店主酔言

書籍・映画・その他もろもろ日記

2004.5

 

 

 

 

 

 

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5月1日(土) 晴

 ゴールデンウィーク初日。一応4月29日も休みだったのだけれど、その前後があまりなビジーっぷりだったんで、ひたすら寝てた以外の記憶が無い。つーか意図的に消したきらいも無いではありませんが。ええ、思い出したくもねーです、突発的な仕様変更とか納期調整とかアレとかコレとか。しまいにはナズェルラギッタンディス!とか俺の体はボロボロだ!ムッコロス!とか、『仮面ライダーブレイド』の物まねが飛び出す職場になってましたもんね。ああっ、別の意味で忘れたいぞっ!
 かくて雑念を振り払うべく、せっせとパテを捏ねては盛り付け、固まる間に木材を切る。で、接着してる間にパテ削りと。うんうん、効率がいいなあ。こうして連休が終わる頃には何かは形になってるだろうし、イヤな事は綺麗サッパリ忘れていられる筈だ。
 ま、問題は、その時点でまた思い出さねばならんということだけどね。切ないのう。

 相方の誕生日にとアマゾン・ドットコムに注文していた『カリキュラマシーン』DVDボックスが届く。僕は子供の自分にろくすっぽ観ていなかったんだけど、「助詞」の解説に「おとこ の むねで なく」なんてのがある幼児番組ってのは今考えても相当にシュールだぁね。数年前にやってた『ウゴウゴルーガ』なんざぁこれの大人しいバージョンかも知れないや。
 ところでこの番組、やたら出来のいいゴリラの着ぐるみが当たり前のように日常生活に出てくるんですが…ひょっとして『クロマティ高校』のゴリラって、ここから来てる?


5月2日(日) 晴のち曇

 ここ数日テレビの調子が悪い。普通に眺めてるといきなり画面が真っ青になる。テレビのくせにブルーバックたぁ不届きな。実は密かにウインドウズ搭載してたのかお前?とか罵りつつ、一生懸命目を凝らしてアニメ&特撮鑑賞。うう、目に悪い。<やめろよ

 『鋼の錬金術師』は、原作と全く違った展開を爆走中。言葉でのみ語られ、読み手の心に委ねられてたイズミ先生のエピソードを半ば現在進行形にして波乱を大きくしているのが見てて辛い。子を喪った母の嘆きや哀しみをネタにされると弱いんですよアタシゃ。脚本家さん達がどう着地させるのかにも興味ありますけど、あんまり派手にブッ壊さないで欲しいな〜とハラハラしてるのも事実。あ、あとギャグのテンションも落とさないで欲しいっす。今週の「肉対決」ちーとも盛り上がらなかったのは責任者出て来いモンでしたな。<出てきて何をしろと
 ところで先週あたりから登場してるアニメオリジナルの「アーチャー中佐」なるキャラクター、戦争好きとの風評つきの冷徹な印象がどーにも「塩沢キャラ」だなぁと思うことしきり。演じてる声優さんには大変失礼なのだけれど、あの声のほうが絶対に似合うと思う。もう4年も経つけど、こういう事は時々あって、そのたび寂しくなる隠れファンであった。

 『デカレンジャー』は、ちまっこくて可愛いウメコが異星人のベビーシッターをする話。冒頭からボスのカミナリつきで飛ばしていって、戦闘までほとんど一人で片付けてしまいました。本来5人でカウントダウンする必殺技がピンク一色なのには笑いましたぜ。いいぞもっとやれ!

 『ブレイド』は、少し前から急に見られるドラマになってきてる。「目を覚ましてくださーい!」とか叫びつつ先輩にバイクアタックかまして「永眠させる気かよ!」と全国の大きなお友達からツッコまれている主人公・剣崎(長っ)だけど、彼が少しマトモになってくるとともに話の流れもようやく形になってきたのだ。今更って気もしないではないけれど、なんとかヒーローものらしい路線に戻ってるかな。当初からこれだけは機能していた「キャラクター同士の支えあい」が、しっくりかみ合ってきたのも評価できる。が、ここへ橘が戻る理由が、やはりとしか言いようの無い恋人の死ってのはなぁ。そこへ至るまでのダメっぷりが酷かったから、可哀相な女医さんは犬死にしか見えない。この後またヘタレて禁断症状ネタとか「アンデッドは全部敵」の単純化とか持ち出したらムッコロシますよキミ?
 とりあえず、いまだに人間達は足元定まらず、アンデッドライダー・カリスこと始だけが苦悩の果ての帰還を果たして人生(なのか?)の節目を乗り越えたところ。特撮シリーズ物が映画企画と併用になって脚本が虫食いになるシーズンへ向けて、不安を抱えたまま突入なのかな。


5月5日(水) 晴

 久しぶりの好天に恵まれ桜が一斉に咲いた端午の節句、世間的には子供の日、我が家においてはねこまの誕生日。なぜかカレンダーを読み違え今日はまだ4日だと思ってたので慌てふためいたものの、人生の折り返し地点ということでさのみ目出度くもあるまいと腹の中で憎まれ口をききつつプレゼントとケーキを用意した。ちなみに前者はフィギュア用の飾り棚である。業の深い連れ合いよのう。
 ねこま「日記に書いた時点で全部バレるんですけど、気付いてる?」
 は………はははは。何を言うんだ冗談に決まってるじゃないか。いや、だから殴るなと言うに!

