店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記


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2000  09 / 10 / 11

[ 銀鰻亭店内へ ]
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12月2日(土) 晴
 ねこまが旭川へ僕の趣味じゃない方(要はスケート)のフィギュア大会(NHK杯だそうだ)を見に行ってしまったので、終日1人で過ごす。室内と水槽の掃除をしアッチのHPを更新しよう!と心に決めて見送ったのだが、予定を立てるとほぼ実行しないのが小学校以来のお約束。部屋に戻るなり作りかけのコッチのフィギュアが目に入り、終日これと取り組んでしまった。
 文字どおり、終日である。日が沈み果てるまで、ひたすら作業。
 で、ふと立ちあがろうとしたら・・・・おや?力が入らない。変だなと思ったら、異様に腹が減っているではないか!って、朝から飲まず食わずで作業してれば当たり前ですね。はぁ。
 溜息ついてても仕方が無いのだが、なにせこんな事は予測してないから、何の用意もしていない。かといって外へ出るにはヒットポイント不足だ。不思議のダンジョンよろしく腹が減って倒れたら、ギャグになる前に凍死してしまう。そこで冷凍庫から、先ごろ関西方面から飛んできた丸いものを出して食べる。うう、旨いよ圭ちゃん!ひょっとしてこういう事態を予測して送ってくれた?
 食後はみちのく産の林檎と関東から戴いた落花生とでティータイム。何か変なメニューだが、こうしてネット仲間からの貰い物だけで危急を凌げるという有り難味に比したら大した問題ではない。ああ、パソコン通信やっててよかった<って古すぎないか僕。あと幾ら有り難いとはいえ貰い物を日記で論うのは大概にするように。

 今日、唯一の残念は、これほどの危険を冒して(違うだろう)行ったフィギュア製作が、見た目にはあまり進捗しなかった事だ。だいぶ肉付きがしっかりして、ポーズも無理なくなってきたのだが、まだページ更新の素材としては弱い。片手間でやってる2頭身のほうが進んでいるのも、いささか不本意な状況ではあった。いや、自分でやってるコトなんだけどね。

12月3日(日) 曇時々雪
 海外に住む同好の士のため『メタルギア ソリッド』の音声をチェック・・・・って、こんなコト書くと著作権法違反かしらん。しかしこの場合、6カ国語版(イベントシーンのみ)とか出してくれないコ●ミのほうが悪いじゃないか!各国語で出ているなら全部聞きたいのがファンってものだ。”『メタルギア』で外国語を学ぼう”とかってアホな企画でもいいから出してくれ!などと責任転嫁を試みたくもなるのだが、まぁそれはさておき。
 イベントシーンだけをチェックするので、素直に最初からストーリーを追ってプレイしているのだが、これがアナタ、難しいんですわ。1度ならずクリアしたゲームだというのに、敵兵には発見されまくりトラップにはハマりまくり。どうも、最盛期の行動パターンに身体がついていけないらしい。ふふふ、老いたな、ソリッド・スネーク!<オマエだろがよ

 水槽の水替をしようと60cmを覗き込んだら、白コリの1匹が流血してるのを発見してしまった。胸鰭が半ば削ぎ落とされた無残な有り様に思わず引く。しかし何故だ。この水槽には肉食魚なんか入れてないのだが?流木かサンゴにでも引っかけたのか?
 可哀相だが捉まえて薬をつけるワケにも行かず、本人(いや魚)の回復力に任せることにした。手に取れない生物を飼うのは難しい。だからこそかれらに適した環境をこさえて飼うのが面白くもあるのだけどね、こういう時には辛いんだよなぁ。

12月4日(月) 晴(でもマイナス3度)
 帰宅途中、例によってヨドバシへ。いつものガシャポンコーナーを通りぬけてたら、スゲェものが目に入った。ゴルゴ13のフィギュア!!誰が買うんだこんなモン!・・・・と思って覗きこんだが、あろうことか半分以下に減っている。うむ、恐いもの見たさというのは誰にもあるんだなぁと、つい自分でも実践してしまう。いや〜はははははは、妙にデキが良くて恐いわコレ。とりあえずバラして封印しておこうっと。ゴルゴ大好きなコジマニア仲間の某氏に強制送付するのもテかもしれないけど。どうでしょう、しゅうてんさん。

 夕食後、プリンを食す。モロゾフの冬バージョンだが、苦めのカラメルソースが実に好みだ。かねてカップを活用してること(製作中のフィギュアの写真参照)だし、ここで感謝の気持ちをこめて中身のページなんか作ってみる。ま、結局は容器の話になってるけどさ、この方法で食うと50%増し(当社比)で美味いんだってば。試してみそ。
 とか言ってたらねこまの分と合わせて4つ、「正しい食べ方」をセッティングする羽目になった。ま、いいんだけどね。

12月6日(水) 晴のち曇
 以前に買いそびれた本をオンライン注文すべく●善のサイトへ。購入には会員登録をしIDとパスを取る必要があるというので、さっそく住所氏名配送先その他を入力っと。パスワードは・・・・なになに?「簡易書留にてお送りします」ぅ???
 なんじゃこりゃああッ。西原理恵子ふう。
 いつでも何処でも端末さえ繋がりゃすぐOK、即時性あってのオンラインショップだろうが。買いたい本を並べておいて「郵便で書類送るから待ってね」って、お役所かアンタは。セキュリティに不安があるなら、そもそも住所氏名の入力なんかさせるな。てゆかソッチの専門家と提携せぇ。smashなんか便利だぞ。別にso-netの会員だから言うわけじゃなく、こないだねこまのために石鹸買ったサイトで使ってホントに便利だったんだよね。so-net会員ならアカウントだけでオッケーってのはイイよ実際。買った石鹸もねこまの気に入ったみたいだし、また使っちゃおうかな〜なんて・・・・いやいやいや、脱線してちゃイカン。
 ●善、使えねェッ。<ふたたび西原理恵子ふう。
 亡国もとい某国の偉い人たちじゃあるまいし、実際にITやってんだからさぁ。頼むよぉ〜<泣くな

