アニメーション・鋼の錬金術師  [上]に戻る

アニメーション・鋼の錬金術師 劇場版  ☆ この感想文は完全ネタバレです。ネタバレ不可な方は見ないでください。 ☆

監督:水島精二、原作:荒川弘『鋼の錬金術師』毎日放送・アニプレックス・ボンズ
  鑑賞:2003/10/04〜2004/10/02(全51話)
2003.10 26(第4話)
_____11 08(第6話)/ 15(第7話)/ 22(第8話)
_____12 06(第10話)/ 07/ 13(第11話)/ 20(第12話)/ 21/ 27(第13話)
2004.01 10(第14話)/ 17(第15話)/ 18/ 24(第16話)/ 31(第17話)
_____02 07(第18話)/ 14(第19話)/ 21(第20話)/ 28(第21話)
_____03 06(第22話)/ 07/ 13(第23話)/ 20(第24話)/ 27(第25話)
_____04 03(第26話)/ 05/ 10(第27話)/ 17(第28話)/ 24(第29話)
_____05 01(第30話)/ 08(第31話)/ 15(第32話)/ 29(第33話)
_____06 05(第34話)/ 06/ 12(第35話)/ 19(第36話)/ 26(第37話)
_____07 03(第38話)/ 10(第39話)/ 17(第40話)/ 24(第41話,第42話)/ 31(第43話)
_____08 07(第44話)/ 21(第45話)/ 28(第46話)
_____09 04(第47話)/ 11(第48話)/ 18(第49話)/ 25(第50話)
_____10 02(第51話)
 2003.10.26 
 第4話「愛の錬金」
 脚本:井上敏樹。
 ! あぁ、だからか…と思考停止してしまうのは簡単ですけど〜(苦笑)。
 「年老いて変貌した彼女」は、話を無駄に混乱・崩壊させる「だけ」の存在でしかなかった、と思います。「恋人の死に精神のバランスを崩していた男の凶行」で必要十分だったろうに、と。あと、その男が装備していた[錬金術を発動させる(?)腕輪]は、この作品世界の設定を壊しかねないアイテムであり、これもまた登場させる意味が不明/危険なものだったと思えます。
 意味不明なのは、男装の少女が男装だった/最後に普通の女の子な格好になる、その「違い」があることへの理由付けも、ですか。

 2003.11.08 
 第6話「国家錬金術師資格試験」…私は、去年の2月にコミックスの第一巻に手を出した口です(第一巻の刊行は2002年1月、くらい?)。
 コミックス版(原作)では、主人公たちは国家錬金術師となった後でタッカーとニーナの親子に出会います。つまり、アニメ版よりも人生経験を積んだ頃のエピソードであり、また、アニメ版ほどには深い(長い)交流ではなかった訳で。
 次回予告で暗示された[事件]の原作版を知っている者としては、それ故に、今回の話は余計に哀しく痛々しいものに感じてしまいました。
 それと。エドワード・エルリックの「両手を打ち合わせて錬成」という動作は、今回のエピソードでは「危機的状況で半ば無意識に行った」動作として描かれていましたが、私としては、もっと自覚的/自発的/意識的なもの…エドは明確な必要性/理論/確信を持って手を打ち合わせている…として描いて欲しかったです。
 錬成陣を描いている余裕はない・思わず手を打ち合わせようとして天啓のように「両腕の作る輪」と「錬成陣」がオーバーラップ・「そうか!」・錬金術の発動、とか。

 2003.11.15 
 第7話「合成獣が哭く夜」…タッカーの内心=本心は、果たして口にした言葉通りのものだったのでしょうか。好奇心と探究心と狂気と…それ以外にはなかったのでしょうか。なぜならニーナは、父親の影に怯えるような様子はなく、凶行が行われるまで二人は[幸せな父と娘]にしか見えなかったので。
 それとも、タッカーは元々(少年の頃から、とか)その内面に狂気を抱いていて、ただ「それ」が今回ようやく表出しただけ、だったのでしょうか。
 傷の男(スカー)…おもわず「まさとぉ〜」と言ってしまいますた。

 2003.11.22 
 第8話「賢者の石」…タッカーは密かに銃殺。キメラを殺したスカーは静かに徘徊するだけ。今回の、アニメ・オリジナルの《バリー・ザ・チョッパー》事件は、主人公エドに[自分の大きさ]を突き付け、エドは[国家の狗/鋼の錬金術師]としてスタートラインに立つ。
 原作のエピソードを換骨奪胎して、アニメでは12歳のエドの成長を描いてゆく、のでしょうか。それは「良し」なのですが、「成長途上のエド」との対比な感じと言うか、アルが「主人公の助力者」の役割に徹し過ぎな印象で、もっとアルもやんちゃであって欲しいなぁ、と思ったりする私です。
 あと、ちょっと強引(唐突/理由薄弱)な登場をしたウィンリィは、次回以降レギュラー化するのでしょうか?(オープニングにも出てますし)

 2003.12.06 
 第10話「怪盗サイレーン」…前回の第9話「軍の狗<いぬ>の銀時計」の方が、自分としては許せなかったり。
 原作には存在しない女性錬金術師を、結構重要そうな立場で出しながら、その付加された意味が「主人公とクライマックスで錬金術バトルを行わせるためだけ」にしか見えなかった、という点で私の中では「不許可」だと思えたのでした。
 今回の話は、最初から最後まで『鋼〜』である意味・必然性が全く見出せない、他の話とも結びつかない、いったい何のために『鋼〜』の話として作ったのか、というレベルで疑問を抱いてしまうものではありましたが。却って、ここまで徹底的に「見捨て(スルー)可」なものだと[憤りスイッチ]が入らない、感じで。

 2003.12.07 
 (承前)(;´Д`)
 そだ、ウィンリィが第8話から第9話冒頭までで消えたのが「強引すぎるキャラ紹介」編デスかぁ、で萎え、だったことも言わないと。
 …何かのサシガネでアニメ版は基本レベルで軌道変更、とかいうオチぢゃないことを祈るますデス。

 2003.12.13 
 第11話「砂礫の大地・前編」…「賢者の石」について、原作コミックから私が感じている印象に較べると、アニメ版での扱いは、少々人口に膾炙し過ぎ/知られ過ぎ、な気がします。
 あと、エド&アルのエルリック兄弟の知名度があり過ぎな感じも。マスコミ的な人物/組織が一切出てきていない(この物語世界には、いない/無い?)ので、情報伝達の偏り/精度が、却って気になります。
 展開については、次回・後編を見ないと何も言えない感じで(^^;。ただ、街の人たちの豹変具合が、ちょっと疑問符。街の人たちとニセモノとの関係が示されないままなので、有名な国家錬金術師の名前を騙った(と思い込んだ)とはいえ、少女を助けた者を叩き出す展開に、唐突さと違和感を覚えました。

 2003.12.20 
 第12話「砂礫の大地・後編」…内容が、淡々というかひねりが足りないというか中途半端と言うか。
 今回の話は『この物語世界には「賢者の石」に似た(近い)効能を持った「赤い水」というものがある』という「だけ」の話にしか、私には見えませんでした。
 思わせぶりに姿を見せたラスト様(^^;)も、クライマックスの騒動を仕掛けた張本人だろうとは思いますが、それを暗示する独白を最後に、後半では登場せず(哀)。
 ゲスト・キャラの兄弟の、兄の改心/回心も唐突な感じが否めません。
 今回、いちばん気になった点は…
「赤い水や賢者の石なんかに頼ってちゃ、幸せなんか手に入らないんだ」
…というエドワード・エルリックの台詞です。自らも賢者の石を追い求める者が、こうも断定的に口にできる台詞でしょうか。せめて「…な〜んて、俺が言っても説得力ないか」とか、フォローの台詞か何かが欲しかったです。

 2003.12.21 
 第12話「砂礫の大地・後編」…追記。
 今回の話は、小説版のアニメ化、だったんですね。
 「赤い水」の「恐ろしさ/危険さ」の表われとして、「赤い水」が人体に有害である描写が幾つもあったりしてました。ところが、今回の悪役や偽エルリック兄弟たちは、口元を覆うマスクだけで、ほぼ完璧に「赤い水」の害から自分の体を守っている様にしか見えませんでした。
 例えて言えば、公害をまき散らし環境汚染して周辺住民を害している工場の従業員が、特別な防護手段もなしに/簡便・一時的な防護手段だけで、健康を維持している感じ、でしょうか。
 「赤い水」が劇物であるというなら、呼吸器のみを覆うマスクだけでなく、それこそ錬金術的な特別処置で定期的に全身を浄化して「赤い水」の悪影響を体から拭い去っている、みたいな描写が欲しかった、と思えます。
 また、「赤い水の結晶」の、確実かつ速やかな生成に[妊娠した女性/胎児]を使う手法を、悪役が口にしていました。偽エルリック兄の「隠された右目」は「赤い水」の悪影響で結晶化していた、みたいな描写があったりして、と期待(爆)してたのですが。
 クライマックスの「赤い水」の氾濫への対処として、偽エルリック兄弟による、樹木を使った急速な無害化が大規模に行われました。あの兄弟が植物を対象とした錬成に長けている描写は一応はありましたが、できれば樹木が「赤い水」の無害化/無効化に有効である描写も欲しかったです。そして、大規模な錬成には偽兄弟では力不足で、本物のエルリック兄弟の力が必要だ、という「友情の協力プレイ」(笑)があったらアニメ的にバッチリ(^^;だったのでは、とかとか。

 2003.12.27 
 第13話「焔 vs 鋼」…放送開始時間が15分前倒しされることを忘れていて、冒頭の10分近くを見逃しました(悔)。
 今回は、原作コミック3巻の外伝がメインのネタで、傷の男(スカー)による国家錬金術師連続暗殺事件の前フリでしたが…え〜と、どうにも時間設定が原作と違う上に放送内容でも前後/右往左往している感じがしてまする。
 時制の混乱はまあ置くとして。
 今回のマスタング大佐ですが、一瞬の回想で心を乱して、というくだりは、ちょっと甘過ぎる性格設定ではないかな、と思いました。痛みを心に秘めていても、それが行動に支障をきたすような精神的な弱さ/甘さを持っている人ではないのではないか/そういう人として描いて欲しいのですが、と。

 2004.01.10 
 第14話「破壊の右手」…ロゼが住む町の騒乱と軍隊の介入(?)。その様子を見下ろす、ラスト様ご一行。
 軍で賢者の石を研究していたが脱走したドクターマルコーを捜し当てるエルリック兄弟。そこに[鉄血]グラン准将が表われ、マルコーを車で連行。ところが、その車の前に傷の男(スカー)が立ちふさがり、迎え撃とうとした准将を[破壊]する。
 「砂礫の大地」で語られた[かつて幼児を助けた医師がいた]という話の医師がマルコー? だとしたら、ちょっと迂遠な(と言うか無理矢理っぽい)伏線に過ぎて効果は微妙、な気が…マルコーの[善性]の補強?
 マルコーと対話していたエドワード・エルリックが突然立ち上がり、壁を探って穴をあけ、賢者の石(類似品)を見つけ出したのは、ちょっと強引すぎると思いました…その後の展開を時間内に収めるための[端折り]だと思えますが、壁を壊したりする役割はグラン准将に振っても良かったのでは、と感じてます。
 [軍/国家の暴力]と言ったリアル過ぎるものから[暗躍する者たち]や[人体錬成の禁忌]と言ったファンタジーまで、恐ろしく欲張った内容ですが、リアル側の話題をどう持って行くのか、が気になります…ファンタジー側の話題は、傍目八目でお気楽に見ることができるのですが。
 そだ、新EDでは[融ける雪、積もる雪]が良いです << 第一印象。

 2004.01.17 
 第15話「イシュヴァール虐殺」…冒頭のアームストロング大盛りとか「無能」とかのエンターテインな要素が、今回の内容の重さに負けて、ギャグが浮いてしまった印象です。
 ウィンリィの両親とロイ・マスタングたちとのイシュヴァールでの因縁は、過剰な設定のように思います。と言うか、そんな重すぎる過去を持ち、イシュヴァールでの自らの所業に傷ついているように思われる、アニメ版のロイ・マスタングが、第3話でロックベル家の前に(特に内心の葛藤を抑えているような描写も無く)姿を現したことは、こうなると不可解/不自然に思えるのですが…私が覚えていないだけで、第3話で心苦しさを覚えているような描写がありましたっけ?
 大総統秘書官…「兄さん、いま母さんの声がした・・・」声優が、同じ人。キャラクター・デザインも、そう言われて見れば? …なんともエゲツナイ伏線(未登場のエド&アルの父親絡みの、とか)がありそうな演出なんですが…そんな設定はマジで勘弁願いたいのですが。私は、あの大総統秘書官さん、もしかしてラスト様の変装(変身)だったり、とか期待してたのですが、さて。

