特撮・ウルトラマンネクサス ...last update 2005.06.25  [上]に戻る

TV『ウルトラマンネクサス』CBC/TBS系
  鑑賞:2004/10/02〜2005/06/25(全37話)

2004.11.14 記
 「第1話」〜「第7話」までの感想。

 怪獣による被害が各地で起こり始めた近未来。怪獣に関わる全てを秘密裏に処理しようとする、全地球的な組織・TLT(地球解放機構)。TLT日本支部の特殊任務隊ナイトレイダーの一員に選ばれた孤門一輝は、過酷な任務の中で、怪獣と戦う銀色の巨人を目にして、呟く。
「ウルトラマン」

 怪獣の存在そのものを、被害者の死因を誤魔化し目撃者の記憶を操作してまで、完全に一般社会から秘匿しなければならない理由とは? [敵]に対して攻勢であればまだしも、ナイトレイダーの行動を見る限りTLTは防衛的な感じで。一般社会に侵攻して暴れる怪獣を、当の一般社会に知られないように処理することは不可能だと思うのですが。あるいは、ナイトレイダーとは別に、[敵]に攻め込む部門もあったりするのでしょうか。
 TLTの、ナイトレイダーの上位に在って指揮権を持つイラストレーターの正体は? 怪獣やウルトラマンについて、かなりの情報を持っているようですが。
 ナイトレイダー副隊長・西条凪の、怪獣に示す憎しみには幼少時の事件が影響している様ですが、その全容は?
 孤独なウルトラマン・姫屋准の前に現れた、鬼のような[角]を持つ敵対的なウルトラマンの意味は?

 演出/演技/展開の間が、生硬というか歯痒いというか。特にナイトレイダーたちの行動は、時として愚かというか間抜けにすら思えるというか。
 じっくりと語るのであれば、語り口や展開は隙なく濃厚かつ緻密であって欲しいです。


2004.12.14 記
 特撮『ウルトラマンネクサス』CBC/TBS系 の主人公(?)弧門一輝。その名前の弧門って、もしかするとcommon?
 それにしても、「第11話」は衝撃でした。
 この回を見て…
 TLTが弧門一輝をNR隊員として採用したのは、恋人・斎木リコに近しい人物だったから? だから、弧門一輝へのTLT/NRの対応が異様(組織の活動内容について説明不足に過ぎる点とか)だったのかも
 …と思ったのですが、MPの斎木リコへの対応を見る限り、そんな感じではないので、がっかりしてます。


2004.12.25 記
 「第13話」の感想。

 イラストレーター…未来を「見たように描く」が故の呼称、でしょうか。

 溝呂木が弧門に拘っているのは、偶然とか個人的な興味とか以外の理由があるのでしょうか。
 斎木リコに「言わせた」と思われる「全部、あなたのせいよ」という言葉が、弧門いじめのためのハッタリではない、としたら。
 ……単に、たまたま溝呂木が、弧門の「人を救いたい」という想いを感知して、それに反感を覚えたので、とかだったりしたら、超がっかり、なので。


2005.01.09 記
 「第14話」の感想。

 溝呂木が、だんだんと小物化して来て残念、みたいな(爆)。

 姫屋の孤立を揶揄するのは、溝呂木自身も単独行動してるのですから、完全な墓穴のような。自分の気持ちに素直なだけ、という意味では、進む方向が逆というか衝突コースではあるものの、そのことも含めて、同じではないかと。
 全てを操っている気の溝呂木ですが、そういう態度を取るほどに、何かの手先でしかないように思えてなりません。「メフィスト」という力は、そのための賄賂/毒/麻薬、みたいな。

 一方、溝呂木が何故か執拗なイジメの対象にしている弧門は、TLT/NR全体の責任問題とはいえ、守るべきものであるはずの少女を傷つけてしまい、その非情な展開に私は驚嘆を禁じ得ません。てっきり砲撃直前に止まるか、ウルトラマンが庇うかすると思っていたのですが。

