店主酔言
書籍・映画・その他もろもろ日記

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7月1日(晴) 
 目覚ましより早く起き、止めておいて再度爆睡。かろうじて『ガオレンジャー』終わり間際に目を開ける。『アギト』をチェックしてから買い物へ。今日はお客様が見えるので、茶菓なぞ整えておきたいのだな。
 ゲストはきんろうさん親子。エアロバイクをお下がりとて、わざわざ持ってきてくださったのだ。
 実はこちらの娘さんの璃那ちゃんは、我が家ではひそかに「姫」の称号をもって奉られている美少女である。この春小学校に上がったばかり、以前にお目通りしたときは何だかシャイになってたが、さて……。
 おお、黒い。
 真っ黒けに日焼けし、前歯が2本生え変わろうとしている姫は、だが相変わらず可憐な少女であった。言葉遣いもすっかり大人びて、生まれて数日このかたを知ってる身にはオドロキである。うむ、括目すべきは男子のみにあらず。ヒトは、変わっていくのね。とか年寄りくさい気分になったとこで、戴きもののエアロバイクでも漕ぎまくって若返るとしようかい。あーどっこいしょ。<ダメじゃん

7月3日(火) 雨のち曇
 雨は嫌いではない。特に大粒の、篠つくようなヤツはいっそ好きである。室内で口を開けて眺めるもよし、戸外へ打って出て空とサバゲー気分になるもよし。うむ、仕事の無い日だったらなぁ。
 などとボヤきつつ靴をずぶ濡れにして出た職場は激ビジーで、ひさびさに昼飯を食べながら仕事となる。ついてない日もあるものだ。で、さんざん残業して帰宅したら、大家さんから留守電が入っていた。
 「(案内の)紙が入ってたと思うけど、今日の夜10時から明日の5時まで工事で断水しますって〜」
 ……そんなモン受け取ってませんぜ大家さん。
 時刻は既に22時半を回っていた。蛇口をひねっても無駄無駄無駄ァ!な感じ〜ってゆうか〜(錯乱)。こういう日に限ってヤカンに汲み置きもしてない。まぁ洗顔とか歯磨きだけなら、冷蔵庫のミネラルウォーターや麦茶でどうにかなるけどな。やれやれ。
 とか開き直ったところで、猫が窓辺の植木鉢をごろっこ引っくり返してくれた。
 は……ははははは(虚脱)よりによって、水が使えない日に。
 アタシって不幸。涙で床掃除ができるかしら。ぐっすん。

 てなバカはさておいて。
 『ガラスの麒麟(加納朋子/著、講談社文庫)』読了。
 青春時代の真中は〜道に迷っているばかり〜♪なんぞという歌があったが、青少年期は迷ってるどころじゃない。みっともない恥ずかしいの集大成であり、とにかく不安でたまらないものではなかろうか。多感とか揺れ動くなんてぇ表現は(当節見かけないが)関東大震災を関取の散歩と称するようなもんである。<『どすこい』読み返したせいで喩えがアレだ
 そのさなかで迷い戸惑い、不器用に砕ける心を、著者は一連の物語の中で鮮やかに描き出す。この人には珍しい(というか唯一の?)殺人という生々しい事件を経てさえ、その存在は見失われない。だからといって死を薄っぺらには描かないし、また人の醜い貌からも目を背けようとはしていない。大人には大人の、子供には子供のもつおぞましい面があることを、きちんと描いている。
 そして物語の終わりにも、いつもながら非常に共感が持てた。著者の本で目にしてないのはあと数冊、それを漁り尽してしまう前に、ぜひ新刊をと期待する。