 ***

 国家資格を持つ者の三大制限…「人を作るべからず」「金(きん)を作るべからず」「軍に忠誠を誓うべし」(原作コミック版・第6巻P138)。
 機械鎧が発達していること、エドが機械鎧を装着し続けていること、等から、部分的な人体錬成も不可能に近いことが判ります。
 ですが、合成獣の研究や錬成には、たとえ素材に人間を使っていても、人体錬成のような危険性や問題はないようです。
 つまり、この物語世界では、錬成の目的/結果に人間(人体)を置く錬成にのみ、世界律レベルでの規制がある、ように思われます。

 人間が特別、という設定は、私は好きではありません。できれば、この非常に恣意的な禁忌の理由を、物語の中で明かして欲しいのですが。

 ただ単に、この物語世界には、そのような「神さま」がいる、のでしょうか。
 エドは、真理を携えた[世界]と対面していますが、あれが、この物語世界の神さまの一つの相、なのでしょうか。

 「錬金術とは物質の内に存在する法則と流れを知り分解し再構築すること」(原作コミック版・第2巻P75)。
 この物語世界の錬金術師は、錬成陣を描いて錬成を行います。その錬成陣の構成と駆動(?)には特定の才能が必要で、だから、錬金術師になれない人がいて、錬金術師にもピンからキリまでいる、ように思えます。
 アルは、鎧に魂だけを定着されている状態ですが、錬金術を使うことができます。
 普通の人は、たとえ錬成陣があっても錬金術を使えないのでしょうか。多少なりとも才能を持った者だけが錬金術を駆使していて、符術的な描写が一切ないので、そんな気がしています。

 ***

 2004.01.18 
 (承前)
 第15話の最後の場面の、ぼろぼろのアルの「腕が折れちゃったじゃないかバカタレ」の声としぐさが、相応の少年っぽくて哀しくも微笑ましかったです。

 ***

 上で…
>> つまり、この物語世界では、錬成の目的/結果に人間(人体)を置く錬成にのみ、世界律レベルでの規制がある、ように思われます。
 …と書いたのですが、今回マルコーは、賢者の石(似非物)を使ってとはいえ、特に何の不具合・反動も無く人体錬成=治療(修復?)を行ってました。あの行為は、錬成陣を描かなかったし、人体錬成でも錬金術でもなかったのでしょうか。
 賢者の石や、それに近しい効能を持つものには、世界律の禁忌を完全に回避/抑制する効果がある、という設定、としか思えません…そもそも、ロゼが住む町を支配していた司教も、等価交換の原則を無視した錬成を行っていましたし。ちょっと万能に過ぎて、それにしては物語の中での扱いが安易なのが疑問です。

 ***

 あの賢者の石(似非物)は、原作コミック版と同様の[原料]を使って作られるもの、なのでしょうか。そうであれば、マルコーには賢者の石(似非物)を使うことや所有していること自体に罪悪感を持っている演出が欲しかったです。

 2004.01.24 
 第16話「失われたもの」…アームストロング少佐の「おとな」っぷりは、まぁそこそこ。ギャグの不徹底/不完全燃焼が、前回といい今回といい、ちょっと残念。中途半端なギャグは、やらない方がマシだと私は思います。
 展開としては中継ぎというか、進展は何もなし(苦笑)。と言うか、今回のみのゲストとしか思えない、アニメ・オリジナルの兄妹キャラですが、もうちょっと何か「主人公たちと出会ったこと」に意味を持たせても(兄妹キャラが得るものがあっても)良かったように思うのですが。少なくとも、あのままなら兄キャラは近い将来命が危険になる可能性大、みたいな。
 スカーの情報収集は、偶然というか運というか、見当違いの情報でなかったのが奇跡というか。列車の行く先を調べれば、今回入手した情報に不安を覚えそうな気もするのですが…。
 ラスト様の情報収集は…不幸なメイドさん、萌え(違爆)。

 2004.01.31 
 第17話「家族の待つ家」…ウィンリィの作画枚数とか異常、みたいな(笑)。アームストロング少佐の演出も〜(^-^;)。
 アルの「不安」の萌芽は、もっと進展するのかと思いましたが、次回以降への伏線、なんでしょうね。あんまり重くして欲しくないんですけど…。
 エドの神経接続…原作コミック版よりも「辛さ」を増した感じなのは、どんな意図なんでしょう。

 2004.02.07 
 第18話「マルコー・ノート」…も〜今回は個人的に「本の虫」シェスカさんイチオシ(笑)。あの自宅の様子なんて、量的には負けますが、私の部屋も似たようなモノですので(核爆)。
 あの記憶力は、とてもとても羨ましいです。一字一句間違えずに書き出すことができる、と言うことは、脳内でいつでも再読できると言うことで。あ〜、なんとステキな能力でしょ〜。まぁ、その記憶力と引き換えに(?)、社会生活には不具合が生じている様ですが。
 できればシェスカさんにおかれましては、あまり目立たずに…ラスト様に知られたりしないで…普通の生活を送ってほしいです。

 そのラスト様&グラトニー。
 スカーに[ホムンクルス]と言われて肯定してましたが、マジにホムンクルスだとすると、その素材って「お父様」のナニだtうわなにをするやめr。

 で、スカー。
 ラスト様の外観が兄の恋人(?)に似ていてびっくり? って、見ている方もびっくりと言うか、マスタング大佐たちとウィンリィの両親との因縁に続く、アニメ版オリジナルな因縁、なのでしょうか。あんまり、そういう構図は好きじゃないので、ちょっと…。

 今回、眼鏡っ娘シェスカさんを見ていて改めて思ったことが。視力の矯正技術が眼鏡しかない、という事からも、人体錬成に連なる技術や知識は、その存在自体が一般には流布していないみたい、と言うことでした。
 あと、エルリック兄弟の護衛役のマリア・ロス少尉とデニー・ブロッシュ軍曹ですが、二人の役割分担のコントラストに苦笑してしまいました。

 ところで[A−08ボルト]のネタ振りがないですが…まさか、あのエピソードなし?

 2004.02.14 
 第19話「真実の奥の奥」…[A−08ボルト]が、あれでは「虫の知らせ」です(苦笑)。

 シェスカさん、ヒューズ中佐に、文字通り馬車馬の様に働かされてます。鬼です、ヒューズ中佐。
 でもヒューズ中佐の「ご褒美」は間違ってると思います(てゆーか、アレが「ご褒美」になるのはヒューズ中佐だけでしょー)。
 本とか本とか本とか(^_^;)で良いんです、多分…稀覯本、新刊、あるいは蔵書目録。シェスカさんが「読みたい」と思うものや、読みたい本を探せるもの、とかで。本読み(活字中毒)とは、そんなものだと思いますです、よ(自らを翻って思ふ ^^;)。

 ロス少尉の鼓舞・激励に気を取り直すエドですが、直前にアルに当たり散らしてしまうほど気持ちが荒れていたにしては、立ち直りが早いような。アル(身内)ではない誰か(第三者)に励まされたから、なのでしょうか?

 スカー…右手がヘン、と言うか便利過ぎと言うか。スカーの自意識とは別の「何か」が宿っていて、[賢者の石]に関わる事物には自動的に反応している、みたいな? 今回の反応は、あの書類の言霊でも感知したのでしょうか(笑)…「何か」は、スカーの見聞きした事物を無意識下で常に解析していて、視界に入っていた文章の内容が引っ掛かって起動した、とか?

 2004.02.21 
 第20話「守護者の魂」…ほぼ全編が対戦格闘。やはり唯一生身のエドが一番不利ですね。
 戦いの中で、エドは自分の生きる目的を再確認しましたが、アルはバリー・ザ・チョッパーに[今の自分]への疑念を植えつけられてしまいました。あのクラシックな感じの歌付きBGMはオリジナル?
 ロス少尉ほか一名(^-^;)、アームストロング少佐、スカー、等々は顔つなぎ程度で。次回は全員が[第五研究所(元)]に集合、でしょうか。
 ちょっと展開が間延びした印象があって不満が残りました。せめて、バリーが自分について持っている「答え」は、今回の中で語らせて欲しかったです。

 「アルは人間だ」…アルの[身体]の修理の度に、人体錬成の禁忌が発動しない…施術者に対価を求めて来ない…ことを、エドは密かに痛ましく思うのでしょうか。
 今回の、エドの独白シーンを思い返していて、こんなことを考えてしまいました。

 2004.02.28 
 第21話「紅い輝き」
 バリーの「答え」で幕が開いた今回は、驚天動地のアニメ版オリジナルな展開でした。

 スカーの右腕の[錬成陣]に、右腕を砕かれたバリーは叫び声を上げます。そして、状況を不利と見たのか、バリーは壁面に隠蔽されていた研究所の部分的自壊用スイッチ(単なる罠の一つ?)を入れて隙を作り、アルとスカーを誘うかのように建物の中に消えました。残された二人も、バリーの後を追うことに。

 ここで、スカーの過去が少しだけ明かされます。
 スカーの兄は、イシュヴァールでは激しく忌避されていた錬金術を使って[何か]…多分、あの女性?…を復活させようとしましたが果たせず、何年か後、イシュヴァール虐殺の混乱の中、崩壊した都市へと消えて行きました。全身に幾何学的な文様を纏い、絶望の表情を浮かべて涙を流しながら、謎めいた言葉をスカーに残して。
 このときスカーは右肩を負傷しましたが、この後、あの右腕を得る[何事か]があった、ということでしょうか。

 バリーが起こした爆発は、研究所の地下(?)の封印部屋の結界を壊し、そこに戒められていた一人の男(?)を解放してしまいます。
「130年、てとこか」と独白する男は、地下牢の錠を次々と開き、その中の者たちを[外]へと誘います。

 バリーが起こした爆発でグリードが解放されたことは、ラスト様の対応を見ると偶然と言うか不測の事態っぽい様に思えるのですが、はたして。
 ところで、そのグリードの第一声、最初は「130円」に聞こえて、はぁ? でした(苦笑)。

 一方、スライサー兄弟に辛勝したエドでしたが、自己の消滅を求める兄弟に対して、自分が何もできないことに打ちのめされます。

 研究室の通路を進んでいたスカーとアルの前にラスト様とグラトニーが立ちふさがり、戦いが始まります。

 そしてエドの前には、軍に処刑されたはずのタッカーが、キメラ化した異形の姿で現われます。
 タッカーは、ニーナ(に似せたキメラ?)の[錬成]を続けていたが失敗続きで、自身の異形も失敗のひとつだ、と語りました。が、あと一歩でニーナの錬成が成功すると嘯きながら、重い作りの扉を開きます。
 扉の奥には、大量の[未完成の賢者の石]と、スカーの右腕の幾何学模様にも似た異様な…今まで描かれてきたものとは異質な感じの…錬成陣がありました。

 この[未完成品]を精製すれば[賢者の石]が得られる…並の錬金術師には不可能だが。

 そう囁くように語るタッカーに、エドは応えます。
「俺は…俺は、並の錬金術師じゃないぜ」
 そのエドの言葉に、タッカーの表情が動きました…密やかな、笑いの形に。

 未完成の賢者の石…[紅い水]の水脈(鉱脈?)は首都にもあった、ということでしょうか。それとも、それは[この世界]に人知れず遍く存在しているもの、なのでしょうか。あるいは、あれは第五研究所(元)で行われていた研究の[成果]だったりするのでしょうか、死刑囚たちを使った。

 次回は、大総統自らが、ロイ・マスタング大佐以下を率いて出陣です?
 エドとアルの師匠は、もしかすると出ない??

 2004.03.06 
 第22話「造られた人間」
「最近、出番が無いような気が」
 や、毎回オープニングで出場ってるし(笑…ぴよぴよパジャマ〜)。
 大総統は、どんな情報網を持っているのでしょうね。あまりにもタイミング良い登場と状況把握の的確さは、怪しさバリバリなんですけど〜。
 前回[大総統自らが、ロイ・マスタング大佐以下を率いて出陣]と書きましたが、ヒューズ中佐、アームストロング少佐、ロス少尉ほか一名、等を率いて、でした(苦笑)。

 ラスト様曰く
「私たちは人間になりたい…それだけよ」
 グリードの思惑は別で、だから封印されて(して)いた?
「あそこ嫌い」と言う意味は、グラトニーも封印されていたことがあったり?
「あいつの血を受けたお前だけは」って、エルリック兄弟の父親と何かある?
 エンヴィが言っていた「あの人」って?

 …根拠は意外性だけ(苦笑)ですが、大総統の眼帯の下には[紅い石]か[ウロボロス印]が、みたいな気もひしひしと。
 秘書の女性はラスト様たちに
「おつかれさま」
とか言っちゃうし。

「誰にも造られたりしちゃいない。俺たちは、生まれたんだ」
 生成装置か何かに材料だけが蓄えられていて、事故か何かで[主]不在で生まれてしまった、とか?(ベム、ベラ、ベロ ^^?) それとも、創造主ではない/肝心な事を何も知らない[誰か]…例えば大総統とか…の手で強引に、あるいは偶然に、創造された?