 溝呂木と副隊長・凪、副隊長・凪と弧門の2ショットを見ていて、何故か「傷を舐め合う道化芝居」という言葉(違 --;)を贈りたい、と思いました。

 あの兄と妹は、今回だけで終わらせずに、この後も弧門と絡めて欲しいと思います。
 そしてウルトラマンの、消える直前の握り拳の意味は、少女を守れなかった自分への怒りであって欲しい、と願ってます。


2005.02.05 記
 「第18話」の感想。

 NR隊の人選基準はいったい…ヽ(`Д´)ノ。イラストレーター氏は、どこまで予想・想定していた/いるのか…溝呂木真也のダークメフィスト化、西条凪の過去、弧門一輝の顛末、姫屋准の行動、等々。
 以下は、現時点での私的な解釈ですが…
 超存在(ウルトラマン)が何体か(2体?)、地球世界に[接触]。地球人類の一部(含イラストレーター氏)がその[接触]を察知し、対応。
 超存在は、人類レベルの善悪を知らず/理解できず、しかし人類に興味を持って[干渉行動]を起こす。その[干渉行動]が、一方では[悪]、もう一方では[善]として表現されるものになっている。
 …とか?(;´Д`)、ふと想像(妄想)したりしてます〜。


2005.02.26 記
 「第21話」の感想。

 姫屋准が〜!?
 すごいや、さすがはTLTだ、容赦なしだゼ(棒読み)。
 管理官の性急に過ぎる言動が、これまでの穏健派っぽい印象と違っていて、ちょっと驚かされました。[超人の秘密]を得ることに、ここまで貪欲とは思わなかったので…でも「ああ、そういう(指向/欲望/弱点を持った)人物だったのか」と胸落ちした印象もあったりしますが。
 早くイラストレーターの、そういうところが見てみたいです…悪趣味でしょうか(;´Д`)。


2005.03.05 記
 「第22話」の感想。

 民間のUFO研究家たち…な、なんだってぇ!? あなたたち、実はウルトラマンに興味を持って来訪・潜伏しているETI(地球外知的生命体)だったりしませんカ〜?ヽ(`Д´)ノ


2005.03.19 記
 「第24話」の感想。

「光は、絆だ。誰かへ受け継がれ、再び輝く」

 柴田昌弘『クラダルマ』少年画報社あたりを連想したのは、ひ・み・つ(核爆)。

 マジメな向きでは、星の生々流転を…でも、恒星の輝きの源は重力で、その果てに待つのは究極の闇・ブラックホールですけど(超新星爆)。まあ、BHになっても、それが終焉という訳ではないのでOKでしょうか。

「(前略)奴に同化していた光は、この終焉の地に解き放たれる。俺はその光を奪い、無敵の超人となり、世界を思うままに動かしてやる。より高き者。より強き者。より完璧なる者として!」
「希望…笑わせるな。俺は無敵だ! 断じて負けはしない!」
 溝呂木の目標が「光」の獲得だったのは、溝呂木に宿る「闇」の意志だったのでしょうか、それとも、溝呂木自身の望みだったのでしょうか。
 そして、光と闇は相殺?
 締めは、闇に沈んだ世界に光が戻る光景を見せて欲しかったな、と思いました。
 でも、「光」が新たな者に継承されるなら「闇」もまた…。