 明治の御代(じゃなかったっけか)「本といえば」だったペーパーメディアの雄の乗り遅れっぷりに涙していても仕方ないので、今世に「本といえば」をワールドグローバルにやってるアマゾン・ドットコム(日本サイト)へ。いろいろ難も聞いてはいるが、使ってみにゃあ始まるめぇ。<なぜか江戸っ子
 さすがにコッチでの専門だけあって、手順も分かりやすく便利だ。取り扱い書店が少ないねこま希望の雑誌もちゃ〜んと見つかった。おまけに安いし、今月中は配達料もサービスらしい。ラッキー!
 あとは実際にモノが届いて、料金が引き落とされてから再評価してみたい。って、いつからレビュアーになったかね僕?予定の立てられない性格なんだから「気が向いたら」にしておこうね?

 帰途、Loftに立ち寄って面白い目覚し時計を見つけた。『禁断の惑星』(DVD買わなくちゃ!)のロボット、ロビーの格好をしてて、胸にデジタル時計がついている。んで、時間になって鳴り出したら、付属の光線銃で撃つのだ!
 これだけでもツボなのに、初回攻撃では3分間黙るだけで、もう一度撃つと爆発音とともに止まるというから堪えられない。イイ!すっごくクール!『フィフス・エレメント』調に言うならグリーン!もう真緑って感じっすか!
 しかしまぁ、どこに置くかを考えると僕んちの事情には適さない。それにガンで騒音を止めるというなら、サターンとTVにタイマ仕掛けておいて、鳴り出したらバーチャガンで・・・・って、どうせ当らないんだよなぁアレ>『ポリスノーツ』

 『鳥だけが見ていた(J・ウォリス・マーティン/著、布施 由紀子/訳、角川文庫 )』読了。
 面白い!つーか見せる!・・・・要素は沢山あるのだが、いかんせん文章がナンである。下手っていうんじゃなく、なんかヘンなのだ。例えば、ある人物がどこかへ行って何かして、それを他の人間が見てるというシチュエーションで、視線というか主格が「何となく」移動してしまってる。感情や思考などの内面まで並列に語るもんだから、キャラクター同士の輪郭がボケてしまう。うん?これって下手って言わないか?少なくともミネット・ウォルターズと比較するのは増上慢ではねぇべか。
 ただ、風景の描き方、小道具大道具舞台装置の使い方はすごく良いと思う。キャラクターも、ちょっとステロタイプなきらいはあるが悪くない。特に鳥を飼う男と心理分析医が面白い。次回作があれば読んでみたい作家ではあった。

 今日の締めくくりは寂しかった。怪我してた白コリが昇天してしまった・・・・うちの魚は概ね長生きで、5年選手のテトラとかザラなのだけど、こういう事もあるんだよなぁ。ティッシュに包んで川に流してやる。せめて故郷の川に通じる海へ溶け行くように。

12月7日(木) 雪のち晴
 街中どこへ行ってもクリスマス・ソングが聞こえるシーズンになった。しかしアレだな、フラレ男の歌が毎年流れてるのは何故だろう。山下達郎の『クリスマス・イブ』なんかはいいとしても、Wham!の『Last Christmas』なんかはな〜。去年のクリスマスに別れた女のことをいまだにブチブチ言ってるなんて、鬱陶しい以外の何でもないと思うんだが。それ以上グチってると道端の吹き溜まりに蹴込むぞ!うがぁ!ってなモンだ。まぁ今時オトコノコが可憐に(笑)なったとはいえ、北国で立ちんぼうしてフラレ愚痴をこぼすヤツもいないだろうけどね。あっという間に霜焼けになっちまうから。

 書店で『エル・アラメインの神殿(星野之宣/著)』が文庫化されてるのを発見。しかし単行本で持ってるので、さすがに購入をためらう。名作『アルデンヌの森』の他、氏の作品中「僕の好き好きランク」で1、2を争う『国辱漫画』が入ってるのだが・・・・。
 しかし、事実は小説よりナントカな上に、既にコミックを現実化しているよなぁ。某国の国政を預かるお年寄り達は「ボクのことキライなのぉ?」とか「いぢめる〜」とか発言しあってるそうな。いやはや。「恥を失った国には誇りもまた無い」だな。それとも、もしかして子供に返ってるんだろうか?童心は結構だけど、そういう人達が三軍を動かす権利を持ってるって、やっぱスゲェ恐い現実だよね。求む、バーサーカー元帥!<求めるなって