 で、僕にとっては休暇の最終日なのだが、溜まりに溜まった雑用を片付けただけでさっぱり発展性がない。せめてゲームをクリアしようとTV(一昨日の夜中、いきなり復調)に向かい、まずは『サイレントヒル2』…って、いつの時代から放置してたんだか。とまれ、未見のエンディング「Maria」と「いぬ」を目指して鉄錆臭い闇の中を疾走。それにしても主人公、ガタイはいいのに何でこうすぐに息を切らすかね?実は虚弱夫婦だったのか?
 さて、クリアしたところで感想。「いぬ」は『1』のエンディングクレジットのNG集みたいなモン、好きの嫌いの言うは野暮ってもんでしょう。これまでの経緯も情感も全てブッ飛ばしてヘラヘラ楽しむしかない。プレイヤーのSAN値を引き下げて放置するお馬鹿エンドが『4』にも存在しますように。
 で、「Maria」はというと、悲哀と懊悩とが押し詰まった狂気の世界で、言うなれば開き直ってしまうという、後ろ向きに全力疾走な話。これに比べりゃ「In Water<」のほうが正道かも知れない。
 とはいえ、それが嫌な感じかっつーと、意外にそうでも無い。マリアという女性のポジティブなキャラ立てによるところもあるけれど、やはり最後の手紙が「赦し」をもたらしているのが大きいと思う。別なエンディングでナレーションを聞いたときは長々しく鬱陶しい印象があったのだが、このエンディングで流れるそれは、ひたすら切ない愛に満ちていて泣かされる。同じ言葉なのにシチュエーションで違ったカラーに聞かせるあたり、上々の出来ですな。これでゲーム全体が冗長でなければねえ。
 ところで最後にひとつシンプルな疑問なのだが、「いぬ」は何で柴犬なんだ?いや、ツッコミどころはそこじゃないかも知れませんつーか、アレだけ不条理な腰砕け解答を突きつけられてなお疑問をもつ方が変だっつー話もありますし、相方の如きは「可愛いからいいじゃん!」でケリつけましたけどね。妙に気になるんだわ。他のゲームのキャラなんだろうか。誰か教えてプリーズ。

 続いて『ネビュラ』に突入し、今度は臭いどころか空気も無い世界を、またもや疾走。が、徘徊悪霊に追いつかれ、またもやバッドエンドでプレイヤーの体力切れ。シリーズのファンながら、そろそろ根性も尽きるかも知れないなあ。


5月8日(土) 晴

 朝一番にTVとビデオがやってきた。ひところブルーバックしたりバチバチいったりと怪しい気配を見せていた先代を御役御免にして導入した新型だが、ここ一週間、旧型の調子がすこぶる良くなっていたのはちょいと理不尽のような気がする。ちょっとしたサボタージュだったんか?それとも、最後のご奉公で頑張ってくれたのか?
 いずれにしても黒くてデカい10年選手の去った後を銀色のスマートな新人が占めて、部屋の片隅がすっきり明るくなった。あとは周囲のガラクタが片付けば…いつの日か、ね。<ダメダメ

 『スペシャリストの帽子(ケリー・リンク/著、金子ゆき子&佐田千織/訳)』読了。数々の賞をものした作品の詰まった短編集…なんだが、どうにも面白く読めなかった。オリジナルあり様々な童話をベースにしたものありのストーリー群は、いずれも夢の中の情景のように巡る事象の連鎖で綴られ、シュールかつ幻想的にイメージは広がってゆくのだけれど、それで?と言いたくなるオチなし。しかも同工異曲が連ねられてるもんだから、万華鏡を次々と覗いてるような感じでしまいに飽きる。読む人を選びますな、これは。
 ちょうどアマゾンから10数冊届いたので、とっとと次へ行くとしますか。