7月5日(木) 雨時々曇
 ねこまの代休に合わせて有給を消化。せっかく平日休みなのだからと映画館へ。話題作『A.I』を観ることにした。
 結論。僕はダメだな、これ。
 もともと原作に興味はあったが、映画のほうはさほどでもなかった。だから落胆はしてないのだが……正直、食い足りない印象がある。なんつーかその、TVシリーズのダイジェストみたいな感じがするんだな。
 描き込みが足りない。冒頭でロボットをめぐる歴史を語っているが、具体的にどう進化してきたのか、ちらっとでも想像させてくれるものが無い。都市や建築物は華麗に壮大に描かれるが、そこに生きるヒトの暮らしが感じられない。また「ロボット(或いは他のテクノロジー)によって維持され/便利になっている」ようには、とても見えない。なんか薄いのだ。
 希薄なのは世界だけじゃない。母親と彼の関わりを描くのは分かるが、あまりにも他のキャラクターの存在感が乏しい気がする。たとえば父親と実の息子が、互いに向ける感情なんかがまるで無く、実は彼らもロボットなんじゃないかと思うほどに。実の家族の濃い結びつきが見えてこそ、そこからはじき出される主人公と、揺れ動く「母」の感情が際立つと思うのだが。あと製造元の博士も、露出が少なくて「知」も「情」も説得力が無い気がする。伏線のつもりなら、たとえば冒頭でコンピュータの話をするより『マクソンのチェス人形』の話でもしたほうが良かったんじゃあないのだろうか。
 総じて奥行きが乏しく、画面の外を想像できない作品だった。主人公を演じた少年の演技があまりにも達者で、そこだけは引き込まれる気がしたけど……それって映画全体にかかってくるものじゃあ無いんだよね。
 まぁ、SFとかロボットとかに深い興味の無い人なら、純粋に楽しめるのかも知れない。濃度の上がってしまったオノレの不幸を呪うがいいということか。いや不幸だとは思ってませんけどね、はい。
 というワケで、口直しに2度目の『ハムナプトラ2』も観た。こっちはひたすら大騒ぎをハラハラと見守り、何も考えずに笑えばそれでいい作品なので気持ちよく楽しんだ。『A.I』で残ったモヤモヤ感を一気に払拭。爽快感しか残らないけど、単純エンタテインメントはそれでいいわ、なぁ。

 夕食に近在の焼肉屋へ。大いに食いかつ飲み、さらに気分良く帰宅。ノリのいいところで色々と作業をしようと思ったが、食休みしてる間に眠り込んでしまった。月蝕を見たかったんだが……まあ、どうせ雨だし。完全蝕じゃないし。<すっぱい葡萄と人の言ふ

7月7日(土) 晴のち曇
 晴れた空に気分を良くし掃除と洗濯と「ながら作業」で工作に取り掛かる。モノはスプレーブース。スプレーワークはもとより、リューターを使うと細かい粉塵が出るので、いつかは整えねばならなかった環境だ。まぁ、そんなにマメに作業しないけど。
 しかし作業机のポジションを変えたり外への排気口の設定を直したり、という予備段階をしてなかったので、日が傾くまでに出来たのは換気扇の支え用の木枠とブース本体の線引きまでだった。あとは明日だな。写真も撮ったし、この記録もいずれアップしよう。しかしナンだ、最初に設計図ぐらい用意すべきだったかもな。<しないほうがオカシイ

 作業の合間に書類や梱包材(最近よく使うよなぁ)の整理をしていたら、古い雑誌や目録を見つけた。80年代のハヤカワや創元、それにサンリオの文庫目録が懐かしい。昔はこんなものも大喜びで集めていたんだなぁと、妙に感慨深くページを開き……はっ!と気付くと時計の針があらぬ所に移動している。うぬぬ、物語に読みふけって時間を忘れるなら分かるが、単にタイトルの羅列を眺めてタイムスリップしちまうとは。かなりアブナイのじゃないかと思ったが、よくよく考えてみると中高生は言うにおよばず、幼稚園の時点で似たようなことをしていた記憶がある。なら平気だ!成長してないような気もするけど気にし・な・い。<しろ

7月8日(日) 曇時々雨
 冷蔵庫が臭い。それも、何かが腐ってる生臭さじゃなくて、なんかこうケミカルな匂いだ。単体だと特にイヤでもない感じなんだが……なにげに口にしたワッフルには似つかわしくない。いや、他の何かに合うわけでもないけど。
 さっそく庫内を探りまわしてみたが、どうもそれらしいものが見当たらない。けっこう綺麗に片付いたあたりで、ビールでもと野菜室を開けてみた。
 …あったよ。
 先日買ったエポパテだった。缶が開かなくなると困るから…と詰め替えたタッパーから、臭いが滲み出している。何故だ。密閉してくれるんじゃないのか。蓋にラップ挟んで、さらにビニール袋にも入れたのに。何が不満だタッパー。
 ねこま「いいから早くどっかやってね?」
 ポリパテくさい食品は僕としても願い下げなので、しかたなく取り出したが、これから暑い盛りにそこらに置いておきたくはない。どうしたものか。まさかコレ用に冷蔵庫を買うわけにもいかんし。よく懸賞に出ているタイプの小型冷蔵庫なんか良いのだが…だからってアレを目指して某缶コーヒーを飲みまくるのもなんだかである。とりあえずは物置に避難させたが…さて、本格的な夏の前に片付くのやら。<他人事みたいに言うな