2005.03.26 記
 「第25話」の感想。

「ようこそ、ザ・サード。君が三番目だ」
 総集編風味・整理整頓・仕切り直し編、な感じで。
 映画との関連が、非常に直截に語られたのに驚きました。「三番目」と言うのは、一番目:映画のネクスト、二番目:姫屋准、に続く三番目、と。
 TV版と映画版とがつながっている、という情報を知らなかったので、上記のイラストレーターの台詞を聞いた時には「溝呂木眞也、姫屋准、の次で三番目? …斎田リコは無視? 別物?」とか思ってしまいました。
 私は映画は未見です。
 公式HP(http://www.ultraman-movie.com/)の予告編などを見る限り、映画では日中、青空の首都上空で巨人と怪獣が高速機動戦を展開した様です。そんな大事件が近い過去に起こった世界で、TLTが、NRはともかくMPを擁する完全非公開組織として存在し、徹底的な情報隠蔽操作を行うような状況になり得るのでしょうか。
 それとも、映画の展開とは別の[過去/歴史]があってのネクサス世界なのでしょうか。


2005.04.02 記
 「第26話」の感想。

 新たなデュナミスト(適能者)・千樹憐。「出生に秘密」…人当たりの良い乾巧?(;´Д`) 超能力風の[力]を見せますが、それは純粋に人類種に由来するものなのでしょうか、それとも…。
 そして意表を突かれた登場人物、MP・野々宮瑞生。第二の斎田リコにはしないで欲しいです。立場的には第二の佐久田恵? それとも第二の孤門一輝…「ザ・サード」の退場後には、弧門と野々宮が「傷をなめ合う道化芝居」を?(核爆)


2005.04.16 記
 「第27話」の感想。

「ひさしぶりじゃん、優」
 [PROMETHEUS PROJECT]の要員(?)リストを見つめるイラストレーター・吉良沢優の背後に、イラストレーターと似た出現の仕方で姿を見せた千樹憐…説曹操、曹操就到? 意識を向けることで繋がった、とか。
 [group P.P.]…人類に、新たな[火]を[与える]計画? [持つもの]が[持たざるもの]に[力]を与える、感じで。

 それにしても、TLT関係者は誰も彼も…MP関係者を除いて (^^;…[オレ規範]が最優先ですか。

 さて、野々宮瑞生…みずきち、と呼びたくなりますた(爆)。MP実働員にしては初々しすぎるのはいただけませんが、NR隊員も似たようなものですから、この物語世界では無問題なのでしょう(;´Д`)。
 あと、どうにも迂闊すぎるとしか >> 孤門一輝。TLT/NRのネットワーク/データベースにアクセスして、直截にあんな項目について検索したら、一発で[要注意アクセス者]としてマークされると思います。いつ端末を見つめる孤門の背後にMPの人か管理官が現れるか、と期待したんですけど(苦笑)。まして、他のNR隊員が近くにいる状況で、イラストレーターに面と向かって口に出す内容でしょうか。


2005.04.23 記
 「第28話」の感想。

「良い友人になれたようですね」
 野々宮瑞生…[みずき]じゃなくて[みずお]でしたので、みずおっち、と(;´Д`)。
 group P.P.は、TLTの下部組織の計画。管理官も関係者? …かつて、姫屋准の[力]の解明に執着を見せた管理官は、千樹憐がデュナミストだと知った時、どう動くのでしょう。
 千樹憐は人工的に組み上げられた遺伝子をもって生み出された者。イラストレーターも?
 一から十まで完全に遺伝子を人工生成可能であれば、それは不老不死さえも可能にする技術のような。なので、特定の能力…運動能力、論理的思考能力など…の向上を目指し、普通の精子や卵子の遺伝子の一部を人工遺伝子に置換・加工したもの、ではないかと思います。まぁ、もっと胡散臭い[超能力の付与]的な秘密実験なのかもしれませんが。


2005.04.30 記
 「第29話」の感想。

 小リコ&溝呂木、再登場。
 少女の記憶は、TLT/MPの意図とは、ネガとポジの如く反転していて。
 男の記憶は、戦いの後遺症か、自身のことすらも判らないほどに失われていて(閉ざされていて?)。
 少女は虚空に異界の声を聞き異形の影を見、超人の戦いを知ることで(?)自らの記憶を取り戻し。
 男は白服たちに捕縛され、閉塞する状況に懊悩し。