「私たちは人間になりたい…それだけよ」
 では、その先は?
 人間になって、どうするのか。何を望んで人間になりたいのか。その時に、改めて考える? 今はただ、人間になりたいだけ?
 人は生きて、老いて、あるいは病んで、死んでゆくもの。不老不死すら疑われる者たちの望みとしては、[賢者の石]が欲しいための全くの嘘/方便、だけとも思えないにしても、今現在の自分たちの[力]を捨てたとしても、そのままの自分たちを残して人になりたいと言うのは、虫の良い話でしかない、と。
 今の自分たちは、一大犯罪者であり、人になったからといって、その罪が一掃される訳はない、と思うので。
 記憶も意志も欲望も、全て無くして生まれ変わる、とかなら、ですが…そこまでの覚悟で望んでいたり?

 混戦の末に、決着が付くとも思えた展開は、とりあえず[痛み分け]で仕切り直し、でしょうか。

 ラスト様たちは悠々と立ち去り。
 タッカーは偽ニーナと共に消え。
 グリードは、手下たちを簡単にお披露目して以下次回(?)
 スカーは?
 ついでに(笑)バリーは?
 そして。
 エドとアルの傷は深く。

「完璧な[石]にしてあげるほうが、よほど意味がある」
「このままでは、彼らの命には何の意味もない」
 それは生きている他者の意志であり、死んだ本人たちには、それこそ何の意味もないこと、では?

 2004.03.07 
 (承前)

 美味しい役を得たロス少尉ですが、これがもうちょっと身長年齢が近ければ、ですが、現状だとロス少尉にとってエドは「危なっかしくて放っておけない[弟]」なんでしょうね。
 そしてそれはウィンリィにも言えたり?

 考えるだに恐ろしいのですが、どうかアルが[敵]になったりしませんように。

 2004.03.13 
 第23話「鋼のこころ」
 ロス少尉のビンタ…・・・大人として少年たちを叱る、のであれば、アルも直接叱りつけて欲しかったです、と。ロス少尉たちの出番が、今回はあれだけだったので、余計に。
 ウィンリィの到着と前後してロス少尉たちの姿が見えなくなったのは…ヒューズ中佐の配慮/差配/差し金?
 護衛を付けた理由はスカーの脅威で、それはまだ続いている、と言うか脅威の度合いが低くなった、的な判断をする根拠はない様に思えるので、護衛を外す理由が思い付かないのですけど。

 そのヒューズ中佐ですが…マジっぽくなって、あぁもう。
「おめでとう、おめでとう、おめでとう」
 不意討ちで、じ〜んと来ました(苦笑)。
「姉ちゃんが、そんな顔してちゃ、弟たちが甘えられないだろ」
 このウィンリィへの励ましの言葉は、ロス少尉に言わせて欲しかった、かも。

 シェスカさん…文書復元は無限地獄だわ「本のムシのお姉ちゃん」だわで、変わりないようでなによりです(苦笑)。

 アルの中に生まれていた懐疑と虚無感は、エドとウィンリィの知るところとなって。
 どうなるのか、刮目して待ちます。

 錬金術が魔法的な実効を伴って実在する世界で、キメラやホムンクルスの創造が可能で、万能の[賢者の石]の精製まで行えて。
 肉体と精神と魂と。
 エドだけではなくアルも、それらの[なんたるか]について、より[真理]に近い理解を得ているのではないか、実践はできなくとも理論として、肉体/精神/魂への深い洞察は持っているのではないか、自分が紛い物か否かを自力で探る算段が付くのではないか、とも思ったり。

 あるいは。
 理屈は判っているけれども。魂の定着と記憶の付与とは、重力と加速度の等価原理みたいに、どちらがどちらとも結果の観測からは区別できない、と?

 ところで。
 アルってば病院の屋上から飛び下りて、そのまま走って行きましたが・・・外壁に制動を掛けた跡(手形とか足形とか ^^;)が付いてたり?

 そして。
 ウィンリィ到着時、駅の人込みの中に…師匠夫妻!?

 2004.03.20 
 第24話「思い出の定着」
 え〜、バリーこれで退場?

 大総統秘書官さん、人間じゃない〜…って、今回の[作戦]は、スカーを燻り出すため? なぜ秘書官が傭兵を動かすような真似を? 軍を正式に動かす方が、そんな不正規活動よりも何倍も容易で確実だと思えるのですが。

 「作戦」が行われた時期や経過時間が、第五研究所事件のそれと整合しない気が。
 セントラルの下水(?)にあったイシュヴァール人の避難所は、規模や状態からして今回の襲撃以前から在った、ように思えますが、地上に難民キャンプがある状況とは矛盾するような。
「こんなこともあろうかと」
と言う老人の知恵? それなら、長老(?)氏の声は青野武さんか八奈見乗児さんに〜(笑)。

 視力に障害がある母親…一緒に暮らしているのなら、子供は気付くと思います(エド&アル兄弟の母親が病気を隠していた場合と違って)。
 あと、母親が子供を呼ぶ声は、兵士たちの動きや声や戦闘の騒音なりで、子供たちには聞こえなかった、くらいの演出が欲しかったです。

 最後の別れのシーンで、なぜスカーはエドを殺そうとしなかったのでしょう? そうしない理由は無い、かと。
 と言うか、そこで和んだらスカーじゃない、と言いたいのですが。

 そして。
 アルの、自分という存在への疑念と虚無感は、いったいどこへ行ったんでしょう。
 エドの煩悶の理由を知って、兄が弟に寄せる情を感じて、気持ちの上で「自分はエドの弟だ」と胸落ちしたので一時棚上げ? …的な解釈は出ますが。

 そんなのは肩すかしです、竜頭蛇尾です、羊頭狗肉です。

 今回は…
 スカーは、うやむやのうちに、セントラルから去りました。
 エドとアルは、うやむやのうちに、仲直りしました。
…と言う、なんともうやむやな話でした、としか。
 不満。

 2004.03.27 
 第25話「別れの儀式」
 とうとう、ヒューズ中佐は准将に特進してしまいました。
 まさか今回で、とは全く思っていなかったので、不意討ちを食らって、もう大泣(苦笑)。

 それにしても三人掛かりとは念の入ったことです。実は総力態勢で、もしかしてグラトニーも、どこかにいたのでしょうか。
 ドクター・マルコーは、原作コミック版では存命ですが、これは…。シェスカさんは無事(^^;首になり、これでお役御免でしょうか。

 ジュリエット・ダグラス。現大総統秘書官。
 かつて、同名の軍人がイシュヴァール人の子供を射殺し、それが原因となって内乱が勃発。
 そして今回、その正体が明かされ。

 アニメ版の大総統は、こうなると限りなく「最後の一人」っぽい感じがひしひしと。 いっそ、あの外見は傀儡で、眼帯の奥のアレが本体(中の人)で、とか(笑)。
 そんなのは、ちょっと直球に過ぎて棒球になる恐れがあるように思えてなりません。何か、ひとひねりふたひねりが、あって欲しいです(原作コミック版では、グリードとの面識が皆無っぽい等、少なくとも直接的な「仲間」ではない感じですし)。

 ロイ・マスタング大佐の上昇志向の原動力が明かされました。う〜ん、却って凡庸な…と言うか、エドワード&アルフォンス・エルリック兄弟の物語のための助演者になってしまう気がしてたりします。

 アニメ版では、エド&アルを除けば、主要な登場人物の殆どが、イシュヴァール内乱に対して拘り/関わりを持たされてしまって(苦笑)ます。
 このまま「イシュヴァール内乱の謎が、世界の謎につながってる」みたいになって、イシュヴァール内乱の謎が解かれて、悪が滅んで大団円、みたいな結着になったら嫌だなぁ、と…こんな想像は杞憂であって欲しいです。

 ふと疑問が。
 なぜアルフォンスは、自分の外見を変えないのでしょう。
 錬金術を使えば、鎧の外見を好きな形に変えることは朝飯前ではないかと思うのですが。錬成では無理な理由があったとしても、それなら人の手で加工する方法だって…ウィンリィやピナコという、優秀な金属加工技術を持った人が身近にいますし。
 にもかかわらず、頑にあの形状で通してるのは、何か気持ち的な拘りがあるからだろうな、と。
 そこで幾つか、ありそうな理由を考えて、残ったのは…「エドよりも背が高いこと」…おそまつさまでした m(_;_)m。

 最期のシーンは、もっと激しいカメラワークや画面効果が付く…例えば、黒白反転した顔の目の部分のアップとか…となんとなく思ってたのですが、いたって真面目と言うかケレン味のない画だと感じました。スローモーションでの回想は、情緒的に過ぎて醒めてしまった、とも。
 と言うか、彼は過去を回想しつつ倒れるのではなく、最後まで生きようと足掻くのではないか、と。

 2004.04.03 
 第26話「彼女の理由」
 オープニング、エンディングが新作&新曲に。
 オープニングは…アルがパワフリャ〜なのは痛し痒し。エンヴィーの隣の新キャラは…偽ニーナ?
 エンディングは『ウィンリィ賛絵』で、非常に意表を突かれました。特に冒頭のメイド・コス(に見えますた〜、けどウィンリィの性格には合わないし赤いし、でエプロン・ドレス? …赤いのは上に着てるセーターな服で下はプリーツスカート? それもウィンリィの(以下略)…服の裾の付近の色が違うのは陰影表現? も〜大惑乱でございます --;)は、いみふめ〜気味ですけど「かわいいから良し」と言うことで無問題(爆)。もちろんへそ出し生脚スタイルのアクションも「また良し」(核爆)。

 恐怖の追跡者(^^;が迫っていることも知らず、エド&アルとウィンリィは、機械鎧(工業全般?)で有名なラッシュバレーで物見遊山…と言うか、ウィンリィに付き合わされて嫌々、でしょうか。

 露店の、機械鎧の腕相撲屋(?)が密かに錬金術でズル…タイミングを見て台を脆くして相手の態勢を崩し…勝ち、していたのを、なりゆきでエドが錬金術で成敗して。でも、自分が丹精した機械鎧の力ではなく、エドの錬金術で勝ったことに怒ったウィンリィは二人と別行動を。そして、エドが懲らしめる直前に腕相撲屋に負けた少女・パニーニャと偶然に出会い、一計を案じ。

 今回の主人公側の話は、命を危険に晒してまで弟の身体を元に戻そうとするエドのことが不安で心配で、というウィンリィの心情に一歩踏み込んで描いた佳編、と思えました。ちょっとアクションの部分が地味かな〜、な印象があったりしますけど…エドの、錬金術の使い方や描き方は良かったです。
 でも、エドが相手の腕を千切り取った(ように見せた)光景を見て、自分の機械鎧の力にしては変? とか思わなかったのでしょうか、ウィンリィさんは。
 パニーニャとドミニクの扱いは、上手く原作コミック版から変えた、とは思います。ただ、今回限りのゲストであれば、ドミニクの「リゼンブールの牝豹」は不要ではないかと思いました…それとも、次回以降も出るのでしょうか。あと、原作コミック版を読んでるものとしては、アニメ版のパニーニャは、どうやって生計を立てているのか気になってしまいました(^^; ドミニクの店の店員、かなぁ、と考えてますが)。

 ヒューズ准将を失った軍部の方は、マスタング大佐の動静を中心に次の展開に向けて走り出した、と言ったところか、と。それにしてもシェスカさん、大丈夫でしょうか(いろんな意味で)。あと、ロス少尉に泣きボクロがあって一安心(苦笑)。

 そしてまあなんと、いきなり師匠夫妻がババ〜ンと登場とは。しかもエルリック兄弟を名指しで、マスタング大佐を完全に圧倒して(これはちょっと意外と言うか、一方的に押されっぱなしだった大佐は本調子ぢゃないのカ〜と言うか)。
 師匠夫妻に追いつかれたエルリック兄弟、となるらしい次回が楽しみです〜(笑)。

 2004.04.05 
 (承前)

「どうしても、オートメイルじゃ、ダメ? わたし、がんばるから。もっともっと勉強して、一生不自由させないから。だから、だから、もう・・・」

 ウィンリィがエドの銀時計を勝負の道具に使った事への疑問を、私は上の感想で一度書きかけて、このウィンリィの台詞と涙を見返して、消しました。
 エドが銀時計に刻んだ[自戒]を、ウィンリィは知っています。それでも/それ故に敢えて、パニーニャに銀時計を取らせた、ようにも思えて。

 なにせ「一生不自由させないから」ですから。ウィンリィは、エドの人生に付き合う気で言っている訳で。
 エドの返事は、でも自分だけのためではなくアルのためだから、という意味に取れて、だからウィンリィは、それ以上エドに生き方を変えるようには言えなくて。