12月10日(日) 曇
 大学時代の先輩にしてマスター・オブ・マスターたる柳刻満氏が来宅。なんのマスターかっつーとテーブルトークである。彼のマスタリングときたらまさに絶品なのだ。毎回緻密に作り込むシナリオはもちろん、不測の事態が発生した時の当意即妙の場の捌き方といったら余人の追随を許さない。12人のプレイヤー(しかも全員初級レベル)を向こうに回したD&Dなんて、他に扱えるマスターがいるか?そもそもそういう事態に「わしもわしも」と飛び入り参加する非常識なプレイヤーがいるかっつー問題もあるけれど。
 また彼は知る人ぞ知る『Blade and Word』というテーブルトークのデザイナーでもある。当時は僕も制作アシストやテストプレイで参加したものだ。いずれそっちのネタでも何か書きたいものである。乞御期待。禁止催促。閑話休題。
 柳さんはしばらく名古屋へ行っておられたとのことで、お土産に小人さんが主人公のファンタジー映画を戴く。そう「ういろう」。<お約束バカ
 久しぶりとて鍋を囲みつつ、リクエストで『獄門島』なぞ観る。なんか客が来るたびにホラーや殺人ネタのDVDを上映してる気がするが、客がリクエストするんだから仕方あるまい。僕だって出来ればもっとお気楽なモノも出したいのだが、そういうのが出てないんだし。例えば『究極超人あ〜る』なんか嬉しいのだけどな。僕のためにDVD化を推進してくれる奇特な方がおられたら、ぜひともここで一票を投じてはくれまいか。
 さて。
 『獄門島』については10月26日にもゴネているが、このTV版も「ちがい」発言は回避していたのが残念だ。この頃すでに放送コードは煩くなっていたらしい。しつこいようだが、ミスディレクションが削除されると話の幅が狭くなるんだけどなぁ。もっとヤバい言葉や人を傷付ける発言は平気で残すくせに、片手落ちだと思わないかTV局!(ちなみに「片手落ち」も放送禁止用語だそうな)
 とかって話と全然関係ないのだが、シリーズもののミステリの探偵って(事件発生後に呼ばれるほうが多いけど)行く先々で事件が起こるワケだよね。「雨女」ならぬ「殺人男」だ。お友達にはなりたくないもんだ。ユーモアミステリやコミック(『名探偵コナン』なんかでも)でギャグネタになる事が多い点だけど、こいつを突き詰めていってネタにならないもんだろうか。例えば、最初の事件後に名探偵がやってきて、続くであろう猟奇殺人に恐れをなした関係者が片端から奇抜な方法で自殺してしまい、残った犯人にすべての疑いがかかるとか。ダメ?<本気にしないでください

12月11日(日) 晴時々雪
 最高気温がマイナス5℃というステキな日。窓の外で林檎売りがコーラスしてそうな寒さである(元ネタ:陽水の『氷の世界』・・・・って古いよなぁ)。1月2月なら珍しくもないが、まだクリスマス前にこれは厳しい。さっそくジャケットにライナーをつけた。で、椅子に置いたら間髪を入れずに猫が乗る。やめれ〜!フリースに猫毛がつくと取れないんだぞ〜!しかも黒地に白猫ってのは狙ってるのかお前〜!
 かくして朝からいらん体力を使い、どうも仕事に身が入らない。いや、いつも没入してるワケじゃないけどね。で、たれたれ(ねこま用語。たれぱんだのような速度・作業効率・生活態度全般を表す・・・・って、作業するのかたれぱんだ)とデータベースの修正をしていたら、郵便物と宅配便がやってきた。
 ●善インターネット・ショッピングのIDとパスワード。
 そして同日にamazon.co.jpで頼んだ書籍。
 もはや比較はするまい。つーか比較にならん。少なくとも僕のニーズにおいては。今後アマゾン側で情報漏洩なんかが起きたら、石橋をゾウガメ部隊に踏ませてから渡る方式も評価できるかも知れないが。
 さて、アマゾンからのパッケージだが、薄手のダンボール箱でイマイチ頼りないなぁ・・・・と、開けてみて驚いた。こんなふうに、中に専用の紙製フレームが入っていて、本をそれにビニールでパッキングし固定しているのだ。うむ、面白い。よく工夫されてるなぁ。こらこら、中の本には注意を向けないように。コラコラコラ!<『国辱漫画』再読

12月12日(火) 曇時々雪
 燃えないゴミの日を明日に控えて、プラカラーの整理をする。仕事と気鬱で圧死していた頃に買って、ほとんど使わずにいたものだ。
 いくら蓋をして箱詰めしておいたとはいえ、寒暖の差の激しい部屋に2年近く放置されていたもの。やはりというべきか、半分以上が使い物にならない。というか確認したくてもフタが開かない。一緒に出てきたエポキシパテなんて、混ぜもしないのに硬化していた。うう、使われずに捨てられるとは不憫なヤツらよのぅ・・・・と心中密かに舌を出し涙しつつ、ぽいぽいとゴミ袋へ。あ〜くそ、勿体無ェッ!(本音)
 かくて箱の中はすっきりと片付いたが、最近になって粘土いじりが復活してるので、遠からずまた絵の具を買い漁ることになるだろう。こうして間断無く貧乏が続くことを「貧乏暇なし」と・・・・言われてないか。ま、ともかくエアブラシを入手することを考えなくてはな!<かくて貧乏は続く