7月9日(月) 晴
 夏休みを前倒しで貰い、三連休。とはいえ、日ごろ溜まった用を片付けねばならず、のんびりしてはいられない。まずは区役所へ。
 さいわい窓口は混んでおらず、職員の方の対応も良くて早々に片付く。で、ふと目をやった壁に、妙な張り紙を見た。「エコスタイル」のためにノーネクタイでいる場合があります、ご了承ください、というのだが…なんじゃコレ?つまりアレか、冷房を節約した区役所内で、職員がノータイでいるとクレームつけるユーザー(とは言わないかこの場合)がいるってこと?
 う〜む。僕だったら気にしないけどねぇ。つか、窮屈で不快な気分で仕事してもらっても、あんまりメリットは無いだろうし見た目も暑苦しいだろう。それぐらいなら、楽なカッコして快適にかつスムーズに業務をこなした方がいいと思うのだけどな。職員一同アロハだって宇宙服だって、名札かなんかでちゃんと見分けられて、かつ正しい態度でやるコトさえやってりゃ問題なかろう。まぁ税務課の人がカネゴンの着ぐるみだったりしたら、かなりイヤ〜ンつーかシャレにならん気もするけどな。

 書店パトロールをこなして帰宅。一昨日からの工作の続きに取り掛かり、ほどなく本体はアッサリ完成。が、壁の排気口との連結がイマイチである。いずれ改良の余地があるということで、とりあえず本プロジェクトは撤収。<そんなご大層なモンか
 続いてパソを開け、先日最安値の時に買っておいたメモリを増設。問題なく認識され、晴れて512MBとなった。わ〜い。って僕みたいな素人が何に使うんだろうなコレ。画像関係はデジカメの修正ぐらいしかしてないし、巨大データベースを扱うワケでも無いのに。宝の持ち腐れとはこのことだな!…て自分で言ってて切なくなってきた。少し真面目にアレコレやろうっと。

7月12日(木) 曇時々雨
 冷蔵庫がまた臭う。7月8日のパテ臭さではなく、また嫌な臭いでもない。どっちかというと「匂い」と書くべき、微妙に甘い爽やか系なのだ…が、やっぱり異質な感じには違いない。例によって発掘調査をしてみた。そして発見した臭いの元とは!
 消臭剤。
 お茶が原料だとかで、そこはかとなく匂うらしい。食品にも移らないとは書いてある。だが、だがしかし!なんか間違ってないか?これでいいのか諸君!<ダレ。

 文庫で『アレックス・タイムトラベル(清原なつの/著)』が出ているのを発見、即座にゲット。線のやさしい可愛らしい、どちらかというと弱い絵なのに、構図と物語の強烈さで常に惹かれるものがある。既刊『千の王国百の城』(巻末を飾る金と銀の強烈な対比!)もそうだけど、これら名作を出してくれるハヤカワ書房には大感謝だ。欲を言うなら、SF系以外の作品もお願いしたいなぁ。

7月14日(土) 曇時々晴
 白いようなグレーのような、はっきりしない空の色にもかかわらず気温はガンガン上がり、あっという間に30度ラインに迫った。敵の猛攻著しく、やむなく篭城を決め込む。ん〜、しかし扇風機って問題ある機械だよな。前を離れられなくなるってのが非常に。
 とかってゴロ寝ばかりしていてもジワジワと汗が滲んで気色悪いだけなので、せめてもと洗濯三昧。暑いときにはコレに限るぜ。すすぎ水に飛び込みたくてクラクラするのが難だが、洗い立てのシャツを広げる瞬間の涼しさといったらもう。いっそこれを着たらどうかとも思うのだが。<やめとけ

 昼過ぎ、近場の神社の夏祭りで、子供神輿が近所を練り歩いてきた。祭囃子を聞いて猫がパニックを起こし、部屋中駆け回る。うむー、このクソ暑いのに元気なヤツらじゃのう。そんなに嫌いか祭囃子。
 ヤツらと一緒に騒ぐどころか子供衆を眺めに行く気力も無いので、寝そべって『少女革命ウテナ』のビデオなど一気観してみる。
 ううううう。こ、これはこれで凄くエネルギーが必要のような。
 少女漫画の定石お約束決まりごとパターンをひとまとめにしてえいっ!と捏ね上げたようなスゲェシロモノである。好き嫌いが明確に二分されるだろうなこれは。とりあえず僕は……続きを明日見るとしよう。