 こう思えたので、私は「ウィンリィの心情に一歩踏み込んで描いた佳編」と判じました。

 2004.04.10 
 第27話「せんせい」
 平生は明朗快活な主婦なのに、「悪即斬」な主義なのか、叱る時には口よりも先ずは手が出る(拳や平手…足/蹴りも出ますね ^^;)こわ〜い師匠(せんせい)。
 エド&アルの事を風の噂で聞いたのか、直に会いに来た、といったところでしょうか。
 そして、二人の変容を知り、理由を質して…殴る蹴る(--;;;。最後の抱擁は、禁忌を犯したものの、なんとか生き長らえたことへの慰撫、でしょうか。

 今回は、イズミ師匠の紹介編、だったと思えます(マスタング大佐一行の栄転も示されましたけど)。
 イズミ師匠の声の質や演技は、キャラクターに似つかわしいものだと感じます。でも、何故か私はものすごく緊張して視聴してました。ハラハラしながら見てた、感じでしょうか…喜怒哀楽の表現や切替が難しいキャラクターなので、破綻したらどうしよう、とか思ってた、みたいな(←スタッフに対して失礼なことを考えてますね、ゴメンナサイ)。

 ところで、師匠宅訪問にウィンリィも一緒とは。何かイベントが用意されているのでしょうか。
 次回は島での仮修行のエピソードみたいですけど。

 2004.04.17 
 第28話「一は全、全は一」
「たまには足を止めてじっくり考える。今の二人には、必要なことだ」
 そうウィンリィに言う師匠。
 その師匠から
「頭を冷やせ」
と、過去の仮修行の場である湖の真ん中の小島に再び放り込まれたエド&アル。二人は、仮修行の時には想像もしなかった「現在」の自分たちの姿を水面に映し。

 「現在」のキツネのエピソードは「過去」との対比で良かったなぁ、と感じました(キツネにとっては子育て用の島だったり? …成獣なら泳いで行き来できる、みたいな)。

 仮修行の展開は、う〜ん、必要なことは語られたと思いますが、十分か、と考えると…。
 孤立無援な状態でのサバイバルに疲れ、「仮面の男」に打たれて倒れて「死」を思い、その思いの中でエプロン姿のイメージに「目的」を思い出して立ち上がり。(「仮面の男」は、二人が元気であることが確認できたので立ち去った?)
 その後、他者の生命を糧とすることに
「ごめんよ」
と言い、師匠に与えられた命題
「一は全、全は一」
に(一応の)「答え」を出す辺りに、もう少し時間が欲しかったかな、と。「答え」が、さらっと流されてしまった印象が残ってしまって。
 視聴者が提示された内容を把握・理解できるまで反芻できない、TVアニメという表現形式では、十全に表現することは難しい命題だった、とは思います。
 でも、仮修行で「答え」を出す時のエド&アルの台詞は、もっと口語な言葉使いで語って欲しかった、と感じました。逆に、「現在」の「答え」を語ったエドの台詞は生硬ですけど率直で、良い印象だったです。

 「仮面の男」のネタバレが「現在」で行われたのは、疑問(--; …と言うか、仮修行が終わった時点でネタバレしない理由は、展開・演出の都合でしかない様な。

 次回は、師匠と[子ども]…どうなるのか/どうするのか、予想できません。どきどき、です。

 2004.04.24 
 第29話「汚れなき子ども」
 イズミ師匠の旦那・シグさん曰く
「あの子たちは知らないんだな、ホムンクルスが、どうして生まれるのか」
 つまり、二人は知っている、と。
 そして、イズミ師匠が島に確認に行った先にあったものって…。
 私は、少年の右腕と左足以外の身体って、もしかしてアル? と思ったのですが(その欠損と補填は、エドがアルの魂の錬成をしたため)。でも髪の色が黒だし〜、で、イズミ師匠の? ん〜、それは作為(悪意)が過ぎて嫌なんですが。でも、もしそうなら、それを何かの意図を持って実現した何者かが存在する、としか考えられませんけど、はたして。

 エドが[真理]と呼び、イズミ師匠は[手品の種]と見る、禁忌を犯した者の前に出現する[門]…三人の会話が徹頭徹尾シリアスで、にょろにょろなギャグ風味がカケラもなかったのが残念でした。

 今回も、ウィンリィは従業員氏と同じくらいに「蚊帳の外」で、う〜ん…。サービス要員、というのは哀しいですぅ。てゆーか、年頃の少女に年頃の少年の入浴をさせるって、シグの旦那や従業員氏は何を考えていますカ〜(`ロ')/。

 シェスカさん…大丈夫? ジュリエット・ダグラス大総統秘書官…エンディング・テロップではスロウスと書かれてしまってましたけど…に目を付けられないよう、ほどほどに〜。

 フランク・アーチャー中佐…速水奨キタ〜(笑)。錬金術師ではない、のでしょうか。

 2004.05.01 
 第30話「南方司令部襲撃」
「四つ巴かよ」
「いやぁ、五つ巴だ」
 つまり、南方司令部に現われた大総統はエンヴィーだった、と?

 右足の裏にウロボロスの印を持ち錬金術を使う少年を焦点に錯綜する、様々な思惑と人々。
 エド&アルは失われた肉体、アーチャー中佐は野心、エンヴィー(ラストさま)たちは錬成能力、グリードたちは単なる「欲/好奇心」? そしてイズミ師匠は「情動」で。
 イズミ師匠の暴走は意外と言うか、それだけあの少年はイズミ師匠にとって[急所]、なのでしょうけど、このままだと向かう先には闇しか見えないです。
 この展開だと「主婦だ!!」は無さそうですね。

 一方、キシュア(?)西方の難民キャンプに、セントラルから去ったイシュヴァール人たちとスカーが姿を見せ、そこに偶然(でしょうね)流れてきていたヨキの通報で、セントラルからマスタング大佐たちも動き出し。
 そしてスカーは、顔に入れ墨を持つイシュヴァールの咎人…神の教えに背き、永遠にイシュヴァールを追放された者…の住処で、壁に描かれた[賢者の石]に関わる紋章を目にして。
 とすると、スカーの兄の身体の紋章も咎人の印、だったのでしょうか?

 今回のギャグは、大総統が立ち会っていないことで画竜点睛を欠く感じで、無理して入れても笑えません〜、ではなかったかと。アームストロング少佐の、苦衷を隠した大人な言動が良かっただけに、徹頭徹尾シリアスで通して欲しかったです。

 2004.05.08 
 第31話「罪」
 今回、VTRのテープ残量を読み違えてまして、ヨック島のイズミ師匠のところにエド&アルとウィンリィがやってきた所までしか観れてません(悔)。

 セントラルでイシュヴァール人たちとスカーを襲った者たちは
「軍を名乗る無頼漢」
と軍部では把握している様子。流石は大総統秘書官、細工は流々ですか。

 イズミ師匠vsアームストロング少佐…イズミ師匠の気持ちを考えると、万国びっくりショーな錬金術戦法の応酬を描かれても、前回の筋肉的相互理解と同じく、どうにも笑えません。

「じゃあ、お前は自分の力であの門を潜ってきたの?」
…少年の出現は、誰かの企みではなく、たまさかの偶然/奇跡、と?

「そっか、その手と足のおかげか」
…「もっていかれた」エドの手足を、少年が「門」を潜った時に得た?
 もしかして、二つの事象(エド&アルの錬成とイズミ師匠の返還)が同時刻に行われて、とか?? いや、それなら少年の出現時期が問題だし…今後の本編での謎解き待ち、ですか(私が観損ねた後半部分で明かされてたり?(T.T)。

「俺たちはこの命の石で育ったんだ」
…また危うい設定が色々と。

 そして、石を咀嚼していた少年は苦しみ始め、自らの出自…イズミ師匠が「門」の向こう側に錬成した「もの」を返す光景?…を思い出し。
 少年は悪意に染まった?

 ウィンリィは、話を進めるためだけにダブリスに来ることになった、としか(嘆息)。今回のウィンリィの推測は、エドが行ってこそ説得力が感じられた、と思うのですが。

 あー、ヨック島での顛末は果たして(懊悩)。あと、アーチャー中佐とかマスタング大佐とかスカーとかの話も進んだりしたのでしょうか(煩悶)。

 2004.05.15 
 第32話「深い森のダンテ」
 少年の名(?)はラース。七つの大罪(ここらへん >> http://ja.wikipedia.org/wiki/七つの大罪 とか)の中の「憤怒」を体現する(?)ホムンクルス。
 それにしてもスロウスさん、どんな移動手段でセントラルから南部に来たのでしょう。不定形/液体な身体を霧状にして空を飛んできた? 地下を流れる赤い水の水脈を通って高速移動した?(←適当な想像ですので本気にしないでください ^^;)

 ホムンクルスは人体錬成の失敗によって出現する…それは、どのような意味/意義を持つ世界律なのでしょう。そして、ダンテの家に向かう道すがら、アルがエドに話しかけた疑問は…母親のこと?

 童話の魔女の住処のような小さな家を想像してたのですが、森の奥にあるとは思えない立派な屋敷なのにびっくり。そして、意外な人物の再登場に二度びっくり…今回のライラの登用は、かつての主人だったヨキが幸薄い一生を終えたことを記念(爆)しての、スタッフのお遊びでしょうか。それとも、ライラに何か、ストーリー展開に寄与する役割を振っていたりするのでしょうか。

 一方、スカーの捕縛に赴いたマスタング大佐率いる軍は、キシュア郊外でイシュヴァール人たちと対峙して…ラストさまとグラトニーが、ヨキを生贄に(合掌)イシュヴァール殲滅事件の再来を目論んでいるのか、血腥い衝突になる展開に…今回のラストさまたちの目的は、軍? スカー? それとも騒乱を起こすこと?

 イズミ師匠…今回の、山を真っ二つにするほどの(地球割り? ^^;)錬成は、いったいどんな錬金術的な操作なんでしょ〜…の師匠らしい老婦人・ダンテ(…名前がアーデルハイドだったら爆笑/や、杉山佳寿子繋がりで << 繋がってないですかそうですか)。
 グリード曰く「懐かしい顔を見に来た」…ダンテ婦人と因縁が? あと、グリードはどうやってデビルズネストに連絡を取ったのでしょう…狼煙でも上げたのでしょうか(笑)。

 スロウスにせよグリードにせよ、描かれなかった行動の理屈付け(の無さ)は、ホムンクルスであるが故の[人間離れした能力]の暗示、で済ませてしまいたい感じで、う〜ん。あまり[万能超人]にされても困惑してしまいます。

 グリードと言えば、キンブリーは何やら企んでいるようですが…アーチャー中佐絡みだったり? それにしても、タッカーはわざわざなんて扮装をしてるのでしょ〜ね。てゆ〜か、あれで外出してたり飲み食いしたりするのでしょうか。

 そして、成り行きも状況も全く違ってますが、グリードの目的は原作同様らしい感じで、次回は「主婦だ!!」が?

 で。
 ウィンリィ…要所を締めるオイシイ役、ではなくて、他に適当なキャラがいない台詞や立ち位置を任し易い便利屋さん、に見えるんですケド〜。

 アル…そこで暴れるキャラぢゃないでしょう、エドならともかく(^^;。
 人質がいるんですよ? 加えて多勢に無勢ですよ? 少なくとも人質の安全を確認するまでは、忍の一字で耐えることを選ぶ性格だと思ってましたのに。

 「光のホーエンハイム」…ダンテさん、曰く。称号を持つって、国家錬金術師ですか、エド&アルの父親氏は。
 すると、ラスボスは「闇のナントカ」だったり?(←安直すぎますよね、ね、ね)
 さらに昔々、若かりしホーエンハイムとダンテとナントカとピナコ・ロックベルの四人でブイブイいわせてたりして〜(核爆)
 その若さ故の過ちで賢者の石/人体錬成/ホムンクルスに手を出して、今その因果が子どもや弟子に回ってきてる、みたいな展開はいやです〜(と言ってみるテスト)。

 2004.05.29 
 第33話「囚われたアル」
「・・・主婦だっ!」
 う〜〜〜〜〜(苦悶)…前振り(?)は、変な溜めじゃなくて、びしいっっ、と握った右手の親指で自分を示す仕種を、しっかりはっきりくっきりと! しゅ・ふ・だ、で1カットずつ、右横・左横・正面アップ、とかとかとか!!
 実際に聞いてみて、原作コミック版的な印象になる発声は非常に難しい(不可能に近い?)、のが判りましたけど、それでももっとなんとか、と思ってしまうのは我が儘でしょうか(反語)。

 何故、ダンテの家でグリードはエドを放置したのでしょう。そして、エドをデビルズ・ネストに招待するでもなく、追跡できないようにしようとしたのは何故でしょう。
 魂の錬成の現物であるアルと、その実行者であるエドと、両方とも得ようとするのが自然ではないでしょうか。そこらへんの事情は、タッカーという情報源から必要十分な入手が可能だったと思えますし。
 展開は、捕縛したエド&アルとグリードが問答しているところにイズミ師匠が殴り込み、で問題なし、だと思えます。どうにも、原作コミック版のあれこれを、アニメ版オリジナルな部分との整合性を無視してまで、そのまま組み込もうとしてしまっている、ように感じてしまいます。