12月13日(水) 晴
 今朝の最低気温はマイナス9℃を下回った。毎日毎日「今年最低」が更新されていく。長期予報では暖冬という話だったのだが、どうなっているんだろう。いよいよ第四間氷期が終わるのか?安部公房の世界ですか?人間そっくりな箱男と砂の女で構成された飢餓同盟を無関係な死と決め込んで、けものたちは故郷をめざすべきですか?
 とか何とか、既に冗談にもなってない無駄口はさておいて。
 帰宅途中、某パソコンショップへ。知人に頼まれた見積もりを持ちこんだのだが、ちょっとした工具セットに目が止まる。ハンダゴテに関連ツールとドライバー、ラジオペンチ、ニッパーなどがついて1,480円也。コテ先の替えやハンダの吸い取り(正式名称は何だろ?)までついており、オモチャと考えても悪くない・・・・と即ゲット。いいじゃんかよ〜、あって困るもんじゃないし〜<って誰に言い訳してるやら
 さらに書店へも足を運ぶが、こちらではめぼしいものを見出せないまま、帰宅。到着待ちの『ヘルシング』はまだ入荷してないし。『蒼天航路』が文庫化してたのだけがちょっと気になるが・・・・まぁ様子見といこう。いずれ誘惑に負けるから<って何を見てるのだ

12月14日(木) 晴
 今日は赤穂浪士が吉良邸へ討ち入った日だと朝のTVが言う。各地でイベントもあるそうな。もちろん火消し装束と陣太鼓という、定番スタイルでのパレードだ。史実をドラマ化したものが、あたかも完全な事実のように伝えられているというのは世界中どこにでもある話で、実のところ「歴史」として習っているものも大部分がそのクチなのかもしれないが・・・・ま、だからこそ完全に解明されない今のうち、検証したり異なる解釈をこさえてみたり出来て面白いのだろう。いや、自分じゃやらないけど『時の娘』とか『成吉思汗の秘密』とか好きなんだよな〜。『嗤う伊右衛門』なんかもコレかな。あの話の「脳髄背負い投げ」っぷりは、かなり強烈だった。近いうちにまた読み返してみよう。

 例によっての書店パトロールで、『MIDWAY 歴史編自選短編集(星野之宣/著、集英社)』を発見。でかい!厚い!そして高価い!
 だがしかし「見つけたら速攻買いリスト」の上位を常に占める作家の本を、その場で買わずして何としよう。贔屓筋に金や労力を惜しんでファンが務まろうか。1作以外は全て読んでいるが、フルサイズで見られる喜びには替え難い。特に『月夢』『ボルジア家の毒薬』が入っているとあれば尚のことである。購入。
 今日はこの他に『百鬼夜行抄1(今市子/著、朝日ソノラマ)』『巫子(皆川博子/著、学研M文庫)』を買う。前者は単行本で気になっていたのだが、スカを引くのが恐くて手を出さなかったものだ。文庫で手にして悔やむ。面白いじゃねえか!絵も好みだし!う〜ん、もっと早く知っていれば良かった!とりあえず文庫で全巻揃えるのは決定。後者については、これからじっくり読み耽るとしよう。なんといっても甘くねっとりして濃密な、だが妙に冷たくすべらかな闇を描かせたら右に出ない閨秀作家の作品である。おろそかに読み飛ばしなどしたくない。できれば『うろこの家』みたいな傾向の本であってくれると嬉しいな。

 夜に入って『アンダードッグス(ロブ・ライアン/著、伏見威蕃/訳、文春文庫)』読了。
 大当たり。
 最初はバラバラに始まる多くの人々の話が、やがて寄り集いひとつの事件を形作り、そして思いもかけない真実を明るみに出す・・・・というパターンは珍しくもないが、それぞれのキャラクターが実に鮮やかに描かれていて、出だしから退屈しない。警察や軍隊、武器、それにシアトルという特異な背景を持った街の情景描写、地上と地下に眠る過去のそれも目に見るごとく。実に素晴らしい。虚実の混合度は絶品といえるだろう。またキャラのそれぞれに「伏せられた」部分があって、それが絶妙な「引き」になり先を読み進ませるのだ。小さい仕掛けも随所にあって、読み手もまたキャラクター同様、小さな明かりを手に、闇に閉ざされた地下をこけつまろびつ走る気分にしてくれる。
 話の展開にちょっと強引なところがあり、大時代なポーズを感じさせられたが、それも素直に楽しんでしまえる。訳も読みやすい。『不思議の国のアリス』の解説は、ちょっと世話の焼き過ぎな気がしないでもないが。走った後で「とても乾いた」ビスケットを戴く気分だった。こういうものは分かった人間だけがニヤッとすれば良いんじゃないかな。

12月15日(金) 晴
 最高気温3度!うわ〜あったけぇっ!と思ってしまえる辺り、すっかり冬向け体質に改造済みである。改造戦隊雪だるマン!悪の冬将軍と戦うのだ!って毎年のコトなんでもう飽きてるんですけどねぇ。