7月16日(月) 雨のち曇
 昨日から猫の1匹が体調を崩している。尾篭なハナシで申し訳ないが、吐くわ下すわちびるわ垂らすわという賑やかさである。何処で何をやらかすか分からないので夜はケージに入れていたものの、朝になって出してやっても回復した気配が無い。我が家で一番の食いしん坊、食べ物の名前をつけられたヤツが、あろうことか水さえ喉を通らないとあっては、朝からの大雨が槍に変わっても不思議の無いレベルだ。
 とはいえ、こいつはもともと、口が卑しいワリに腹が弱く、大食いしてはトイレの住人になるという飼い主によく似た体質ではあった。そう、アタマの悪い安堂ちゃんとか胃腸虚弱の三輪君とか呼ばれるこの僕に似た…って、余計なお世話じゃあ!
 閑話休題。で、ねこまがヤツを病院に連れて行った。キャリーバッグが無いのでトートバッグに入れ、外が見えないと不安で騒ぐので顔だけ出させてたそうだが…さぞや妙な眺めだったろうなあ。
 んで注射と血液検査を受けた猫は、たんなる便秘と消化不良、あとは健康というお墨付きをいただいて帰宅した。ついでに飼い主であるねこまに手傷を負わせて。恩知らずと彼女は怒っていたが、恩知らずと身勝手と気まぐれを捏ね合わせて出来たようなイキモノにそんな非難を浴びせても仕方あるまい。とりあえずヤツは、夕飯を食って身づくろいができるまで回復した。いまだに臭くてしょうがないのだが…ま、これは追々、丸刈りにしてやれば抜けるだろう。それまでには僕も相当の手傷を負う羽目になりそうだが。
 ちなみに病院ではペットの里親探しや「譲ります」の告知が壁を埋めていて、それはそれは危険な眺めだったらしい。一緒に行かなくて良かった。「サルキの子犬譲ります」とか「ウルフハウンドの雑種あげます」なんて告知があったら、どうなっていたやら。うむ、さすが札幌一の獣医院と呼ばれるだけのことはあるな、T動物病院。おそるべきデンジャーゾーンである。

 で、今日の僕はというと、とりたてて何も。だから猫なんかネタに無理やり日記を書いてるんだが。<書かんでエエて

7月17日(火) 曇のち晴
 レゴに炭酸水が…いや、コカ・コーラにレゴがついたキットが出回っているのを見つけては、ついつい買い漁っている。ブロック好きなんだよなぁ。なんかこう、つい手を出してしまう。あのカラフルな色もそうだが、こうカチカチ嵌め込んで形を作る行為が僕の性に合ってるんだろう。こないだ見つけてきたクリアのダイアブロックなんか、無意味にガシガシくっつけてアヤシイ塊になってるし。
 そういう見方からすると、人形とかカメラとか恐竜とか、決まった形でしかない今回のオマケは、いささか横道なのかもしれない。でも、それはそれでシンプルな造形とビビッドな色が楽しいのだ。かくて今日もコーラを2本ばかり購入。う〜ん、スケルトン出ねぇなぁくそぉ。
 問題は、我が家では誰もコーラを飲まないということだ。猫にいたるまで皆またいで通る。おかげで余ったコーラは、手近な友人知人そこらのガキへ無料進呈と相成っている。これで8個…う〜ん、でもスケルトン出ねぇなぁくそぉ。
 ……バカ?とか聞かないで欲しい。分かってるんだから。

7月18日(水) 晴
 仕事の関係でDreamweaverをイジることになり、まず下準備がてにとFireworksを触ってみた。
 こういうツールが手軽に買える時代になったんだなぁ。感慨深いぞヲイ。
 他のモノを試したことがないので無知なだけかも知れないが、とにかく簡単に綺麗なサイト用素材が作れる。オブジェクトが移動するだけの簡単なアニメGIFは、1分もかからずに出来る。ポップアップメニューだって、文字入れてURLをコピペして背景を選んで、いっちょ上がり!いろんなボタンもさくさく作れて、出来栄えは文句のつけようが無い。複数ファイルの単語も一発変更。しゅっげぇぇぇぇ!
 と、思いつつ、なんか妙にムカツクんですけど。エディタでちまちまHTML打ってきた身としては、なんかさ〜、今までオレたちがやって来たことって何?つー気がして。無常感と言ってもいいですかね。<大袈裟
 すげーやすげーやチクショウと呟きながらいろいろ作ってみて、出来上がったページの美しさにひとしきり見ほれる。うむ、話のタネに友達に見せよう!
 でも、トップ絵とメニューだけで、1ページ500kb近いんだけど。グフッ。使えねーよコレ。世の中が全部ブロードバンドになるまで封印。所詮は容量との闘いさッ!
 ↑もちろん、画像を全てpngで保存していたため。笑ってやってくだせぇ