 軍のデビルズ・ネスト急襲…アーチャー中佐の裏工作により、キンブリーとタッカーはグリードと袂を分かって。
 キンブリーが入手してアーチャー中佐に渡した袋には何が?
 この動きとホムンクルスたちの話と、どう関連してくるのか、期待と不安が半々です(ぃや、正直なところ不安が勝ってる、ですね ^^;)。

 ダンテさんとグリードは、どんな因縁がある(あった?)のでしょう。基本的に傍若無人なはずのグリードが、黙して見つめるダンテさんに、何か負い目を感じているかの如く、痛めつけようとしていたエドを置いて立ち去ってしまった、のですから、並大抵の関係ではないと思えますけど。
 さらにダンテさん、イズミ師匠に対して、冷めているというか突き放しているというか、二人は深いところで気持ちが決裂している、というか。とても、現在進行形で親交がある…体調を整える薬を供している/得ている…感じではない感じ、なのが意外でした。
 あぁ、イズミ師匠の今後への不安がいや増す限りで、どきどきです(;´Д`)。

 そして、案の定ウィンリィの出番はなしですか。プンプン。

 2004.06.05 
 第34話「強欲の理論」
 なんとも後味が悪い締め、だと思います。

 デビルズ・ネスト関係者は、マーテルを除いて全滅…キメラだけでなく、多分、普通の人たちも。
 ダンテさんは、結局何も語らないままに退場。
 ダンテさんとグリードの関係は、そのままイズミ師匠とラースの「前例」としか思えず、なのに、それをエド&アルやイズミ師匠は知ることなく。そしてイズミ師匠とダンテさんの間には冷えきった対立の感情がうかがえたのに、それは何も変わることなく、解消されることも永遠になくなってしまって。
 グリードは、エドの心に傷を増やし、思わせぶりなヒントを残しただけで退場。そんなヒント、実行のしようがない、と思うのですが。
 ダンテさんの存在が、アニメ版におけるグリード編の辻褄合わせにだけ設定された[小道具]にしか、私には見えません。それが、私が感じた後味の悪さの原因ではないか、と現時点では考えます。

 ライラさん、本当にヨキに仕えていたあのヒト? 状況からしてダンテさん真っ二つの犯人はライラさんしかいないし、なのでエンヴィ辺りの変装か、と思いましたが、それならグリード弱体化(?)の時に種明かしをするでしょうから…う〜ん、ラストさまの勢力(?)に関係する者、の可能性が高いようには思いますが…まさか、エド&アルの父親=[光のホーエンハイム]側とか?
 もしかしてキンブリーも、単なる破壊好き錬金術師じゃなかったり?

 それにしても、エドワード・エルリックがアーチャー中佐による拘束から抜け出してダンテさんの屋敷に来るタイミングを、ライラさんは何を以て計っていたのでしょうね。ただ単に、屋敷の近くにエドが現われたので、グリードに対する錬成陣を使った「お仕置き」(?)を中断して、その後は成り行きに任せてみた、のでしょうか。

 ところで。
 ホムンクルスは腹の中に[赤い石袋](笑)があって、そこに溜めた[赤い石]から活力(?)を得てたり?。

 そしてホムンクルスの「死に態」…グリードの最期は異様に不気味で奇態な格好(胎児的姿勢?)に固まってましたが、他のホムンクルスもあんな風になる、んでしょうね〜(;´Д`)。

 2004.06.06 
 (承前)
 グリードって、ラストさま(たち?)と違って人間たちとの共存が出来ていたんですよね、考えてみると。
 ホムンクルスの二つ名(?)が、どの程度その内面や嗜好/志向と同期しているかは曖昧ですけど、グリードは自身の二つ名たる強欲を自覚的に意識してか、「全てを手に入れたい」と嘯き、本当の不老不死に至る手段を模索してました。
 その[手に入れたい全て]とは、人間たちが求めるものと同じであり、現状の人間たちの有り様を肯定しているからこそ抱き得るものではないかと思えます。それ故に、グリードは人間と同等の有り様を求め、デビルズ・ネストや忠実な部下たちを得てもいた、のではないでしょうか。
 そして、あまりにも人間的であったがために、グリードは「あの方」の意に従わず/逆らい、封印されたのかもしれない、と思えてきました。

 ホムンクルスは、禁忌の技である人体錬成を使って人を甦らせようとした時に顕現するもの。とグリードは言いました。
 それは、ホムンクルスとは、禁忌を破った者に突き付けられる「罪の印」である、と言うことでしょう。そういう存在の「上」に立つらしい「あの方」は、物語世界の[禁忌/世界律]を司るもの、と考える他になくなってしまいます。
 そんな「あの方」に逆らい封印されたグリードの、どうにも人間的な有り様を見せられてしまうと、この物語世界は人間を譴責しようとしているのか、とか思ってしまうのですが。

 2004.06.12 
 第35話「愚者の再会」
 OPのエド&アル.vs.グリード一味の画に、何とも言えない苦さを感じて。

 ウィンリィ、付いて行って大丈夫? エドも、自動車を即金で買うとかすればいいのに…裏道・抜け道を秘密裏に、というのは柄じゃない気がしますし(笑)。気は急いてるでしょうに…でも、南で待っている「何か」に恐れを抱いていて、無意識に遠回りを選んでいる、とか?

 今回は、井(略)脚本の、ラストさまショー劇場。
「私たちはどこから来て、どこに行くのか」
「今までもあちこちで同じことをしてきた。全ては本物の[賢者の石]を創れる人物を見つけるため」
「おまえは私の小さな…汚点だ」
「私はどこから来て、どこに行くのか」

 禁忌の門より出て、そこに還る、ホムンクルス。それを忌み、それ故に「人間になりたい」と言うのでしょうか、ラストさまは。でも、その問いには人間こそ答を見つけられずにいるのですが。

 色々と展開には不満が渦巻いて。
 作為的な偶然…ルジョンとラストさまの再会、リビアとエドたちの遭遇。
 インパクト優先みたいな謎/矛盾…誰がどうやって崖崩れを知った/知らせたのか、何故ルジョンの死が難病の劇的な進行の引き金になるのか、何故リビアの最期だけが遅れたのか。

 最後の、ラストさまたちが去ってゆくシーンに、こんな異聞を。
 ***
 かつて難病に苦しみ、錬金術師に救われた、とある村。エドたちは、イシュヴァール人たちの元へ向かう途中で噂を聞き、何人もの錬金術師が訪れたと言う、その村を訪れる。
 それは、ホムンクルスが張った罠。
 期待の逸材=エドを見つけたことと、昔の、ちょっとした迷いを清算するため、ラストさまが罠を解く。
 昨日まで活気にあふれていた村は、一瞬で廃墟に変わってしまう。
 ***
 …とか。
 最初の方のエピソードと重複してしまう感じですけど(苦笑)。

 スカーが墓(兄の?)を暴いて取り出していた物は、何でしょうね?

 2004.06.19 
 第36話「我が内なる科人(トガビト)」
 スーパーチャージャー付けたトラック(?)を爆走させるウィンリィ、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

 エド&アルが能動的・主導的に動いていたからでしょうか、前回までとは画面から受ける印象が違ったように、私には感じられました。干天の慈雨と言うほどではないにせよ、多少なりとも「歯痒さ」みたいな感じが減っていた、ような気が。
 ギャグも、最近のアレコレに比べれば悪い感じではなかったです。

 過去を振り返るシーンに、良い意味での意外性を覚えたり(苦笑)。でも、グリードの件についても言及が欲しかった、とも思ったり。尺を消費して内容的にバランスが崩れた可能性大、でしょうけど。

 ウィンリィは両親の死にマスタング大佐が関わっていた事を知り、ホークアイ中尉と共にセントラルへ。その道中でウィンリィはホークアイ中尉の「軍人である理由」を知ります…その一連の会話は原作コミック版(第6巻P110〜)とほぼ同じでしたが、状況は全く別物で、二人が交わした意味も違うのが悲しいです。
 そしてウィンリィはヒューズ准将の死を知り、ヒューズのマスタングに対する厚い友情も知らされ…今後ウィンリィがどう動くのか、予断を許さない感じです。

 …唸るスチーム。軋む鋼鉄。
「この、私ウィンリィ・ロックベルが心血を注いで完成させた動甲冑(アーマード・オートメイル)で、マスタングを討つ!」
 エドワード・エルリック謹製の秘術・抗錬金術紋章に彩られた、某ランドメイト似な強化外骨格を身にまとい、ウィンリィがマスタングと、セントラルで凄絶な市街戦を展開する!!
 …なんてことにはならないでしょうけど(核爆)。

 スカーは一人、どこかの荒野で巨大な錬成陣を構築中…「人柱」は?

 ラストさまは、グラトニーとラースを連れてエド&アルを追いかける?
 今回、スロウスが指示を出してました。特に誰かから指示を受ける演出もなかったですし、彼女(?)はホムンクルスの隊長か参謀か現場指揮官みたいな立場なのでしょうか。

 2004.06.26 
 第37話
 は〜い、今回の『鋼の錬金術師』は。
 「焔の錬金術師」、「戦う少尉さん」、「第十三倉庫の怪」、の三本です(鷹の目さんの声でお読み下さい (ムリ)。

 「焔の錬金術師」…少佐の魅力が判らないのは、私が男だからでせうか? 行動レポートが交換日記(;´Д`)になる展開はナイスです。

 「戦う少尉さん」…「明るくて性格の良い美人」→アームストロング少佐登場、の段取りは良かったです。で。エンディングのキャストを見て…キャスリン・アームストロング:釘宮理恵、ルイ・アームストロングの母:朴ろ美(ろは王ヘンに路)、って、アルとエドの声の人!! 気付きませんでしたぁ〜。

 「第十三倉庫の怪」…ブラックハヤテ号の食事跡が示された時点で「全ての謎は解けた」かと。この話にオチが付いた後も話が続いてしまい、それがシリアスな引きで終幕で、全体の印象が中途半端なものになった、のではないかと感じてます。

 今回は、それなりに明るくて風通しの良い軽さだったかと思うのですが、ギャグな基調の流れの中にシリアスな本編が混ざっていて進展もあったのは、ちょっと…シリアスなシーンが、シリアス故に笑える、的なものではなく、ただただシリアスなだけだったのが、ギャグなシーンとの乖離が感じられて残念でした。
 シリアスな話を真面目に進めるのであれば、構成も常態で行うべきだった、かと。なまじ三話構成になっていた分、全編がギャグの[息抜きの回]だとばかり思ってしまっていたもので。
 あとは…せめて一瞬のカットとしてでも、エド&アルを出演させて欲しかったです。ず〜〜〜〜っとウィンリィ謹製の改造トラックで荒野を爆走していた、とかとか。

 シェスカさんは、なんとか危険なほどには本編に絡んでない立ち位置で、一安心(笑)。

 で、ハボック少尉。「明るくて性格の良い美人」+「未亡人」、は嗜好の外でぃすかぁ?(核爆) …さすがに荷が勝ち過ぎで思考の外、でしょうか(^^;。

 2004.07.03 
 第38話「川の流れに」
 VTR録画ミスで鑑賞できませんでした(悔)。
 一瞬だけ、シェスカさんとウィンリィが、シェスカさんの部屋(?)で対話しているシーンを目にしただけです。

 2004.07.10 
 第39話「東方内戦」
「おぉ、東方は赤く燃えているぅ」
 …な展開に向かって、色々いろいろと仕込みが進む回、みたいな。

 ロス少尉他一名に尋問(?)を受けるウィンリィとシェスカさんはだんまり〜。で、放免された(?)二人はウィンリィ主導でリゼンブール(ウィンリィとエド&アルの故郷)に行く模様…一休み? それともピナコさんが動きだしたり?(←それは多分ナイ ^^;)

 一方、マスタング大佐一行とアーチャー大佐+キンブリー・紅蓮の錬金術師・中佐+アームストロング少佐の軍と、エド&アル+マーテル(!)は、ロゼの住むリオールへ。
 スカーが賢者の石の錬成陣を描いていたのがリオール市内だったとは。
 そのリオールは、エド&アルが悪い司教を退治した後も騒乱が続き…それは、ホムンクルスの演出だとして、スカーとホムンクルスたちの[現在の関係]は? 「聖母」ロゼの[意味]は? 「プライド」は誰?

 アーチャー大佐は、密かに同行させていたタッカーを使い、国家錬金術師たちの銀時計に「錬成増幅処理」を…って、それはどんな効能? リオールの巨大錬成陣と関係ある?