 例によってのパトロール中『新世紀エヴァンゲリオン6(貞本義行/著、角川書店)』発見。んむ、ちゃんと続いてるんだなと購入。アニメとは違った描き方の物語は読み易く展開にも得心も行く・・・・が、もちっと刊行ペース早くしてくれんかね。この調子だと完結する頃には僕は不惑に達してるぞ。いや、その前に著者が、か。
 この店でも『ヘルシング3(平野耕太/著、少年画報社)』を探すが、見つからない。職場近辺の店はどこも濃度不足で、コミック関係は少ししか入れてないのだ。致し方なく駅から3丁ばかり離れたGホテル向かいのN書店へ。たかが漫画のためにそこまでするか?と聞かれたら胸張ってYESと言ってやる。相手が何だろうと全力でやるんじゃあ!文句があるならヴェルサイユへいらっしゃいッ!<ってナニサマ
 結果は思ったとおり、2冊分の面積に平積みされてるのを発見。いや〜、さすがN書店。アニ×イト発生前はヲタクの拠り所だっただけの事はある!って誉め言葉に聞こえませんか?
 さて久しぶりのアーカード。人外ならでは異形でこそという行動やよし。ツェペシュ公の演出はするわドラキュラ映画伝来の動きはするわ、作者の懐のうちが覗けて楽しい局面でもある。アヤシイ偽名(「彼」が渡英した時に利用した名だよね?)もそうだな。でも銃の精霊さんはなぁ・・・・名前がアレなんで「何でまた」と思ったんだけど、やっぱアレですか。すげぇイヤ。あと真面目な難点として、変な言葉遣いが気になる。カッコいい台詞回しが多いだけに「浮く」んだよね、文章の間違いも誤植も。それとギャグ絵の配分をも少し減らして欲しいな〜。単に好みなんだけど、普通と異形のギャップが薄められる気がして勿体無い気がする。
 とまれ『ドラキュラ紀元』を思わせる大暴れっぷりに、ふと懐かしいヴァンパイア達を尋ねたくなり、アンソロジー『血も心も(エレン・ダトロワ/編、小梨直/訳、新潮文庫)』を探し出してくる。今夜はコレとトマトジュースでナイトキャップといこう。

12月17日(日) 晴
 週毎のこととて水槽の水替をしようと覗きこんだら、45cmにちぎれた葉が浮いている。枯れたか?と見まわして、アマゾンソードの若葉が全てギザギザになっているのに仰天。く、食われてるよコレ〜!
 テトラ類はよくやることだが、あまり柔らかくない種類を食うとは、よほど腹が減っていたのか。水が汚れるので餌を控えめにしていたのだが、控えすぎていたのだろう。考えてみれば育ち盛りのクラウンローチも入ってるんだものなぁ。これからは、もう少し余分にやるとしよう。

 水替のあとは終日『メタルギア』で遊びほうけ、他の作業が捗らないまま日暮れを迎える。パテを捏ねてアレコレやりたいことがあったのだが・・・・まぁ仕方あるまい。どだい下絵も出来ていないし。HPの更新もろとも、明日がんばるとしよう!<って明日は会社だぞヲイ

 夜も更けた頃、ねこまがTVで『白鳥の湖』を観るのに付き合う。しかし幾度見ても思うのだけど、この話って絶対白鳥を知らないヤツが書いたんだろうな。貪欲で大ぐらいで強引で乱暴な巨大ガチョウが繊細可憐な乙女に描けるというのは、遠目にしか見ていない者だからこそだろう。
 ついでに言うと、このテの話の王子ってどうして皆あんなにバカなのかね。一目惚れした女と他の女を取り違えてニ世を誓っちまうようなヤツじゃ、よしんばハッピーエンドで終わっても後が大変だと思うのだけどなぁ。余計なお世話ッスか?

12月19日(火) 雪
 待ちに待ったスケルトン探偵シリーズ『洞窟の骨(アーロン・エルキンズ/著、青木久恵/訳、ハヤカワ文庫)』を鞄に、出社の途に着く。ねこまも愛読しているシリーズなので、どっちが先に読むかでモメるべきところを家長の権威をもって・・・・快く譲っていただいた。おありがとうごぜぇますだ〜<ダメじゃん。つーか実は家長でもないし
 しかし電車は今日もすし詰めなのであった。床に倒れてる老婆が笑ったりはしないのだが(するかッ!)延びる線路は拍車をかけてるらしく、僕の下車駅に至るまで京極夏彦の某小説のように「みっしりと」詰まったまま。考えてみれば冬場の北海道の人間は体積比25%増し(当社比)なんである。夏場にも混んでいたんだから、どうなるかは分かっていた筈だ。帰途に賭けるしかあるまいッ!・・・・って、とっとと帰って家で読めばいいんだよな、うん。

 で、その帰宅途中は、例によって本屋へ。収穫はいまいちパッとしない。『エルフを狩るモノたち(矢上裕/著、メディアワークス)16』が出てたくらいだ。しょーもないギャグや力押し、といえばそこまでなんだけど、とにかく気楽に笑ってられるこのコミック、かなり気に入っている。アニメもDVDで出るそうだけど、出来はどうなのかなぁ。ちょっと欲しいような気がしないでもないような。
 新潮文庫で何か面白いのが出てくれないかと思うのだが、食指が動くようなものには出会えない。あと1冊読めば『パンダが本を読んだお話』ビデオが手に入るのだが。先に30冊分溜めこんでYonda?クンのソフビ人形を貰ってしまったのは失敗だったかな。しかし書斎の守護神様としてハタキとエプロンで武装した勇姿には替え難いものがある。あと1ポイント、楽しませてくれるものと出会えるよう、なにとぞ加護をたれぱんだ〜<コレが言いたかったらしい

