの権限と責任は大きいものが与えられて・負っていたのではないか、と。
 そういう裏事情を、クランカインがアセイラム姫に話したか否かは判りませんが、打ち明けていたのなら、レイレガリア皇帝の様子を見たアセイラム姫の判断に影響を与えたかも、と思え。そして、アセイラム姫の判断にクランカインが従った理由にも、火星世界の安定的な存続が第一、という目的に沿っていたから、という政治的・実利的な判断があったのではないか、と思ったりも。