 孤軍奮闘な感じのアームストロング少佐は、アーチャー大佐のアレコレについて、はたしてどこまで把握しているのでしょう…ちょっと心配な感じなんですが。

 マスタング大佐、アーチャー大佐、ホムンクルス、スカー、エド&アル、リオールの人たち、イシュヴァール人たち、etc.。
 錯綜する意志/意図/欲望。
 徒手空拳の個人・軍の狗=国家錬金術師・一人の人間、として、エドワード・エルリックは翻弄されるしかない、のでしょうか。

 2004.07.17 
 第40話「傷痕」
 アルフォンス・エルリック…オープニングの語り手が彼である、ということが、不意に気になり始めた今日この頃ですが、皆様におかれましては如何お過ごしでしょう(・w・。

 スカー、変質。
 イシュヴァール人以外の全てに対する怒り、から来る私的な破壊行動ではなく、軍部を潰すためのテロへと、目的も手段も変わっている、みたいな。
 それは、これまでの経験から得た知見なのか、ライラさんがロゼをダシに洗脳(核爆)でもしたのでしょうか。

 そのロゼですが…軍に連行されて? 帰ってきたら声を失くしてて! で、赤ん坊って!!?? まさかスカーとの子、でぃすか〜?(←必死の曲解)

 スカーの傷と右腕と兄と…以前の、全身に入れ墨を入れた兄が裸でイシュヴァールの街に歩き去った光景から持っていた印象とは微妙に違った「その時起こった事」に、ちょっと違和感。まぁ、それは私の勝手な想像が間違っていた、ということで。
 スカーの右腕の「謎」…賢者の石の「種」である、と? スカー兄の入れ墨は、イシュヴァール人たちの「命」から賢者の石を錬成するためのもの?
 スカーの言動が、どうにも胸落ちしません…モヤモヤとしているだけで、具体的に「これ」と指摘ができないのですが、スカーが語るあれこれと、スカーが行ってきたあれこれとが、何かチグハグな感じを拭えないのですが。

 大総統…目が、目が〜。そして、あぁマーテルさん。
 これはもう、最後のホムンクルス、で確定でしょうか >> 大総統…う〜〜〜ん、それもどうもモヤモヤ〜。
 キンブリーとタッカーに直接指示してますが、アーチャー大佐を無視したら、肝心な時に造反を招く/足元をすくわれる気がします。

 ライラさん…怪しさ大爆発。しかしてその実体は、錬金術で光学的に変身していた[光のホーエンハイム]だ〜〜、ったりは絶対しないんでしょうね〜(笑)。

「だが、そのままじゃ長くは生きられないはずだ。何者かが、ラストやエンヴィーといったホムンクルスを集めて、複数の命を与えて操っている」
…なんだって〜? と言うか、いつの間にそんな体系付けた情報を得てますか〜?
 で。
 この情報と、今回スロウスの中からエンヴィーが湧き出した光景と、以前にスロウスが少年ラースを取り込んでいた光景とが、私の中に、一つの仮説を生み出しました。それは。
 スロウスは、実はホイミスライムだったんだよ!(核爆)
 つまり、ホムンクルスの延命と洗脳(あるいは本性の導出)を行う能力を、スロウスは持っている、のではないかと(;´Д`)。

 2004.07.24 
 第41話「聖母」
 第42話「彼の名を知らず」
 一挙、2話連続放送、と言うか、いよいよ原作コミック版から離れてTVアニメ・オリジナル編が始まるぞ、な回と言うか。

 「聖母」よりは「人の子」の方が、と言ってみたり。
 ロゼは、エドから「さよなら」を告げられて、これで退場でしょうか。この後、元気に暮らす様子が点描される、くらいの扱いであれば良いかな? と思ったり。
 ライラさんは、結局何もせず。[聖母]の仕掛けは、この人の入れ知恵ではないか、と考えたりしたのですが、そんな感じの小細工をしていたとしか思えない、(視聴者からすれば)非常に怪しい人にしては、何のためにリオールにいたのか、意味不明な存在だったな〜、と。

 スカーは、自分自身を含めた人の命から錬成した[賢者の石](に最も近い力を持った[赤い石]?)という究極のアイテムを二人に残し、退場。ラストさまの心にも何かを残し?(ホムンクルスに心はない?)
 でも、これはちょっと強引な展開ではないかと。エド&アルが[賢者の石]を手にする重大イベントを成立させるために、スカーを筆頭に登場人物たちを無理矢理に動かした、感じで。

 大総統と大総統秘書官の正体を、エド&アルは知りました。二人は、国家の中枢が、世界に死と破壊を振りまく人外の存在に掌握されていることを知った訳で。これからは、二人が軍事国家を牛耳る巨大な敵に立ち向かう姿が物語の縦糸になる、のでしょうか。

 ところでタッカーは? あの異様な風体で、アーチャー大佐という庇護者を失って…原作コミック版のバリー的な立場になったり?

 2004.07.31 
 第43話「野良犬は逃げ出した」
「賢者の石。それを手にした者は、等価交換の原則から解放される。何かを得るために、代価を必要とすることもない。僕らはそれを求め、手に入れた」

 [光のホーエンハイム]キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 時間経過に無頓着なボンヤリさんってことは、光速で生きてる昼行灯ナノカ〜?(;´Д`)

「いまの、何? でっかい門…あれ前にも見たことがある」
 身体が触れただけで激烈な錬成反応。アルへの物理的接触がなければ大丈夫なのは、錬成陣への物理的接触が錬成を開始する引き金である感じなのと同じ、なのでしょうか。
 で、エドは賢者の石を得て、アルの肉体を取り戻す算段を(密かに)考え中、だったりするのでしょうか。

 磔のラストさま…このシチュエーションは、まさか原作コミック版のグリードな感じに、セントラルで「お父様」に? オープニングではエド&アルと大立ち回りしてますけど…グリードがアレだったし、どうなるかわかりません、ね。

 ウィンリィとシェスカさんに続き、エド&アルの異変を耳にしたロス少尉他一名が警告のためにリゼンブールに。ロス少尉、そこまでエド&アルに入れ込んでいたとは思いませんでした(←ショタコ ;y=ー ( ゚д゚)∵・ターン)。でも、国家錬金術師の護衛を命じられるような軍人にしては、今回の行動は軍への忠誠度が薄いのでは、とも思ったりしたり…第5研究所の件で、軍組織への信頼が揺らいでた、のでしょうか。
 そして古い間道からリゼンブールに向かうエド&アルを追って、マスタング大佐一行も現われて。

 沢伝いに進むエド&アルの頭上から岩(?)の楔が降り注いで…てっきりホムンクルスの攻撃かと思ったら、アームストロング少佐の豪腕な錬金術の技とは。そして、それに焔の技を上乗せするとは、容赦なしですな、大佐ってば。

 告白タ〜イム。
「その時から私は誓った。たとえ命令であろうとも、理不尽なことに従うべきではない。従わなくていい立場になろうと。お前たちを追うのは、命令だからじゃない。お前たちに腹を立てているからだ。なぜ、私の保護を求めず、勝手に逃亡した!」
 …「主人」を頼らせるには、やはりブラックハヤテ号なみの厳しい躾が必要だったのではないかと(笑)。スキンシップの類が全然足りなかった、とは言えるかと。

 次回…ロゼ? リゼンブールに? それともライラさんが正体を見せる?(^^;

 2004.08.07 
 第44話「光のホーエンハイム」
 ロゼを連れて、セントラルにある寂れた(にしては過去の栄光の名残があり過ぎな感じの)宗教の建物を訪れたライラさん。割れたステンドグラスを錬成で復元させると、それが鍵になっていたのか、壁に隠し通路の入り口が現われる。そして、その先で二人を待っていたのは…。

 強引に過ぎる展開(T^T でもって、子飼いの部下だけを残してエルリック兄弟捕縛部隊を撤収させたマスタング大佐は、自国の指導者の正体を知り…はたして、それをどう使う/使えるのでしょう。まだちょっと、国権を担うには押し出しが弱い印象なんですが。というか、現状では「敵」に「反逆の意、あり」とか因縁付けられて討伐されかねないんですけど。
 そしてアームストロング少佐は、単独行動になるんですが、大丈夫でしょうか。

 でもって、おいおいおい、とどうにも首を捻ってしまう「真実」が光速の滑らかさ(^^;で次々と明らかに。

 ホーエンハイムは一目でアルがアルフォンス・エルリックであることを把握したのですが…何か、普通の視覚とは別の「感覚」で世界を感知しているのかも、と思ったり。

「だがまあ、彼らがホムンクルスだとしても、この国はなんとかやっているし、軍も機能している。気にしなければいいさ」
 …ひとでなし、と糾弾したいんですが。感情の磨滅かある種の達観か…「気にしない」で見ないことにするには、イシュヴァールの惨劇とかのホムンクルスの暗躍は、この国に生きる全ての人にとって危険すぎるものでしょうに。

「その身体が朽ち始めた訳を教えてあげる」

 ライラさんの「中の人」はダンテさんで肉体が朽ちかけていて、肉体の限界は光のホーエンハイムも同様みたいで。………まさか、ホーエンハイムとダンテ(の過去/対立/闘争)が、この物語の因果の因の元になっていて、とかいうスケールダウンというか失速というか拍子抜けな感じの展開にはなりませんよね〜よね〜よね〜(超疑念)。

「賢者の石で、誰かの肉体に魂を定着させることはできる」

 …もしかして、ライラ/ダンテがロゼを連れてきたのは、赤ちゃんが目当て? アルの賢者の石について、どうするつもりなのか、が問題でしょうか。

「お前は身体を代価にして、何かを得たはずだ。それを全て返せば、戻ってくるさ」
 …あうあうあ〜。それでホムンクルスたちに敵意を向けるようなアルじゃない、と激しく思います(思いたいです)が、果たして。

 2004.08.21 
 第45話「心を劣化させるもの」
「それに、若い身体を試してもいないし…」
「悪いが…妻が、いるんだ」
 こんな時間に、なんてエロエロ〜(艶笑)。

「四百年前、初めて会った未だ何も知らない私に愛を囁いてくれたのは、じゃあ記憶違いかしら」
「もう、やめよう」
 言い負かされると話題を変える(ようにも思えたりする)自分勝手で不実な女たらし・ホーエンハイム。賢者の証を得たはずが、世界に災いの種を蒔いてしまった愚かな男、に思えてきました。
「そして私たちは、永遠の命を手に入れた」
「ダンテ。永遠の命など、ありえない」

「戦争をすることにも文句はない。我々は軍人だ」
 武力は国民の安寧を得る手段の一つで。軍人は武力を揮う専門家で。
 上手く言えませんが、軍人が戦争を求めるのは本末転倒だと思います。戦争という状況は軍人という武力行使の専門家を要請しますが、それでも軍人が戦争を肯定するのは「違う」と私には思えます。軍人は、戦争状態を維持するのではなく、武力行使という手法で、戦争状態(戦争に至った状況)を終わらせるために存在する専門家の一種でしょう、と。

「復讐はしない。そうでなければ、スカーが逝った意味がない」
「復讐より、探していたことより大切なことって」
 錬金術師としての禁忌を犯した罪の清算?
 アルを銅像で隠蔽して(自由を奪って/触らないようにして)、エドは師匠の元へ。

「トリシャ。君はいつまでも、可愛いよ」
「ありがとう、光のホーエンハイム」
 亡き妻への呟きに答えたのは、妻の姿を持つホムンクルス。因果応報、なんですけど哀し過ぎる状況ではあります。

「錬金術の力の源であるあの門。あのむこうには何があるのか。あの門を開く方法はないのか」
「あの門は、私たちの中にある」
「そして、魂と精神と肉体の結びつきがまだ弱い、たとえば赤ん坊の場合、より強くあの門を呼び寄せる」
「実験してみましょうか。門の向こうが、どうなっているのか」
「トリィ、エドとアルは、きっと大丈夫。君の、子供だ」
 光は闇の中に?
 決戦で、ラスボス化したダンテを、門の中から現われたホーエンハイムが連れて行く、みたいな光景は見たくないんですけど〜(杞憂?)。

「大丈夫よラース。おまえはもう、あの門の向こうに帰ることはない。賢者の石をここに持ってきて頂戴、ラース、スロウス、それにラスト」
「あなたが、もう一度生まれ変わるために」
「賢者の石が手に入れば、私の魂の定着のあとで、あなたたちを今度こそ人間にしてあげる。でも、私の気持ち次第なのよ」
「もっと食べないと。私のドレスのサイズに合わないじゃない」
 うあ、これはもう典型的な悪役としか(;´Д`)。「人間にする」方法なんて、きっと無いのに(と断定してみるテスト ^^;)。
 で。
 その「赤ん坊」は「門」に…?? いったい、何をどうして無事なんでしょ〜? 初めから、ダンテが錬成した「何か」だったり? それとも、触媒みたいな使い方とかで、赤ん坊自身は何度か使える(;´Д`)、とか???