12月20日(水) 
 深夜、TVムービー『悪魔の嵐』最終回を観る。スティーブン・キング作品ということで、数々の映画の記憶を蘇らせて慄きながら観たのだ。
 キング原作の何が怖いって、映像化すると元の恐怖感がきれいサッパリ消えてしまうっつーのがすごく怖い。なのに『キャリー』『クリスティーン』『クージョ』・・・・と、性懲りもなく次々に映画化したっていうのがさらに怖い。かかった経費がすごそうで怖い。うう、饅頭怖い。いやそうじゃなくて。
 今度こそ成功しそうだった『ペット・セメタリー』なんか、イケるか!とい思わせておいて最後の最後に肩透かしだ。それ(ゾンビ化して蘇ることを承知で埋めた相手の帰還に対して「NO!」)を言うか?すべて承知で待っている、そのために何もかも手放すという思いの切なさをすべて台無しにしやがってまぁ。映画と原作が違うのは当然だけど、あそこを変えたら映画の全編を通してやってきた事も意味ねぇじゃん。まったくもう。<ひそかに好きな作品らしい
 もとよりキングは内面描写で恐がらせる部分が大きいから、映像化するにはかなり辛いものがあるんだろうけど、だったら血糊を増やす、内臓をぶち撒ける、イベントは同じまま・・・・じゃ心理面を描けない分、映像が損をするのは当然だと思うんだけどね。ギミックがいかに精巧にできたって所詮は作り物、鶴屋南北以来のスプラッタに堕ちるだけだ。
 と、過去の恨みを並べながらの『悪魔の嵐』。
 ・・・・面白かったぞ。
 特撮(てぇ表現は古いかねぇ)は派手じゃない。役者も地味だ。言っちゃナンだがダイコンも混じってる。けど、じわじわと迫る恐怖の中、追い込まれていく人々の心理、そしてそれが極限まで高まった時に現れる醜い素顔は見事に描かれている。テーマはありきたりかもしれないが、これを説得力をもって観せるというのはたいていじゃないと思う。しかも、どれが正しいか間違ってるかといえない選択肢は自分に置き換える手間もいらずに胸に迫る。違う選択をした実例(怪事件リストに常に連なるアレを引くあたり、さすが!)があるだけに、どっちへ転んでもやりきれないのが見えるからだ。いや〜満腹!ホラーの衣を着た心理劇、じっくり楽しませてもらった。ただ、ストレートな見た目だけではちっとも怖くなかったんだけどね。狙いはそこには無いんだろうからオッケー!
 しかしこの邦題、何とかならないもんだろうか。『炎の少女チャーリー』ほどじゃないけど、なんかヘボい。悪魔って非実在の存在を引くのは好かんなぁ。だって悪魔は出てこないし。リノーシュが「何か」ってことは、実のところどうでもいい話だしな。
 リノーシュといえば、この「怖いアハスエルス」みたいなモノを演じた役者、ちょっと昔のルトガー・ハウアーに似ていてなかなかイイ。静かなんだけど異質な眼をして、ただじっと人を見るあたり・・・・好みか?僕?<これが一番怖いかも

12月23日(土) 晴
 某所でのお付き合いで購入したゲーム『ファンタスティックフォーチュン』を開封。ん〜む、システムを見る限りかの『プリンセスメーカー』みたいなモンですな。ただ働いて稼いだ金で授業料を払うという過程がなくて、ストレスにのみ気を配れば良いと。わりと簡単らしい。気楽に遊べそうだ。なにせ『プリメ』の時はパラメータ睨んでうんうん言いながら友人と競ったからなぁ。結局王妃や王の妾にはできたんだけど、自力で女王にはできなくて悔しかったんだっけ。あ、でも悪魔の妻にできたのがちょっと嬉しかったな<なんでまた
 今回のコレは、とにかく男をひっかけさせるためにのみ修練を積ませるということで、イベントもあっちこっち痒くなりそうな展開がありそうだ。それを進めて行く自分は自己投影不可能なもんで女衒の親方になりそうな、なんか心中複雑なモノがある。『アンジェリーク』では女王にしか出来なかった(苦笑)過去もあるし・・・・まぁ、ボチボチ頑張ってみるとしよう。

 素直に話を追いかけて『洞窟の骨(アーロン・エルキンズ/著、青木久恵/訳、ハヤカワ文庫)』読了。読み応えや感動は乏しいが、まぁ『暗い森』レベルを毎回期待しては気の毒というものか。後半で出てくる死体のトリックにはいささか難がある(法医学者の目が誤魔化せるのかアレで?)と思うが、洒脱な語り口や情景描写の巧みさ、キャラクターの個性は十分に楽しめたので良しとしたい。続編に期待。画商のシリーズもさっさと出ないかな。

12月24日(日) 嵐
 早朝、轟然たる風の音にぞ驚かれぬる・・・・じゃなくてたたき起こされる。終日荒れ模様のクリスマス・イブ。それを押して買い物に出、年越し用の猫の餌と砂を購入。人間さまの準備はまるで出来てないのだが・・・・
 帰宅後、ねこまから貰ったグラフィックカードを差して、ちょっとだけパソを強化。16Mのカードなんか今時ではあるが、僕のロースペックマシンには結構なものだ。どだい手の込んだ作業なんかほとんどしないのだし。

 お約束に鳥を食べワインを飲みつつ映画を眺める。といってもホロホロ鳥と桃のワインで、映画は『ナイトメア・ビフォア・ザ・クリスマス』。非常に僕ららしいイブ・・・・だよね、不本意ながら。来年は『戦場のメリークリスマス』でもかけようか?