 記憶。過去。思い出。
 MPが消した、佐久田恵や根来や小リコ等々の、記憶。
 弧門一輝や西条凪の、過去。
 姫屋准や斎田リコの、思い出。
 管理官の。イラストレーターの。千樹憐の。

 少女の見せた[力]は、千樹憐やイラストレーターのそれと、根っこの方で関連したものなのでしょうか?
 そして小リコは退場?
 一方の溝呂木は、はたして復活するのでしょうか、それとも回心したりするのでしょうか。

 今回のビーストは、霧状のものを周囲に充満させることで、TLTやウルトラマンに感知されることなく行動する能力を持っていました。が、その能力はあまり活かされることなく、不用意に姿を見せて感知され、アンノウンハンドの助力もなくウルトラマンによって倒されてしまいました。どうも、今回は[霧]の効能を確認するための実験=棄て駒? とか思えてしまうほどです。


2005.05.07 記
 「第30話」の感想。

「彼らが何を思い、何に迷っても、ビーストは現れる。彼らは、戦わねばなりません。決してお互いを、裏切ることはありません」
 千樹憐を監視する謎の存在がクローズアップ。group P.P.関係、なんでしょうけど…来訪者?
 TLT内部の歪みも噴出寸前…なにげに石堀隊員と平木隊員がキーパーソンに? 副隊長は不在ですか?
 みずおっちが、かなりの白兵戦闘能力を持っていることに驚き。逆に弧門一輝の一般人並みな不注意ぶりに苦笑。
 …NR隊員は対ビースト戦が主体なので体術以上に射撃や操縦技術が優先。それに対して、MPは対人戦がメインだから体術に秀でている、とか?
「おまえ、鳥ばっか見てんだな」
 …なんとなく、『トーマの心臓』?(;´Д`)
 group P.P.とアンノウンハンドの二つの流れが、今後、どんなふうに繋がってゆくのか、が気になります。


2005.05.14 記
 「第31話」の感想。

 ビーストとの戦いの、物語との関連性の薄さが不満です。千樹憐の秘密を巡る物語とビーストの出現〜対処の展開とに何の関連性も見出せず、二つの流れが互いを邪魔している印象を覚えてしまいます。


2005.05.21 記
 「第32話」の感想。

「おまえは、人形。ただの、道具だ」
 あ〜、普通に「弱さにつけこまれた人間」だった、のが残念です >> 溝呂木。再登場後の印象が良かっただけに、逆に、副隊長が心酔するだけの「強さ」を見せて欲しかった、と。
 間に合わせの傀儡・MPの男(三沢某)の登場時の台詞は、今回だけで使い棄てられる役には合わない気が。そして千樹憐も、「ウルトラマンであること」だけでの登場で、物語に対しては無関係に近い第三者でしかなく。これなら、もっと前の方の話数で、それこそジュネッスブルー登場編的な扱いにした方が良かったのでは、と思えたり。
 あと、ダークメフィスト.vs.ダークメフィストは、私としては、溝呂木の方をダークファウストにして欲しかったかも、と感じました。


2005.05.28 記
 「第33話」の感想。

 [忘却 −A.D.2004−]

 TLT北米本部から来た査察官・水原沙羅、海本隼人…映画『ULTRAMAN』に登場?

「5年前の新宿大災害…新宿に巨大隕石が落ち、670人の死者を出した事件」
 松永管理官の妻も死者の一人…娘への態度や妻への思いを窺わせる表情など、姫屋准への苛烈な行為をした人と同一人物とは思えないほどです。私としては、この人の去就が、終盤に向けて一番の興味かも知れません。

 隕石落下…「巨大」な場合はカリブ海が出来るほどの天災になります。新宿大災害の場合、数キロ程度の地表が壊滅状態になった、感じですが、日中の新宿で死者が千人未満と言うのと合わせて、矛盾感バリバリで、ちょっと残念(−−;。無理矢理(^^;好意的に考えると、人間大〜自動車程度の複数(多数)の隕石が都心を直撃した、という言い訳にすればなんとかなるかも、と。

「その子は17、8歳のある日、細胞のアポトーシスが突然全身で起こり、その進行は止まらない」
「特効薬・ラファエルの開発を中止させたのが、査察官」
 [ラファエルはまだか]…なんで、あんなものに、こんなメッセージがあったのか。あの仮面の監視者はプロメテの子の一人?