「シェスカから託された資料を何度読み返しても、どうしても解けなかった。これが最後のパーツだったんだ。自ら尻尾を出したな、ホムンクルスめ」
 …おもわせぶりぶりぶりっこ大佐(爆)。何がどう判ったのか、私には判りません(苦笑)。

「ここにそのまま居るなんて、思いませんでした」
「灯台もと暗し。それにダンテの持ち物を、少し調べてみたくてな」
「戦うんだな」
「はい」
 グラトニーとエンヴィーとプライドへの対策は? 出来る事だけでも、と?

「すみませ〜ん。ボクです」
「よく…よく来てくれたね、アルフォンス君」
そう言うショウちゃん(;´Д`)の腕の中には! いまさら「それ」が出てくるとは思いませんでしたががが。
「賢者の石の使い方、教えてください」
 アルってば、なんでエドにタッカーのことを隠したんでしょう? 弟に負担をかけまいと精一杯…それは過保護でしかない/弟を被保護者としか見ていない、のではないかと思えますが…な兄の様子を慮った?

 2004.08.28 
 第46話「人体錬成」
「ここにキリスト暦で年号が記されている」
…「四百年前」と言い、ますますもって『BASTARD!』でぃすか〜?(眉間にシワ寄せ)

「先生…ごめんなさい」
「ばかもの」
 そんな気弱なイズミ師匠は見たくないです。ずかずか歩み寄ってガツンと一発、とかがイズミ師匠のキャラクターだと思ってますのに〜。

「ウィリー曹長、先日の検査で悪性の水虫が見つかりました。すでに脳に転移しています」
 そしてマスタング准将は、曹長をベッドに押し倒すと眼鏡を取り上げ…なんとホークアイ中尉に!?
「う〜ん、なかなかだね」
「ご冗談を」
 くいくい。
 これはまた意表を突き過ぎる精神攻撃ですが。
 くいくい。
 でも唐突に深い意味も必然性もないネタ振りでは、有効打(誰に?)にはならない気がしますけど。
 くいくい。
 …ま、いいです(←有効打)。

「案ずるな。フランク・アーチャーが張り切っておる」
「アーチャー? 生きておるのですか、あの男が!」
 てっきりエンヴィーの役割かと思いましたら、叫ぶミイラ男と化した彼の姿が。

 そのエンヴィーは、激しくネタバラシ役で(笑)。
「あいつだよ! あんたがプライドやグリードを作ったみたいに、俺を! 俺たちを弄んだ」
 ホーエンハイム作は、でもそうなるとエンヴィーだけ? グラトニーも?
「生みの親が恋しいか」
 プライドに図星を刺されて(と思いますが)襲い掛かるエンヴィー。最強の目を持つプライドが避けなかったのは、故意?
「死んだわ」
「嘘だ! あいつが死ぬ訳ない。俺が殺すんだから」
「魂と肉体と精神の結合を解いた。死んだも同じ」
 …結合し直せば甦る、と?(;´Д`)
「まだ息子たちは生きているわ」
「不公平ね。あの子たちだけが全てを取り戻して、あの人の一番大切な子供だったはずのあなたが、何も得られない」
「見たいな、あいつらが目の前で賢者の石を取り上げられる顔を。全てを失う顔を」
 …なるほどエンヴィー=嫉妬。でも、これはダンテが自分のそれを上乗せした結果のような。

「彼はまるでもう、賢者の石を使うことに興味が無いようだね」
「なぜ?」
「それは多分…いや」
 博愛、でしょうか。あるいは、我欲にひたむくには、エドワード・エルリックは聡明に過ぎ、潔癖に過ぎ。彼を取り巻く人々も真っ直ぐで、そんな人たちに顔向けできないような事を、自覚を持って行うことはできなくて?
 でも、アルの身体を取り戻したい、という願いも捨てられず、迷いは晴れることなく。

「俺から腕や足を奪って取り付けて、それでおまえは人間になるのか? オートメールを着けていても鎧になっていても、それがどうした、人間だ。だけど、おまえはどうだ?」
 エドの自問はラースに向かい。

「あの人になんて言われた。賢者の石を届ければ人間にしてもらえるって聞いただろ」
「信じられない。あの人は、自分が生き続けるために、賢者の石を欲している。そのために、幾つもの戦争を…あの人は、私たちを人間になど、しない」
 とうとうラストさまはダンテ側から離反して。

 エドの自問はラストさまにも向かい。
「なぜ人間になりたい? あんたたちは不死身だ。いつまでもその姿でいられる。なんだか知らねぇが楽しそうに生きてる。それなのに、なんでまた人間になりたい?」
「残酷なことを言うのね。なら、なぜあなたの弟は元に戻らなくちゃいけないの?」
「それと同じことよ」
 切り返されて返す言葉は無く。
 ん〜〜、でもラストさまの言葉は、明文化しようとしても私には(まだ?)できなくて。なにが「同じ」なんでしょうか(困惑)。

「パパと呼んでおくれ、ニーナ」
「魂が?」
「おめでとう、ショウ・タッカー。みごとな人体錬成ね」
「大丈夫よ、そんな魂のない人形に興味はないわ。魂をつなぎ止めることが出来るのは、強力な意志だけ。あなたには無理だったわねぇ」
「いらっしゃい、アルフォンス・エルリック。せっかくの賢者の石、これ以上減らす訳にはいかないわ」
「減る? 兄さん、兄さん! これが、賢者の石?」
 …ぜんぜん賢者の石じゃないです〜。
 あーもうタッカーには、そろそろ引導を渡してください >> スタッフ。

 2004.09.04 
 第47話「ホムンクルス封印」
「無駄だよ。何度でも、生き返る」
「赤い石の数だけ、ね。だから、それが尽きるまで、何度でも、殺してあげる」
 …どちらの石が尽きるまで? とか言ってみたりして…そうしたら。
「望み通りじゃないか。人間になって死にたかったんだろ?」
 とラースが言ってしまった罠。
 ラストさま、退場? え〜〜〜?

「人間になれば、死ぬだけか。じゃあ、完全な人間、って、何だ?」
「答えられないのか? 人間の癖に」
 ショウちゃんに訊いてもダメでしょ〜、もう人間止めてるし。てゆ〜か、なんでタッカーは生き延びますカ〜ヽ(`Д´)ノ。

「あの夜。あの夜わたしは、あなたを見た。エド…」
 [失敗お母さん]の回想。
「お食べなさい」
 がつがつ。
「あの人の子どもだもの。こうなることは判っていたわ」
 非道〜。でも、原作コミック版ではピナコさんが「埋めた」と言ってますけど、アニメ版では、どうでしたっけ? ダンテの偽装?
「あれは、何? 子供がいた…ふたり。それに夫も。しあわせで、でも、とても、哀しい…」
「人間になれば判る」
「その手伝いをしてあげる。賢者の石を見つけるのよ」
「スロウス。あなたは今日からスロウスよ」
 命名の基準というか手掛りは何でしょう。アニメ版ではダンテが適当に選んだだけ? みたいな気も。
 そして、このスロウスの独白を、ダンテはどんな気持ちで聞いたのでしょう…。

「記憶ならあるわ。ラストが言っていた通り、あなたたちの中にあった、母親への思いがそのまま焼きついただけかもしれないけど」
「記憶がある。あなたたちの母親としての記憶。なのに、母親は死んでいる」
「わたしは、人間じゃない」
「わたしは誰」
「わたしは、あなたたちを殺す。そうすれば、母親じゃないと証明できるわね」
「あなたたちがいなくなってくれなきゃ、わたしはこの記憶に苦しめられる。母親ではないのに、母親だと。あなたたちを愛してしまいそうになる。わたしを作った、憎いはずのあなたたちを!」
 魂の慟哭…魂がない、と言ったのは誰でしょう。そしてラストやスロウスの行動が、なるほど、と納得できて。

「これは、俺たちの罪の形だ!」
 …強いですね、エドワード・エルリック。その強さは、これまでの懊悩の深さ故、でしょうか。

「ママ、ぼくママと一つになる」
「そいつは、俺が持ってきた母さんの一部を身体に取り込んだ。そんなに近くにあっちゃ、動けないだろ」
 まぁ取り込みシーンでオチは見えた訳で。

「お前の構成物質の全てを、別の物質に再構築する」
「不可能だよ兄さん、人体は錬成できない」
「グリードとの戦いで、気付いた。俺はあいつの構成元素を組み換えた。キンブリーがやっていたように一部の元素を組み換えるんじゃない、全体を組み換えることもできる。なぜならホムンクルスは、人間ではないから!」
「お前の水分を全てエタノールに再構築した。常温で、気化する…」

 言われてみれば確かに、病気の手当ても内臓疾患の修復も腕や足の補填も錬金術では出来ない世界で、グリードの肉体である「最強の盾」に対して錬成を行って、特に何の反作用もなかったですね。
 個人的には別の解釈として…
 「最強の盾」は素材こそ肉体から得ているものの、「盾」化したものは「鎧」であって肉体とは「別のもの」なので「錬金術の禁忌」には抵触しない、と言えないこともない?
 とか思い付きますけど、まぁ、アニメ版ではエドの解釈が「正解」になるのでしょう。
 でも、う〜ん、エタノールの件はわたし的には嘘臭い感じの方が優ってしまった、みたいな(;´Д`) というか、全身の水分をエタノール化しても、弱体化(封印?)させる錬成陣がない場所なので、スロウスを滅ぼすことはできないのでは? と思えるのですが、はたして。

 凄惨な戦いを見つめる、ウィンリィ…って、その微笑みは、何何何〜??? 邪悪さは見て取れない、安心というか得心というか、な感じの笑みですが、このシーンでそんな微笑みをされても困惑するばかりですよ〜。
 この場所はセントラルのはずだし…まさかダンテかエンヴィー?

 2004.09.11 
 第48話「さようなら」
 マスタング准将はアームストロング少佐と部下たちに叛乱(のふり)をさせ、自身はホークアイ中尉と二人でセントラルに戻り(残り?)大総統の屋敷に…目的は、本当に敵討ち?

 前回の最後で姿を見せたウィンリィは、案の定エンヴィーの変身した姿で。アルの隙を突いて捕まえると、退散。
 スロウスを失ったラースも、どこへともなく走り去り…どこへ?

「魂は、戻らなかったのか」
 ショウちゃんは、何故か急に痴呆状態に。スロウスの責め苦が引き金に?
「魂のない人形。あれがあの人の罪の形です。それを抱いて生きていくんです。それでいい…」
「大人になったな」
「大人? 国家錬金術師になるって決めた時、とっくに大人になったんだと思ってました」
 そして、イズミ師匠とエドも大総統を目標に。

 砂礫の偽エルリック兄弟が唐突に登場。兄の方がエドの名を騙り、通報されて軍に逮捕。
 オールスター(;´Д`)キャスト?

「黙っていてもらえるかな」
「ええ。何か大切なお仕事なんですね」
 うるうる。
「極秘任務です。絶対に口外しないように」
 ちゃかっ。
「何を怒ってるんだ」
「別に怒ってなどいません」
 深く嘆息…自業自得〜。
「ハボックたちは、上手く動いてくれたようだな」
「ええ」
 うなじ〜。

 牢に入れられた偽エルリック兄弟の処刑を耳にしたロス少尉他一名が彼らの元に…てっきりエンヴィー大活躍、とか思ったら本物(爆)。
 そこに大総統を目指してイズミ師匠とエドが襲撃を掛けてきて、4人と2人は合流。
 偽エルリック兄弟の「セントラル時代のことが書いてある、父さんの日記の一部」の内容は、何処かの「道筋」みたいですけど?
 ところがそこになんと、メカ・アーチャーが(核爆)。いったい、どこのマッドアルケミストかオートメイル技師の発案・処置なのですカ〜ヽ(`Д´)ノ。

 メカ・アーチャー.vs.イズミ師匠の戦いは描かれず、残念。
 軍の建物から脱出したエドは、マスタング准将&ホークアイ中尉と合流し。
「お互い、子供のように自分の思いに忠実に生きようとしているんだ」
 子供のように。
「いつだってあるさ。自分よりも、夢よりも、大事なことは…」
 大人のように。
 そして
「さらばだ」
「さよなら」
 今生の別れの如く。

「西暦1916年9月2日、14機の悪魔がロンドン上空を覆う」
 はい???