12月26日(火) 晴のち吹雪
 日が傾いた頃から吹き始めた風が、夜闇の訪れとともに咆哮しはじめた。別に詩的な表現をしたいワケじゃないのだが、窓の向こうからジェット気の爆音が聞こえるとか言うとナンかおっ始まったみたいだし。ねぇ?<同意を求めるな
 帰宅しようと外へ出たら、体重ン10kgのこの僕が押される。細い女性や小さな子供だったら吹き倒されてしまいそうだ。雪も降っているが傘を広げられる状況ではない。ヘタすりゃメリー・ポピンズになってしまうかも知れん。いや、だから僕がじゃありませんてばよ。

 そんな天候の中でも、とりあえず書店パトロール。メアリ・H・クラークの『月夜に墓場でベルが鳴る』が出ている。読み易い訳が嬉しい宇佐川晶子訳、しかも新潮文庫だ。やったぜ!これでYonda?ビデオゲットだ!・・・・あ、いや、もちろん新刊は嬉しいんだけどね、こればっかりは読み終えてみないと喜べるかどうか分からないし。とりあえず目先の喜びに飛びつかないと。
 いそいそとレジに向かったら、岩波少年文庫が目に付いた。新装版ということで懐かしいタイトルがずらずらと並んでいる。『ドリトル先生』『ゲド戦記』『シャーロック・ホームズ』どれもこれも小学校時分、夢中で読み漁ったものだ。いずれ買い直して、じっくり読み返したいなぁ。文字も大きいから、老後の楽しみには良いと・・・・って、ちょっと気が早いか?

12月27日(水) 晴のち雪のち晴のち雪(以下リピート)
 快晴だった空がいきなり曇って雪、と思うと瞬く間に晴れ上がるという変な空模様。おまけに降る雪も霰状から粉雪綿雪まで幅広い。ちなみに出勤時に当たったのは最初のヤツで、大粒のものはBB弾ほどもあった。痛ぇ。覚えてろよ<誰に
 年の瀬も押し詰まってきて、職場には冬休みと連結休暇を取った空席が目だつ。その多くが遅い夏休みだというのは物悲しいモノがあるが・・・・ま、多くは語るまい。ちゃんと年内に取れただけマシなんだろうってことで。

 『審問(パトリシア・コーンウェル/著、相原眞理子/訳、講談社文庫)上・下』購入。もういい加減キャラクター苛めみたいなドン暗い展開にはついて行きたくないのだが、とりあえずこれまでのお付き合いということで。今回も前みたいなパターンだったら、もう続きは読まないぞ。っていうかまだ続くのかねコレ?
 もうひとつ、これは純粋にミステリとして挑戦し甲斐のありそうな『私家版(ジャン=ジャック・フィシュテル/著、榊原晃三/訳、創元推理文庫)』も買ってみた。物理的にではなく本を、その存在を凶器にするという惹句は本フェチには大いに興味深い。物理的に凶器に使ってやりたい作家が多い昨今では、なおのこと<こらこら
 ミステリといえばあっちこっちで”今年のベスト”本やサイトが出来ているが、どこでも『ハンニバル』の人気が高い。煩いことを言うとあれはミステリじゃあ無い気もするが、僕も十分に気に入った話だったのはご同様だ。グルメと恋愛の指南書としては最適・・・・じゃありませんね、ごめんなさい。参考書ぐらいにしときます<すな。

12月28日(木) 晴のち
 街はクリスマスが終わったとたんに正月モードに突入し、そこここで門松やら薦樽やらが飾られている。なんだかなぁ。あまり早くから飾るのは不祝儀と聞いたような気もするのだが・・・・ま、いっか。どうせ僕は明日から冬休みだ!
 正月といえば、僕が子供の時分から楽しみにしていたものに口取菓子がある。今年ももちろん買おうと思い、知人との話題にそれを持ち出したのだが。
 知ってる人間が、北海道出身者に限られるのだ。何故だ?鯛や海老の形にこしらえた練切の口取菓子は北海道だけの存在なのか?オムレツ形の中華饅頭や豆パン、甘納豆入り赤飯だけではなく、こんなモノまで特殊な進化をしてるのか?もしかして他にもあるのか?そしてそれは何故?
 向こうの島(本州または内地という)に住んでいて情報をお持ちの方、ぜひお教え戴きたい。

 『月夜に墓場でベルが鳴る(メアリ・H・クラーク/著、宇佐川晶子/訳、新潮文庫)』読了。
 女性が生き埋めにされている出だしから、その後のドラマチックな展開はなかなか楽しい。しかし。しかしだ。なんかハーレクイン・ロマンスくさくないかこれ?ハーレクイン・ロマンス読んだことありませんけど。謎解き部分(すげー分かり易い)が、どうでも良くなってしまってる気がするんだよなぁ。この作者、たしか別の作品でもこのパターンはあったような。
 あと登場人物がゴチャゴチャして、妙に覚え難かった印象がある。ただ、それぞれの人物が(端役に至るまで)ポイントを押さえて描写されてるんで、読み進むにつれて前の方を読み返す回数は減ったけれど。

 明日はオタク・コンベンションコミック・マーケットが開催される。親しくして戴いてる方々が毎回参加されているので、一度は足を運んでみたいものだが・・・・ものぐさと煩わしい諸事情のおかげで、なかなか達成できない。とりあえずはお土産話を楽しみに休暇の日々を過ごすとしよう。