7月20日(金) 曇のち晴
 久しぶりの連休初日、自動ゲームプレイ君((c)TAKO’S師匠)と化して過ごす。モノは発売されたてトレトレのFFX。
 う〜む、10本目か。感慨深い。いや別に関係者じゃないけどさ、学生時代にファミコン買って、最初にハマったジャパニーズRPGがFFだったんだよね。ああ、目を閉じれば想い出すあのオープニング……長ぇプロローグだったんだよなぁ。
 で、今日はねこまが昨夜通った道順を辿りなおすというミッションである。典型的な「地図の読めない女」である彼女が、迷うのを恐れるあまりアイテムほったらかして駆け抜けた道を、拾い物と経験値稼ぎをしながらじっくりと歩き、同じ時点へ追い着いたデータを作るのだ。で、どうするかって?今夜ねこまが、それで続きをやるのさしくしくしく。
 泣いていても始まらないのでゲームスタート。後ろからちらちら覗いていたので、ほとんどの展開は頭に入っている。主人公はブリッツボールなるゲームのスタープレイヤーだが、伝説的なプレイヤーだった父親へのコンプレックスを抱いている。つことで名前を「カズシゲ」に……。
 ねこま「やめんかバカモノ
 はうっ!ま、まだいたのか君。早く仕事に行きなさいね。
 さて「宿命&巻き込まれ」複合型の主人公君。トラブル続きの展開は、本シリーズ偶数番はスカポンタンという経験を裏切ってなかなかに面白い。何より「親父の旧友?に親父の残した剣を渡され(すげー強引に)旅に出る(というか、出される)」てぇのは王道だ。たぶんこの先、親父の影がチラチラすると見たね。で、どっかのダンジョンの奥深くで再会するんだ、さつじんきの親父と。いや〜、あの時のショックったらなかったよな。ほうぼうで「お父様そっくり」「後を継いで立派な勇者に」とか言われ続けた挙句にさつじんき。男の子だから我慢したけど、女の子なら自殺モノ……ってハイ、これはドラクエの話でしたすんまそん。
 難点と言えばイベント部分の「間」が妙に歯切れ悪いことがあるぐらいか。台詞回しも良し、キャラも初手は入りにくいが、慣れるとなかなかに味がある。ゲーム全般も、それなりにイケる。イベント間を繋ぐ歩き回りと経験稼ぎ、といえばミもフタも無いが、バトルは軽快だし敵も個性的、マップとイベントの秀麗さは言うまでもないので苦にならない。そこらの設定をカスタマイズできるコンフィグも多いのでウルサ型はさっさと切り替えて遊べる。
 一番感心したのは、初心者に優しい作りだということ。ロープレ初めてでも、ちゃんとゲーム中の説明を見聞きしていれば、おそらくすんなり遊べるようになると思う。これ、ゲームが普遍的になってこのかた、ずいぶんと等閑にされてきたコトなんだよね。この1点においては、FFXはエライ!と断言してしまおう。まだ序盤だけど。この先にベタベタな展開や無意味に強い敵や長いだけのダンジョンが出てきたとしても! <どうして10作目まで付き合ってるのだ

7月21日(土) 晴
 片付け物をしつつ、作りかけのSD●●●●●を削ったり盛ったり削ったり盛ったり削ったり盛ったりしながら過ごす。本日正式稼動のスプレーブースの効果もあって、なかなかに快適な作業……ああっ!スプレーブース製作記を書こうと思ったのに、忘れてたよ!なんてこったオーマイガー!シーット!ハラキリテンプラスキヤキゲイシャ!
 ま、いいか。どうせそう大勢が読んでるページでも無いし身内にコッチ趣味はほとんどいないし。自分の記録用なんだから、後回しっつーことで。