 ところで、いつの間に、NR隊員たちの間で、group P.P.の事が周知の事実になったのでしょうね(;´Д`)。

 TLTJ管理官・松永要一郎の娘・松永葉月…野々宮瑞生に気付かれることなく千樹憐を観察していた娘。諜報活動能力は、登場人物中でも一、二を争うのでは?(;´Д`)。

「これじゃストーカーじゃない…何やってるんだろう私」
 千樹憐の監視任務自体、ストーキングだと思います(−−;。まあ、私的感情からの行動なので、マジメなみずおっちには自分が不快/不可解なんでしょう、と考えます。

「レーテ…来訪者によって作られた、忘却の海」
「今から20年前、アメリカの砂漠地帯に謎の発光体が墜落した。駆けつけた軍は、数体の不定形生命体を捕獲した。それが、来訪者。そして、彼らを捕獲したアメリカ政府は知った…来訪者は、超新星爆発によって、故郷の星を失い、光量子情報体となって、地球に飛来した宇宙の難民だということを。来訪者は膨大な知識と情報をもたらした。そして来訪者は、それらのオーバーテクノロジーの使用に対して条件を付けた…ただ一つの目的のためにだけ使うこと、と。すなわち、来るべきスペースビーストによる、終焉を防ぐこと。終焉とは、地球の滅亡」
「5年前の新宿大災害は虚構…5年前、新宿でウルトラマンとビーストの最初の戦いがあった」
「記憶消去の必要性…ビーストの記憶が、さらなるビーストの災いを招いてしまう。だから来訪者たちは、身を挺して、世界中の記憶を封印した。それが忘却の海・レーテ」
 幾つかの謎が明かされ、それは次の謎を生み…たとえば、来訪者とビーストの関係(因果)は? とか。

「ビースト…奴らは恐怖を求め、それを捕食する生命体」
 根源的破滅招来体?(核爆)


2005.06.04 記
 「第34話」の感想。

 [封鎖 −A.D.2009−]

「言いたいことは判る。だが今この瞬間にも人々が倒れてゆく。自分が今何をなすべきか考えろ」
 NR隊員、[地球・人類の守護者]にしては、モチベーション低過ぎないですか? と感じてしまいました。
 そして、隊長の隊長たる資質と[中間管理職の苦衷]。隊長自身、偶然にせよ隊員たちとほぼ同時に真相を知ったばかりなのに、ちゃんと自分の責務を自覚しているのが頼もしいです。

 世界中の人々からウルトラマンとビーストに関わる記憶を封印する光景…あの、空中に浮かんだメカ(?)は、来訪者のもの、ですか。
 記憶消去…溝呂木は、このことに関しては何も言いませんでした。でも、NR隊員たちの反応を考えれば、この秘密はTLTに対して叛旗を翻すに足る理由に思えます。
 制作スタッフは、なぜ溝呂木編で、この設定を使わなかったのか、今更ですが疑問に思えてきました。

 今回のビーストはメタフィールドを生成を阻害し、かつ、高エネルギー武器の使用も制限する位相空間を生み出す能力を持ち(ウルトラマンの光線技も封じている?)。対ウルトラマン用に特化した[ネクサスキラー]と呼ぶべき怪物、ですね。物理的攻撃への耐性が低い感じなのは、付与された能力の反動でしょうか。

