小川一水 ...last update 2008.03.08
[上]に戻る
『群青神殿』ソノラマ文庫
購入:2002/06/28 読了:2002/07/19
あとがきで挙げられていた作品群に、私が付け加えるなら、ジョン・ウィンダム『海竜めざめる』ハヤカワ文庫SF、宇河弘樹『スタンダードブルー』少年画報社、ルイス・ウォルフ『海底旅行』角川文庫、と言ったところでしょうか。
海の驚異・脅威を描く、深い藍色の物語りたち。
世界は、いつでも未知と不思議に満ちている、と感じさせる、それでも・それ故に、未来に向かって肯定的な姿勢を見せてくれる、物語。
それは素敵なSFの、嘉すべき特徴の一つだと、私が思うものでもあります。
『導きの星 I 目覚めの大地』ハルキ文庫
購入:2002/01/19 読了:2004/10/30
『導きの星 II 争いの地平』ハルキ文庫
購入:2002/07/17 読了:2004/10/30
『導きの星 III 災いの空』ハルキ文庫
購入:2003/02/28 読了:2004/10/31
『導きの星 IV 出会いの銀河』ハルキ文庫
購入:2003/12/13 読了:2004/10/31
先に書かれていたあれこれの事物に、読み進めるに従って、驚天動地の裏があったことが判り、物語がどんなふうに締めくくられるのか、最後まで読めませんでした。
『IV』の後半で、辻本司の描写が一歩引いた感じに思えて、主人公と言い難くなった印象があり、ちょっと醒めてしまった気がします。
そして『IV』の後半は、自分の中にある人類優越観を見つめさせられて愕然としました。
『第六大陸 1』ハヤカワ文庫JA
購入:2003/06/28 読了:2004/11/01
『第六大陸 2』ハヤカワ文庫JA
購入:2003/08/29 読了:2004/11/02
アーロン・ハリファクスの関わっているシーン(複数)で、涙腺が緩みました。
物語の視点は青峰走也ですが、私には、主役は桃園寺妙であり、青峰走也は彼女が得る賞品/作者からの贈り物、のように思えます。
イングー関連は、必要だったのでしょうか。
確かにイングーは物語を締めくくる華やかな要素であり、物語に「昨日とは違う明日」を約束させています。でも、それが「在る」ことは、天の配剤/万に一つの偶然/奇跡に思えて(にしか思えなくて)、それは物語の「絵空事」の比率を上げてしまっているのではないか、と悩ましく感じられて。
『老ヴォールの惑星』ハヤカワ文庫JA
購入:2005/08/12 読了:2005/08/22
作品集です。収録作は「ギャルナフカの迷宮」「老ヴォールの惑星」「幸せになる箱庭」「漂った男」の四編。巻末に、松浦晋也氏の解説が付いています。
「ギャルナフカの迷宮」
結末を見据えながら、それに向かって展開を肉付けして行った、感じを持ちました。私には、魔法的な仕掛けに、話の迫真性を削がれてしまった/仮構性が強調されて受け取ってしまった、という印象があります。
「老ヴォールの惑星」
真っ向唐竹割なジャンル内SF。この物語の後の話が読みたくなりました。この作品集の中では、私の中で一番長生きしそうな作品になるかも、と思ったりしてます。
「幸せになる箱庭」
私にはSFではなくリアルだ、と読み終わって思った話でした。「老ヴォールの惑星」と対比させて、自分の中のSF観を考えさせられました。
「漂った男」
最後の一行を読んで、骨折の音が聞こえた気がしました。
『天涯の砦』早川書房
購入:2006/08/30 読了:2006/09/01
読了して思い返すと、読んでいる間、登場人物それぞれの個人の視点で語られる、突然の災禍に見舞われた戸惑い・衝撃・理解・憤慨、等々の等身大の「感情・思考」の流れに乗って、同じような「感情・思考」のうねりを感じていました。
軌道複合体〈望天〉の事故の起こるくだりを読みながら、脳裏に浮かんだのは「東海村JCO臨界事故」でした。
『しかし望天は宇宙構造物であり、強度を犠牲にして軽さを求める選択がなされていた。』(P18)
…地上or月面で製造したものを、重力井戸の底から持ち上げるため? 宇宙の工場で製造したものを建設位置に持って行く時や、正式運用時の、慣性質量を減らすため? 「宇宙」産業の、良くも悪くもな、伝統に則ったもの?
わかたけ型月往還船…カバー絵で見えている「下」面が、〈望天〉のそれと同じく「床」面なのでしょうか。
主推進機関の推力軸線と「床」面が、垂直ではなく平行なのは、加速時間が短い、ということ? とか、瑣末事ですが、個人的に気にしていることなので。
2006.09.03 記。
カーボンナノホイール(CNW)…
http://homepage3.nifty.com/anoda/oldpage/space/mlab16/mlab16.xml
少々ブラウザ環境に資源の追加が必要かもしれませんが、科学的な参考に。
『妙なる技の乙女たち』ポプラ社
購入:2008/02/22 読了:2008/03/07
『可紡性カーボンナノチューブ(スピンナブルCNT)の工業生産法』(P9)が実現したことで、世界最初の軌道エレベーターが建設された、シンガポール沖のリンガ諸島を主な舞台とした、異なる仕事・生活・境遇の女性が主人公の、七編の短編集です。
第一話 天上のデザイナー
…七編の中で一番、夢のような/ライトノベルな話(^^;。物語世界への導入編。
第二話 港のタクシー艇長(スキッパー)
…第三話と共に、軌道エレベーターから遠い話。目線は身の丈の高さ、視界は身の回り。
第三話 楽園の島、売ります
…第二話と共に、軌道エレベーターから遠い話。目線と視界は地上の人間社会・世界の内。
第四話 セハット・デイケア保育日誌
…七編の中で一番、続きが気になる話、かも(^^;。第七話に関連して欲しかったかも。
第五話 Lift me to the Moon
…七編の中で一番、個人的に設定が気になった話(−−;。
(参考 →
想天/軌道エレベータ展望/7 軌道エレベータの乗り心地)
第六話 あなたに捧げる、この腕を
…七編の中で一番、個人的に好きな話。
第七話 the Lifestyles Of Human−beings At Space
…七編の中で二番目に、個人的に設定が気になった話(^^;。
(参考 →
想天/宇宙を想う/宇宙で暮らす)
いやもうごく一方的・個人的に、扱われている題材も考察も、口惜しいよぅ、ジェラシィよぅ、とハンカチを噛んだり枕を涙で濡らしたり(脳内で ^^;;;)。
なので、個人的に元気が出た(爆)作品集でした。
上端へ