 夕暮れ時、買い物に出る。仲間のマスターオブゲームマスターこと柳刻満氏が入院されたと言うので、見舞いの品など整えようと思ったのだ。アイピローやスクイーズボールなど、リラックス系グッズを購入。どうしたってベッド中心の生活になるからねぇ。
 というわけで、考えていたブツは問題なく手に入った。が、そのままねこまの勤務先へ行こうとしてふと気付くと、手には「いっしょなのニャ!」と言いたげなトロがぶら下がっているではないか!ううむ、ナンとしたこと!そういえばさっきマクドで差入れ用のシェイクを買ったが、そのレジに並ぶ時に既に一緒だったような記憶がある。うむ、いっしょなのニャ!……て、誤魔化す意味ありませんなハイ。
 それにしても、このトロの出来は良い。縫いぐるみとしての造形も良いが、ギミックが仕込んであって、手で物を挟めるようになっている。この腕の角度が絶妙なので、例えばマウスなんかを持たせると胸に抱えてるように見えるし、カーテンに止まらせると、その陰からそっと覗いているような印象になるのだ。デザイナーのセンスと腕ってやつだよなぁ。感服である。
 しかし感服はいいんだが、おかげで我が家には今、同タイプのトロが3匹もいる。嗜好の似た人間が一緒にいるというのは、ことほどさように危険なのであり、やはりここはヤケになって言うしかあるまい。いっしょなのニャ!

7月22日(日) 晴
 かねて注文しておいた桃が届く。香り芳しく瑞々しくいっそ艶かしくさえあり、頬ずりしたいような色艶である。今はしないけど。
 これ、Webで通販をされている1ばん桃がすき!こと「越智桃園」さんで、贈答用の規格を満たしてないものを集めたパックなのだ。今回ラッキーにも買えたので、こうしてかぶり付いている。こういう「規格外」が地元でなくても手に入るってのは、やっぱWebの効用だよね。文字通り美味しい点じゃ、むぐむぐ。
 それにしても、どこが規格に合わないというんだろう。外見は上に述べたとおり麗しいし、歯ざわりさっくり&プリプリ、ジューシーこの上ないというのに。よほど厳しい選別をされているんだろうな。僕なら黄泉比良坂で鬼に追われても、これを投げる気にはなれんぞ。<自分が喰われるて。

 午後、ねこまにつきあってFFX。
 ハマり込みのぼせ上がりバンザーイ!と叫ぶ気にはなれないが、進むほどに楽しめるようになってキャラクターにも馴染んできた。特に、従来FFシリーズではイマイチだったヒロインが、今回はいいと思う。なんつーかこう、一個性として可愛いのだ。こういう娘さんが現実にいたら、僕だってガードに志願したかも知れぬ。って、そんなモン必要な世界で、生き延びることすら自信ありませんがハイ。
 しかしアレだ、キャラは良いが衣装デザインはどーにかならんかったんだろうか。特にメインキャラ2人がなぁ……よく見かけるポスターの図柄で主人公が水に半身漬かってるのがあるが、アレ、胴長靴履いてカジキに挑む魚河岸の若い衆みたいでイタダケない、と思ったのは僕だけだろうか。ヒロインはもっと難だ。成人式に行く途中で切り裂き魔に遭って、命からがら逃げたけど後ろ身ごろ(つーのか着物の場合)を剥ぎ取られました、という風情である。僕のユウナたんに、こんなモン着せるな〜!とか叫ぶオタ青年がいたら、陰ながら声援を送ってもいい。つか絶対に表立ってはやりたくありませんけどね。

 今日は柳刻満氏の見舞いにも行ったのだが、それはまた別の機会に、不特定多数にではなく話したい事になってしまった。ともかくも、一日も早いご本復を祈るのみである。氏の趣味に合わせるとハ●ターとかナ●アルラト●テップとか、ヤバげなものに捧ぐべき祈りかと思いつつ。