「ラファエルは間に合うの?」
「千樹憐の特効薬開発のため、あなたがプロメテの子たちと内通し、彼を監視していたことを」
「来訪者から、より正確な情報を引き出すためのコンタクティーを生み出すべく、クラスAの超能力者であるあなたの遺伝子情報を基に生み出されたプロメテの子。彼らはあなたの、子供のようなもの。なのに、私は特効薬の開発を中止し、ビースト研究を優先させた」
 TLT北米本部から来た査察官・水原沙羅が、その部下・海本隼人に語った言葉。
 つまり、「ラファエルはまだか」という文章は、海本がプロメテの子と交わしていた通信の一部、だったのではないか、と推測できますね。
 特効薬開発が中止された理由は、単に人手が足りなかっただけ?

「弧門の仕事って、人を、この世界を守ることだろう?」
「俺も、そのために使いたいんだ。ウルトラマンの力を」
 野々宮瑞生にも笑顔を向けて欲しかったな、と。それとも、立ち止まったみずおっちの姿を視界に捕らえていたのでしょうか。

「確信できたの」
「かつて、真木舜一が、自分に託された思いに応えて、この世界を守り抜いてくれたように、千樹憐、いまのデュナミストも、あなたをはじめ、多くの人が思いを託している。いかにアンノウンハンドが強大な敵でも、その思いを断ち切ることなど、できはしないわ」
 …アンノウンハンドへの牽制? と考えたくなるような、楽観的に過ぎる言葉に思えました。

「私は決して忘れない。今日のことを」
 見つめる先は、記憶消去処理を受ける娘の姿。松永管理官の葛藤は如何ばかりか。

 炎に包まれた遺跡で荒れ狂うウルトラマン…あれが、アンノウンハンド?

 ところで二度目の戦いの時、弧門一輝は何時どうやってクロムチェスターδに搭乗したのでしょう(;´Д`)。


2005.06.11 記
 「第35話」の感想。

「デュナミストは光の入れ物。単なる光の器にしか過ぎない」
「光を力に変えるのは、人の意志です。デュナミストが自らの意志で、己の命を賭けて戦おうとするからこそ、光は力となる。私はデュナミストが単なる光の器だとは思わない。光を、人類が手に入れるべき兵器だとも思わない」
 …光を、その器から取り出し、人が自由に使える力として確保することを、管理官は望んでいる、と。
 管理官は、光の力を求め、それを得ることにひたむき、それ以外のことを考えられなくなっていた、のでしょうか。あの、光の力への妄執は、人の力への不信の裏返し、なのかなと思ったり。

「弧門、俺はまだ戦える。戦ってれば、死ぬことなんて忘れていられる。俺はまだ戦える」
「死ぬ気で戦うことと、死んでもいいと思って戦うことは、全く違うことよ。生きるために戦いなさい。たとえ明日がなくても」
「生きるために」
 …死と戦え、と。

 メガフラシ&ガルベロス.vs.ウルトラマン&NR…エネルギー充填120%と言うか、文句無しの戦闘シーンでした。
 …やればできるんだったら、もっと早くやりなさい、と言いたいですけどヽ(`Д´)ノ。


2005.06.18 記
 「第36話」の感想。

 反逆したNRへの処分は、上層部が検討中。実質、今回のビーストの脅威の終息が確認されるまでは、現状維持なんでしょう。

「アンノウンハンドの闇の中で、何かが成長しています」
 今回の重合ビーストのこと? それとも?