12月29日(金) 晴のち雪
 せいいっぱい自堕落に過ごそう、力の限りダラダラしよう(ぬ。なんか文脈的に変だな)と思っていた休みの初日。僕の卸元問屋ねこま様がそのようなコトをお許しくだされる筈も無く、正月用品を買いに出る。我が家はそれなりに昔気質なので年末年始は極力外へ出ず、買い整えた食材を頼りに家で心しずかに過ごすのだ。ってゆうか寒い中出歩くのが面倒っちくて寝正月ってゆーかー。みたいなー。
 ・・・・今時女子高生でさえやらんような喋りは大概にして。
 昨日の話題の口取菓子だが、鯛や海老などの形にあつらえた和生あるいは落雁という、類型のものは各地方にあるようだ。しかしいずれも祝儀ごとの引き出物などに使うもので、正月に食うのは北海道限定であるらしい。取材先の皆さん(ヒロツさんちのチャットの常連衆)ありがとうございましたっ!
 疑問もとけたトコで、札幌駅地下の某和菓子店で二重の折になってるのを購入。ふふふ、他に無いと思うとなおさらに嬉しいのう。
 問題は、これが正月まで残ってるかどうかってことだ。毎年なぜか大晦日には消費されきってるんだよなぁ。不思議なことだ。今年こそ、夜を徹して渋茶すすりつつ真相を究明しちゃる!<そのスタンスが原因なんだってばよ

 帰宅後ねこまは防虫用のポプリ作りに余念が無い。何種類かのドライハーブを混ぜエッセンシャルオイル(つーんだよなあの激烈な匂いのヤツ)を加えたものを保存瓶に入れ、せっせとシェイクしている。まるで呪い師である。魔女というのはこういうオバさんおねーさんだったに違いない<一部検閲あり
 天然モノなので刺激臭は無いが、それでも結構強い香りが周囲に漂う。猫どもが妙に関心を示すのが不穏な印象を与えるが、とりあえずどの程度の効き目があるか楽しみなところである。うまく行くようなら書斎にも常備してみよう。しかしラベンダーが主成分つーのはアレだなぁ。ヘタすると不意に時をかけてみたりしちゃうかもしれぬ。気をつけておこう<無いって

12月30日(土) 晴
 学生時代の仲間と連れ立ってカラオケに行く。明日また行くとは思えないから今世紀最後のカラオケである。
 メンバー7人、ほとんど素面で(というのは僕1人がツードッグス開けてたためだ。最近気に入ってるんだよな)歌いまくるうちに、古いアニソンと特撮物にネタが集中しだす。メンツのせいもあるが、システムの問題も大きい。なんたって古いヤツだと映像が出るんだぜコレ!いまどきどこでキカイダーやコンバトラーVが観られるか!いや、S辺りの家へ行けばたぶんストックされてますが!なんか懐かしい通り越して新鮮じゃないですか!それはそうと、何故バロム1がありませんか!<ヤメレ
 3時間ばかし声張り上げたシメは、Sが気紛れに入れた『ギザギザハートの子守唄』だった。本人はこれがトリを飾ることを非常に嫌がったのだが、他の連中が「今世紀最後の」を冠するべくその後に続くのをボイコットしたのである。ああ、イイ性格の友人を持ったなぁS。今世紀最後のチェッカーズってコトで、一生覚えておくからね。

12月31日(日) 雨のち晴
 雨音に気付いて目覚めた冬の日は〜♪とかユーミンな風情の朝。じゃありませんてば僕。なんで真冬の北海道で雨音に起こされねばならんのだ。
 文句タレながらねこまの供をして買い物へ。次いで家まわりの除雪をしてから、近在の書店へ今世紀最後のパトロールに赴く。収穫はというと・・・・ゼロ。今世紀最後の不作であった。うん、何をやっても今世紀最後になるのはなかなか楽しいな。何と言っても日記の行数が稼げてヨロシイ。
 さて『審問(パトリシア・コーンウェル/著、相原眞理子/訳、講談社文庫)上・下』読了。
 海外の検死官モノを読むと、よく『クインシー』が引き合いに出てくる。こないだの『洞窟の骨』やコレも例外ではない。懐かしいな。あれ、大好きだったんだよね。また観たいぞ〜。
 ってなハナシは置いといて。
 素直な読後感は「龍蛇尾」ってトコだろうか。ケイの葛藤、タフな女性キャラの魅力は実に魅力的に描かれてたと思う。でも、これまでのエピソードのツメが甘かった部分や疑問点を巧みに伏線であった(のかホントに?)と明かしながら引いていき、「おお!そんなスゲェ話が!?」と思わせといて・・・・ケツが詰まらんてのはなぁ。これでまた引きますか?それに、政治色の濃い話なのは承知だけど、アメリカの法執行組織、特にATFってここまでアホれすか?まるでゴジラに出てくる自衛隊のごとありますな。せめてガメラ、それも2の時の札幌で戦ってた連中ぐらいに書いてやっても良いのでは?このままじゃ引きたて役にも何にもなってまへんで。作中マリーノ(彼と再会するのは彼自身が心配してる場所だってのに5000クルゼイロ)がツッコミ入れてる「そんなモン雇うか?」部分について、僕も納得できませんのことよ。いくら天才的な元プロとはいえ外部の人間に数日で出来る調査が本体には出来ないのは何故?これも続巻で説明なんざんしょか?また暗くて無残なお話なんでちゅか?うえ〜ん<それでも読む気かよ
 あと版元の講談社さんよう、この本づくりはちょいとアコギじゃないですかえ?ケツに50ページ近く目録入れて厚みを増して売るこたァ無ぇでしょう。ただでも今日びの文庫は厚くて重くて読み難いんですぜ。どうしても水増ししてぇんだったら最初に入れといてください。買ってすぐひっちゃぶいて捨てますから。
 ・・・・とまぁ、小説の出来はほどほど楽しめたのに、最後の最後でむかっ腹が立つような本であった。今世紀最後の駄ネタである。それかあらぬか全体に日本語が怪しい日記となった。来年もぜひ精進していきたいものである<反省は?


翌月へ





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