7月23日(月) 晴時々曇
 暑い。しかも湿っぽい。必然的に蒸す。じわあっ、とまといつく温気が堪らなく不愉快だ。関東・関西方面の友人たちが体温並みの暑さに耐えていることを考えれば、これしき……と思うが……これしき…………これしきやっぱり我慢できんわぁ!
 というワケで寝付かれないまま、またねこまのFFXを横目に削り作業にいそしむ。使い慣れた切り出しでガシガシやってると、エポパテの上でツルッと滑ったりしてなかなかスリリングだ。しかしちっとも涼しくならんな、かなり心頭滅却してると思うのだが。<用法間違い
 ひと段落したところで、コントローラを受け取って自動ゲームプレイ君@経験値稼ぎ。おう、この辺の敵は結構イヤったらしいな。お?おおお?おお?
 初全滅。
 ねこま「司・葉・ク・ン・?」
 ……かなり涼しくは、なった。もっぺんやろうとは思わないケド。
7月25日(水) 晴
 土用丑の日。昼食に鰻重(ただしコンビニ弁当)など買って、大昔のコマーシャリズムに乗ってみたりする。江戸時代から連綿と続けばキャッチコピーも伝統か、と妙な感慨にふけりつつ店内をウロついてたら、コーラのオマケのレゴがいつのまにか消えているのに気付いて愕然とする。まだスケルトンが手に入ってないのにぃ。うう、もちょっと乗ってたかったよ現代のコマーシャリズム。<ちょっと違う

 仕事関係の某所でウイルスの被害が発生し、対応に駆り出される。モノはこの17日に発見(トレンドマイクロ社)された、トレトレのSircam。知人からのメッセージを装いソレらしいタイトルをつけて「元気?アドヴァイスしてほしいんでファイル送るね。よろしく、う・ふ★(一部誇張アリ)」なんて本文に、Officeや画像のデータをくっつけて来るというモノだ。
 英文のメールをよく受け取る、友達とファイルのやり取りが多い、拡張子を非表示にしてるなんてぇ人は力いっぱい要注意だ。メールを片端から開くような無用心者は論外としても……つか、イマドキそんなヴァカ者はPC触るな近寄るなって気もするが。つかオレサマの睡眠時間を返しやがれゴルァ!<実は怒っているらしい
 ちなみにSircam、上にあげた器用なメールをバラ撒くほかに、時間の経過とともにマシン内で悪さを繰り返し、一定確率でゴミデータを作ったり、大当たりとしてファイル消去をカマしたりするらしい。うむ〜、こうなると本当にナマモノくさいなぁ。作った人間には一種敬服するぜ。つか、こんなモン作るアタマがあるなら、もっとマシなことに使いやがれゴルァァァ!<とても怒っているらしい

7月26日(木) 晴
 『雪が降る(藤原伊織/著、講談社文庫)』読了。『テロリストのパラソル』で、不覚にも(文字どおりだだ〜っと)泣かされた作者の短編集である。
 タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格が無い……というのはマーロウ以来ハードボイルドのお約束だが、この本の作品は古語の「やさしい」、身も細るような哀しみや切なさを背負った男たちを描いている。それも人並みはずれてなんかない、ごく普通の男が、人生の一刹那に見せる強さの中に。泣ける。泣けますじわぁっと来ます。一歩間違うと人情話やお涙頂戴になりそうなとこをぐぐっと踏みとどまっている静かな筆致が堪らないッスよう。
 やせ我慢の男たちに、乾杯。やはりバーボンがお約束だろうか。

 とか言いつつビールが呑みたい夏の夜。
 しかし僕は明日、健康診断なのであった。19時までに夕食を済ませ、21時以降は水も制限されている。が、しかし再び、僕が夕食にありついたのは21時を30分以上回った後のことだった。
 まぁいいやな、その分起きてりゃ消化するべ?FFXに付き合って3時ぐらいまでがんばりゃいいや!
 (注:そういう問題ではありません。また、健康診断前に寝不足は厳禁です。)

7月27日(金) 晴
 健康診断を受けに、市の中心部の専門施設へ。早くから受付をする(つか7時15分から8時30分までしか受け付けない)施設なので、ラジオ体操でもあるまいに6時起床である。眠いの眠くないのって。まるで遮光器土偶みたいな目をして、ヨロヨロ辿り着いた。
 さて検査自体は滞りなく済んだが、バリウム検査後に白衣のお嬢さんがピンクの小粒(いわずと知れたアレだ)を複数個、執拗に勧めるのに閉口する。慢性胃腸虚弱の僕には、1個で十分ではないかと思うんだが。しかし譲らぬ相手に、結局は根負けして2粒口にし、おかげでしばらくトイレの住人になる。だからな娘さんや、自分の身体のことは自分が一番よく知っておるのじゃよふがふが。