 野々宮瑞生の、千樹憐への想い。それは千樹憐には重く。

「人の人生は肩代わりできない。家族でも、恋人でも友達でも、どんなに大切な人間であっても。だからこそ、人は心を尽くして、人と、絆を結ぼうとする」
「見ていることしかできないのなら、見ていてやれ、最後まで」

「ビーストとウルトラマンと、それにまつわる記憶…じゃあ、デュナミストのことも忘れる」
「ふざけないでよ! 全部忘れろって言うの? 憐のこと、顔も名前も、憐がこの世にいたってことも、みんな忘れてしまえって言うの? 冗談じゃないわよ! いっしょに居た時間がどんなに大事か、どうして判んないの? どうしてそれが判らないの…」
 …来訪者が忘却の海・レーテを生み出した理由は、ビーストを強大化させないため。
 でも、その企図に沿って施行してきた、人々の記憶の封印は、必要不可欠な絆の記憶すらも消してしまう。それは、人々から強さを奪い去ること、なのでしょう。
 この、野々宮瑞生の心情の吐露を、MP指揮官やTLT管理官は、どう受け止めるのでしょうね。
 それにしても、野々宮瑞生の格闘能力は最強の部類です。きっとMPの訓練には、似たような状況への対処が組み込まれているのでしょうけど。

 次の朝。何かすっきりした表情の千樹憐。
 …思わず「ユウベハオタノシミデシタネ」と言いt(メモレーサー駆動音)

「優、弧門、俺は俺の光を走りきる!」
「憐」
「必ず戻るよ」

 過去の全てのビーストの攻撃能力を備える最強のビースト・イズマエル。
 イラストレーターの分析を裏付けるように、イズマエルの全身には、これまでのビーストの頭部が幾つも備わっていて。
 …凄ノ王かブレイド・キングフォームか、な感じなんですが、日中の市街地でウルトラマンと怪獣が肉弾戦を繰り広げる光景は、普通の[怪獣.vs.ウルトラマン]な印象が。
 ラスボス・アンノウンハンドが別にいる、という状況も、今回の戦いへの期待感/緊迫感を減じさせている要素だったように感じました。

 ビーストの攻撃に苦戦するウルトラマン。次々と撃墜されるNRたち…それを見つめる人々の姿や声が見たかったです。

「光は、人に受け継がれる希望。俺は戦う、俺は生きる。生きて、この光を繋ぐ!」

「ありがとう。さよなら…」
 眠れる王子さまは凛々しいお姫さまのキスで目を覚まし…Vサインって、をいっヽ(`Д´)ノ。
 きっと救急車の中の人は、若い夫婦だな〜とか思ったに違いありません(断言・爆)。

 次回、最終回。四人目のデュナミストは…。


2005.06.25 記
 「第37話」の感想。

 アンノウンハンドの正体…来訪者の地球漂着から2年後(物語の現在から18年前)、来訪者の研究員・山岡一に憑依(?)し、全てを画策したことを、レーテの前でダークザギ=石堀光彦が明かし。
「まさか、全てのデータを、我々の記憶まで改竄していた…」
 18年前の[真実]を思い出し、愕然とする海本隼人。
「別に大したことじゃない。俺には来訪者と同じ力がある」
 そう嘯くダークザギ。
「TLTは、ポテンシャルバリアが保たれている内に、ビーストを発生させない抗体の開発を進めた。そのためにおまえ(イラストレーター・吉良沢優)は、ビーストとの戦いを管理し、調整しようとしてきた。俺のやってきたのも、似たようなことさ」
 そして。
「俺は、凪がウルトラマンの光を手にすることを予知していた。ファウストやメフィストを作ってぶつけたのは、光のパワーを強化させるため。斎田リコや溝呂木を利用したのは、凪、おまえの心に闇を植えつけるため。NRにいるのは、都合が良かったのさ」
 それが、TLT/NRの一員でいた理由。
「全ては、俺が元の姿を取り戻すための、道具だ」
 そう言い、レーテの前に飛び上がったダークザギは、その企ての仕上げの言葉を口にする。
「俺は、18年前のあの夜から、ずっとこの時を待っていた」
 その言葉が、母親の死の[真実]を西条凪に思い出させて。
「ここで変身してはいけない!」
 イラストレーターの制止に耳を貸さず、西条凪は激情のままにウルトラマンへと変身し、ダークザギに向かって拳を揮い…レーテから湧き出した[闇]に捕縛されてしまう。
「レーテに蓄積された恐怖のエネルギーが、おまえの憎しみにシンクロした。結果、光は闇に、変換される…」
 闇と化したウルトラマンの光を含む、レーテが蓄えた恐怖の全てを、ダークザギが収奪する。
「来い。復活の時だ!」
 黒い巨人・ダークザギは復活し、新宿に降り立ち、破壊を始め。同時に、世界を恐怖が席巻して。