 2004.09.18 
 第49話「扉の向こうへ」
 良き指導者、良き夫、良き父親を演じる(?)キング・ブラッドレイ/プライド。
 その虚構の暴露は正しい、のでしょうが、それで生まれる怒りや哀しみは、何かで贖えるのでしょうか。

「何千何万という命がおまえの中にあるんだ。有効に使わないと、な」
「僕は、死ぬはずだった。あの時も、あの時も、あの時も。それでも、なんで生きてる…兄さん、父さん」
 因と果。作用と反作用。
 偶然と運命。分岐と選択。現在と未来。
 物と人。法則と意志。
 …全てを何かで説明しようとするから、詭弁になるんですよね〜。

 アルのことを心配する偽エルリック兄弟の弟に、
「大丈夫。あいつはちょっと迷子になってるだけだ」
と。

 砂礫の偽エルリック兄弟の父親が残した日記には、セントラルの地下にある[敵の本拠地]のことが。
 それは四百年前、一夜の内に忽然と消えたはずの都市。今は無人となったそこは、リオールの惨劇と同じことが行われたところ。
 上下水道とか運河とか、セントラルの都市計画担当や工事関係者とかは、この地下都市を掘り当てたりしなかったんでしょうか。そういう運の悪い人は、ホムンクルスが始末したのか、第5研究所に連れ込んだのか。

 高笑いのメカ・アーチャー。
「なんという力だ。エドワード・エルリックがオートメイルを着けているのも当然だな、これは楽しい」
 左半身が頭部から足元までメカ化? 脳味噌も精神もメカ化されました? あ〜も〜乾いた笑いしか。

 イズミ師匠がメカ・アーチャーが率いる部隊に追い詰められた時、ロス少尉他一名が賛同者(?)を連れてきて、状況は軍内部の抗争に発展?
「みんな、信じてくれたのか、あの子たちを」
「子供を信じて守ってやる。それが大人の仕事だ。ある人にそう言われました」
 ホーエンハイム、なんでしょうね〜、光の女ったらし。

 地下廃都市の中の、屋敷だか劇場だかから音が聞こえ。そこの大広間で踊るロゼ。

 デンは、もっと賢い犬だと思いますっっ! まったくも〜。
「痛みを伴う教訓、か。でもそんな教訓を与えることが出来るのは、神さまだけよ」
 この世界の人は、と言うかシェスカさんとか軍の人とかセントラルの人とか、どんな宗教を信奉してるのでしょう。この言い方からはキリスト教的な感じを受けますけど。

 エドはロゼと踊り(驚)。逆らうとヤバイと思った?(;´Д`) 質問しようと追うエドをリードするロゼの動きが、二人を踊ってる感じに見せる、みたいな作画にして欲しかったです〜。

 赤ん坊を抱いたライラ。エドは正体を喝破し、二人は戦いに。
「等価交換なんて無いわ」
「ばかな」
「何かを得るためには代価が必要。だったら逆に、代価を払えば必ず何かが得られるの?」
「そうさ。だから人はその代価を払うために努力する」
「でも変ね。だって、同じ代価を払っても、同じものが得られるとは限らないわ」
(中略)
「詭弁はやめろ!」
「等価交換というのは、弱者が自分を慰める言い訳なのよ。代価を支払えば、自分はもっと幸せになれるはずなのに」
「この子は言い訳する必要なんてない!」
「やっぱり親子ね」
 赤ん坊の腹部に錬成陣が浮かび、エドの前に[門]が。
 そして。
 エドは「ツェッペリンに爆撃を受ける都市」に居る、五体満足な、成長した自分の中に。
「おまえ、私の息子のエドワードか」
 そこには、ダンテに「魂と肉体と精神の結合を解」かれたはずの、光のホーエンハイムが。
 平行世界???

 2004.09.25 
 第50話「死」
「空を、あんなに自在に飛ぶ機械が」
「この世界では、錬金術の代わりに機械技術が発達したらしい。そのため、我々には理解できない機械もある」
…オートメイルも自動車も鉄道も無線も電話も銃も戦車も造れるだけの機械技術があるのに。ウィンリィが聞いたら怒りますよ、きっと。

 天空への憧れが無い世界。キリスト教があったくらいですから、イカルスの飛翔の話も、翼を持つ天使や悪魔の話も、いろいろとあるでしょうに。大地(重力)に魂を引かれたとか?(;´Д`)…番組が違いますねそうですね。

「この世界?」
「気が付かなかったのか? ここは、門の…向こう側だ」
…個人的には、地下から浮かび上がって重なるイメージだったら、と。

「中佐、増援です」
「俺が行きますよ。いまさら大佐のふりもないでしょう」
 戦車に機関銃。いまいち蟷螂の斧な感じが不安感を増しますが、大丈夫でしょうか。もう人死には要らないです。

「私の命は君に委ねられた。しっかり守ってくれたまえ」
「はい、大総統閣下」
…金庫の中身はプライドの弱点?
 そして。

「大総統閣下、ただいま、参ります」
 大暴れメカ・アーチャー。頑張れ負けるなメカ・アーチャー、プライドとマスタングの戦いの趨勢を左右するのは、義理の息子セリムと君の動き如何、みたいだぞ(苦笑)。
 それとも、それはイズミ師匠やロス少尉たち反乱軍の役割?

「この世界には死が満ちている。この世界では大量に命を奪うガスも使われた。未来では、もっと効率よく人が死ぬ。おまえも見ただろう」
「その過去から未来に至る全ての命が、錬金術の源となる」
(略)
「この世界で死んでゆく命が門を抜けて、俺たちの錬金術のエネルギーになる、と」
「我々は、ここに小さな門を持っている。錬金術師はこの門を開けて、そこからこの世界に繋がり、命を搾取して力にしている」

…鋼の世界は中有な世界? では、鋼の世界で死んだ命は?
 一方の世界に死が満ちて、門を通して繋がる他方の世界に命が流れ、力として使われる。その「繋がり」は何故生まれたのでしょう? 「繋がり」の意味/意義/意図は、何でしょう。

「喰っちゃえよ。おまえの中で完全な石にしちまうんだ」
(略)
「気を付けて。今のこの子には食欲しかないわ。もともと赤い石の製造用に作ったホムンクルスよ。精神なんて必要ない」
…グラトニーはダンテが限定的な目的のために作ったホムンクルス? ホムンクルスは人体錬成の反動で生まれる、という設定とは合わないような気がしますが。
 喰って体内で石にして…取り出すのは、どうやって? …え〜と(;´Д`)まさか(;´Д`)●●●?(;´Д`)

「ダンテは、私が門の中で魂と精神と肉体を分離させられ、彷徨っていると思っているだろう。だが私は、あの門を抜けることが出来た」
「この身体は…」
「この世界は、錬金術が発達しなかった点は違うが、我々の世界とほとんどそっくりだ。だから、おまえそっくりの子供もいた。たぶんどこかに、アルそっくりの子供もいるだろう」
「それで、この子のそばに住んでいたのか」
…平行世界(量子力学の多世界解釈)、みたいな。では、極めて似ているはずの二つの世界が、ここまで違ってしまった原因は? 鋼の世界に、いつ錬金術/錬金術師が現われたか、でしょうか。

「私はここで、この身体で死んでゆく。トリシャが愛してくれたこの顔かたちで。私は、等価交換が真実でないと知りほっとしている。何かを得るために必ず代価が必要だとは限らない。親が子供を愛するとき、そこに代価も報酬も有り得ない」
「俺はそれでも、頑張ったらそれだけ何かが得られる、努力したら誰でも公平に報われる、代価を払えば平等に幸せを掴める、そんな等価交換を信じたい」
「現実は」
「現実はそうじゃない、だから子供の理屈だと言うなら、俺は子供でいい。代価を払っても報われないことがあるなんて、思いたくない」
…それぞれの世界観の違い、と言うか、ぶっちゃけ「好み」の違い、みたいな(エドには悪いですけど)。
 丹精した畑からは豊かな実りが得られる…天変地異や畑への破壊的行為(戦争とか略奪とか)がなければ。エドは、台風や地震に対しても理不尽だと怒るのでしょうか…天変地異は理不尽、と言うか人の力の及ばない世界の変転の現われで、好天や慈雨と表裏一体で、世界に善悪は無く、それを口にするのは人であり、だから人のワザではない事物に、人の意を説くことは出来ないので(支離滅裂 ^^;;;)。

 ホークアイ中尉は謎の行動を。そして、密閉した地下のワインセラー(?)で、マスタングとプライドが対峙する。
「戦争によって絶望的にさせられた人は、賢者の石を求める」
「人は愚かだ」
「その愚かな人間に、賢者の石を造らせるのか」
「そして我々は、おまえたちが賢者の石で破滅しないよう、それを取り上げ救ってやっている。謂わば我等は神の使徒だ」
「神などいない!」
「そうかもしれん。だが、悪魔ならいる。おまえたち錬金術師だ」
 これがプライドの行動原理?
 プライドはマスタングの計略を見破り密閉を崩し(?)。マスタング、絶体絶命。

「いけない子ね。いま賢者の石は最大に活性化されている。なのにこんなところで錬金術を使ったら、錬成が始まってしまうじゃないの。まだ使えると思って生かしておいたのに」
「門が…門が、消えてない!」
…ダンテは、とても自在に門を制御してる、みたいな。四百年間の試行錯誤の成果?
 暴れ出したラースを懲らしめるため、ダンテは門を開き。門はラースの右腕と左足を奪い。
 それと入れ代わるように、エドが門から帰還し。

「戻ってる。そうか、あっちの俺が死んだんだ。また俺は向こう側の命を使ったのか」
 そして始まるエンヴィー独演会(おいおい)。
(略)
「いちばん殴り易い顔だ」
…嬉しそうに一発(笑)。

「本当の顔を見せろ。人の姿を借りて、心に付け込むだけが、おまえに出来ることか」

「エンヴィーは、ホーエンハイムが若いときに造った初めてのホムンクルスよ。あのとき、私との間に出来た子供が水銀中毒で死んで、あの人はなんとか甦らせようとして、失敗したわ」
「そして奴は僕を捨てた。判るだろう、僕が奴を嫌いな訳が」
 そう言ったエンヴィーの右手がエドの身体を貫き…エドの瞳孔が開き。

 あと一回で終幕? 一時間スペシャルでも終わりそうに思えないんですケド〜。

 エド&アルの外見は、『鋼の錬金術師』という作品(商品)の体裁として変更は不可能に近い要素である、と思ってたりしますが、さて(歪んだ興味だ、とは思いますけど ^^;)。

 2004.10.02 
 第51話
 祝・受肉(違)、アルフォンス・エルリック。や〜、そういうことにはならない(しない)んじゃないかな〜、と思ってました、すいません。
 で、ゆくゆくは姉さん女房ですカ〜?(^^;

 世界は、巨悪が消えたからといって、それだけで全てが変わる訳でもなく。現在は過去の積み重ねで出来ていて。それでも、
「ちょっとずつ良くなっていると信じたいです」
と。

 メカ・アーチャー…なんだったんでしょうね〜、アレ(;´Д`)。

 プライドはセリムの愛によって滅び(…なにも死なせなくても、と、セリムくんの扱いに関しては不満だったり)。
 エンヴィーは門の狭間に消え、ダンテはグラトニーと相討ちになり?
 ダンテ一味の末路は、呆気ないというか味気ないというか、世界を私していた魔人の終焉にしては密やかに過ぎたのではないか、とも思えます。結局、ダンテは最初から破綻していて、ホーエンハイムが錬成した賢者の石を消費し世界に害毒を撒き散らしながら腐っていったのだなぁ、と。

 再生されたアルフォンス・エルリックの身体は、もしかして、五体満足なエドワード・エルリックのもの、だったりしたりして、とか思ったり。「門の向こう側の世界」には、飛行船の残骸に押しつぶされた(?)エドの肉体があったりしたりしますし。

 ラース……。
 ホムンクルスが、活動に伴って赤い石を消費するのであれば、体内の赤い石が尽きる時がホムンクルスの寿命になりそうに思えますけど。

 ミュンヘン1921。英国から独逸へ。魔術(伝承?)に道を求めるホーエンハイムと、機械技術で宇宙に行ってみようと動きだすエドワード・エルリック。
「あいつ(アインシュタイン)は胡散臭い(…相対論が?)」
 う〜ん(苦笑)。ま、まあ、お頑張りください、としか。

 門を通じて繋がる、二つの世界。
 「錬金術の世界」は、「門の向こう側の世界」で死を迎えた命を、門を通じて取り込み錬成の力として。
 そして、「錬金術の世界」で門に入ると、肉体ごと「門の向こう側の世界」に移動できて(ホーエンハイムとエド)。
 二つの世界は、一方通行ではなくて、そんな感じで繋がっているのかもしれない、と思えます…いびつ、と言うかアンバランスな入出力ですけど。そこはまあ、
「全てが完全という訳にはいかんさ。世界は不完全なものなのだからな」
と。

 で。あの赤い水は一体何だったのでしょうか、ホーエンハイムどの。と訊いてみたい罠。

 なにはともあれ、世界は違っても、兄弟が二人とも健在で終わって良かったです。
 あと、ロゼも生き延びて幸せになりそうで、一安心。
 シェスカさんも無事で何より。
 ホークアイ中尉は、とうとうマスタング准将の餌食にな ;y=−(oдo)∵・ターン

 結論:ホーエンハイムが元凶だ! と言うことで Final Answer ヽ(`Д´)ノ。