 昼食時間を挟んで結果の説明があるというので、しばらく時間を持て余す。それではと照りつける陽射しの下(大通公園のビヤガーデンに飢えた眼差しを注ぎつつ)東急ハンズへ。愛用のリューター(とか言いつつ、こないだまで「ドメル」とか読んでたんだが)の延長ツール、フレキシブルシャフトを買おうと思ったのだが……。
 高ぇ。せいぜい5千円がとこ、と踏んでいたのだが9千円弱である。精密機械なんだからとは思ってみるものの、無くても困らないって辺りが非常に微妙だ。どうしようかな〜。柾樹困っちゃう〜ん。<ヤメレ
 しばし黙考した挙句、取り合えず今回は見送りということにして、その場を去る。よしよし、我慢できて偉いぞ僕。ご褒美にビットを1個買ってあげよう!<こんなんばっか

7月28日(土) 晴
 通院の日。昨日に続いて看護婦さんのご厄介になる。で、今日は注射2本。採血と投薬、抜いたり入れたり忙しいこっちゃ。
 帰宅後は新しいビットを使って削り作業。ひたすら集中して取り組んでいたが、ふと気付くと右手がリューターの振動で麻痺している。力が入らないもんだから、ビットの付け替えが甘くて危うくブッ飛ばしそうに。う〜ん、やっぱシャフト買わねばダメかもなぁ。つか買うべ。<決定してるんじゃねぇか

 『未明の家〜建築探偵桜井京介の事件簿〜(篠田真由美/著、講談社文庫)』読了。
 良し悪しはさておき、人物が少女漫画っぽいなと思う。実は超のつく美形の青年探偵、過去の経緯から本名を明かさない少年助手(?)。そして豪腕にして技術に強い探偵の友人ときて、その前に現れる美少女の依頼人。他のキャラクターの設定も然り、言葉遣いなどもネームっぽい感触がある。これは、誰の内部にも入っていかない書き方のせいもあるんだろうな。同じように非現実的なキャラ集団がいても、表現方法と感触がまるで違う京極夏彦作品と比較すると面白いかもしれない。
 さて物語。ミステリの楽しみを犯人探しに求める人には、この話は薦められない。キャラクターが出揃った時点で分かってしまう。
 しかし、本編の楽しみはそこにあるのではない。事件現場の「家」にまつわる、心痛む美しい物語を解き明かされたときに初めてそれを実感できる。そう、表題にあるように、これは事件ではなく建築物の謎を読み解く探偵の事件簿なのだ。そのために全編を通じて細緻に語られた家の姿が、ラストで目の当たりに浮かんでくる思いがして、一種独特の感動がある。いみじくも作者の好む「建築ミステリ」の多くがそうあったように。
 これは続きを読みたいものだ。急いで探すほどではないが、見つけたら即ゲットを心に決めておこう。

7月29日(日) 晴
 朝からきつい陽射しを浴びつつ、近在の小学校へ投票に赴く。とりあえず、大河の一滴でも己の意思は示さねばなるまい。とかエラそうなこと言いつつ、壁に貼られたウサギの絵なんか眺めてほのぼのしてたりもしたんだけどね。んで帰り道は公園を抜けて、この春生まれた若い鴨など眺めてそぞろ歩く。うむうむ、よく肥えて旨そうだなぁ。<ソレはほのぼのじゃない
 続いて、改造材料を求めて100円ショップへ。リューターのビットを並べておく台を作ろうと思ってるのだが、なかなか都合の良い物が無い。とこうするうち、他にオモシロげなものをみつけてポイポイ籠に入れてしまう。だってさぁ、台を作って立てようと思ってるモノ本体があるんだよ?砥石ばっかりだけど、100円となれば使ってみなくちゃでしょう!あとT6ドライバとかノギスとか、すんげぇマニアなものが……とか浮かれていたら、ねこまが何やら得体の知れないガラクタを籠に山盛りにしていた。うぬ、無駄遣いの多いヤツめ。たぶん敵もそう思っているだろうが。
 さらにホームセンターで買い物をし、さて帰ろうと思ったらねこまの自転車のタイヤがパンクした。家までかなりの道のりだし、手持ちのリペアキットはかなり古い。ついでに時間も惜しいとあって、手近の自転車屋に依頼して帰る。人はこうしてナマケモノに退化して行くんだなぁ。

 帰宅後はFFXに付き合いつつ昼寝。ナマケモノぶりに磨きをかけてみた。が、空腹につられてレベル稼ぎを請け負ってしまい、結局は周囲に転がる猫に敗北。そもそも此の種目において猫に勝とうってのが間違いのような気もするが。本職だって苦戦するだろう。いやナマケモノが職業かどうかはさておいて。


翌月へ




[ 銀鰻亭店内へ ]