 和倉隊長は一人、出動。
「あきらめるな!」
 そして、レーテを覆った闇に飛び込んだ弧門一輝は、西条凪を叱咤し…繋いだ手から光が迸り。

「絆…ネクサス!」
 墜落寸前のクロムチェスターδを、弧門一輝が変身したウルトラマンネクサス・アンファンスが受け止める。
 受け継がれてきた絆の証、姫屋准・ジュネッス、千樹憐・ジュネッスブルー、と、姿を変えて戦うウルトラマンは、人々の記憶の復活と共に、銀色の巨人・ノア(?)の姿になると、ダークザギを宇宙に吹き飛ばし、勝利する。

 それから一年後。
 世界各地ではビーストの出現が続き、NRの活動も続いている。
「僕たちは生きている。たとえ昨日までの平和を失い、恐ろしい現実に直面しても。大切なものをなくし、心引き裂かれても。思いもよらぬ悪意に、立ちすくんだとしても。僕たちは生きる。何度も傷つき、何度も立ち上がり、僕たちは生きる。僕らは、一人じゃないから。君は、一人じゃないから」
 倒れた少年を助け、弧門一輝は言葉をかける。
「あきらめるな!」

[NEXUS それは受け継がれてゆく魂の絆]

 …怒涛と言うよりも駆け足な感じだったのが、とても残念です。

 ある程度の解題は、ダークザギの告白(苦笑)で行われましたが、次の疑問が残りました。
 ***
 来訪者とダークザギとウルトラマン。この三者の関係は?
 5年前の新宿大災害に、ダークザギはどんな形で関係していたのか。
 ダークザギにとって弧門一輝は何だったのか。西条凪の未来を予知したのに、弧門一輝の未来を予知し得なかったのは何故か。
 ***
 20年前に来訪者が地球に来て、ダークザギも続いて(もしかすると、同時?)。
 18年前、ダークザギは復活に向けての第一歩として西条凪の母親を殺害し。
 5年前、地球に到来した闇(ダークザギが召喚?)からザ・ワンが生まれ、それを追って来た(?)ウルトラマンの光がネクストとなり。
 ザ・ワンがネクストに倒されたことでビーストの因子が世界に拡がり。来訪者はレーテを生み出し(?)、記憶を封じて。同時に、光の絆も始まり。
 そして、復活を果たしたダークザギは、受け継がれた絆の光によって倒されて。

 …未来が、予知され得るものだとしても。あきらめなければ希望はあり、運命を自分で選ぶこともできる。
 言葉にすれば、こういうことでしょうか。

 最後の戦いを応援する人々の中に、根来甚蔵や佐久田恵も居た、と思います(私的な脳内補完ですけど --;)。
 ノアへの変身の直前(少年が叫ぶ前のカット)には、遊園地のハリス氏?、胡散臭いUFO研究家たち?、そして、普通のおとーさん風の管理官やメガネっ子優クン(核爆)の姿を、VTRでコマ送りすると確認できたりしますし。

 ノア…どうせなら、A(エース)な感じで、弧門一輝+西条凪で変身して欲しかった、かも(爆)。

 現時点での総括、みたいな。
 終わり良ければ…姫屋准編は好きませんけど。千樹憐編と最終回は、悪くなかった級で。
 ふり返って見ると、姫屋准編は、未来に背を向けている/過去に執着している、重苦しく逼塞した感じが、自分としては嫌だったのかな、と。


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