 例によって週末の掃除&洗濯を終え、『鋼の錬金術師』を観る。
 あの子がラース(憤怒)?原作のアレとは随分と違ってますな〜。って、扉の向こうから戻ったイズミ先生の子って時点で、もう全く違う物語だけどね。しかも人造賢者の石を食う!でも普通にメシも食ってたよな?どういう理由付けがあるんだろ?
 とまぁ、そういう子供に出遭って全てを知り、かつその手足のゆえにだろう、人知れず扉の向こうへ還そう(殺そう)としたイズミ先生の葛藤が見えてきて辛いエピソード。デヴィルズ・ネスト組の活動もハデになってきて、原作では未だ動きの無い「爆殺魔」キンブリーが絡んでるあたりで更に殺伐としていきそうです。
 そんな中へ一服のギャグを期待したいアームストロング少佐なんだけど、どうも脚本家もアニメーターもこの人をネタに使う時の感覚がなってませんな。マンガのコマで言うなら4段ブチ抜きから見開きぐらいの範囲でばばーんとやってくれにゃあツマランのですよ。シリアスなストーリーにお笑いを織り込むのは難しいけど、半端になるならやらんほうがいいッス。特に今回、対イズミ先生バトルの手抜きを誤魔化すつー大目的があるんですから、もっとハデにやってください。画面一杯の暑苦しい筋肉を期待してます。僕は目を背けますが。<ヘタレ


5月9日(日) 晴

 買い物に行こうと相方と表へ出たら、素晴らしく可憐な声の猫が寄ってきた。見ると、先々週ハンズへ行った帰りに出くわしたヤツだ。か細い声にほだされてついオヤツを出してしまったのだが、うっかり取り落としたそれをガシ!と猫パンチで押えたと見る間に咥えて電光の速度で遁走したヤツ。つまりあのか細い声音は「なんか寄越せやゴルァ」と言ってたのだよ。ええい、もうその手に乗るか!と無視しようとしたんだが、なんと敵は腹が大きくなっている。うーん、これは…と、気が付いたらまたポケットから猫用チーズが出てきてる我が身の不甲斐無さ。我が家のデブ猫より一回り小さな雌猫に勝てないとは口惜しい。悔し紛れに彼女を「カツアゲちゃん」と名付けることにした。いや、それが何だという話ではありますが。

 帰宅後、ビデオ録りしといた特撮を鑑賞。なんつっても今日は『デカレンジャー』ですな。ボスの変身ネタで、やるだろうと思ったことを全て詰め込んでみっちり見せる魅せる。マスターってぐれぇだから並外れて強いんだろうな〜とは想像してましたが、想像以上っす。採石場!フラッシュ!爆発!剣戟!一刀両断!ってこれはもう往年の「宇宙刑事」だよな〜。メカ兵士100体斬りは笑えるほど爽快でしたぜ。
 で『ブレイド』も戦闘シーンに力の入る一話。バイクで階段駆け登りあり大ジャンプ→ガラス撒き散らして墜落あり、空中戦ありと充実。がしかし、話のほうはどうにもならなくへっぽこだ。ストーリーは分かるんだけどさ、台詞や場面の積み重ねってのをどう考えてますかねこの脚本家は。端的な例が烏丸所長のチベット行き。そもそも話の始めにチベットルーツのこと振っておくとか、今回の冒頭で橘を説得しようと「自分は調査に行くから研究員でもある君に残って欲しい」と言うとか、前振りのしようは幾らもあると思うんだ。それが無いからどのネタも唐突で、かつ尻切れトンボになっちまうっつーに…。
 芝居がだんだん上手くなってきた役者たち(特にカリス)が気の毒だ。なんとかテコ入れしてやって欲しいな。噂では555のハチャメチャ脚本家が降臨するらしいけど。<ダメやん

 午後、カツアゲちゃんがまた庭に戻っている。最近よく近所で見かけるでっかい野良が一緒だ。ちなみにこっちはもの凄いまでのシャガレ声なので、一発で「ダミやん」と命名。仲良く寝そべって陽光を浴びているさまが微笑ましい。
 がしかし、キミらがそこに居ると大家さんちの犬(アイヌ犬、3歳)が吠えまくるんだよね。うるさくてやり切れません、どっか移動してくれまいか。つか、怖くないですかアウトオブ眼中ですか?犬の立場ってものも少しは考えてやってくれませんか?

 昨日届いた本の山から、コミックのみ抜いて読み漁る。『20世紀少年』『エヴァンゲリオン』『よつばと』などいずれも楽しく読めた(ことに『よつばと』は当初はっちゃけ過ぎてた印象が、日常レベルの奇矯っぷりに落ち着いて楽しい)が、今日の収穫はやはりこれ『フラワー・オブ・ライフ(よしながふみ/著、新書館)』。
 この人の学園物ってのは想像できなかったんだが、開いてみたら例によって流れよく練られたストーリー構成で、中年の身でも素直に入り込める物語になっている。さらに、常に倍してギャグのテンポが良い上に早いっつーよか速い。テンションも高くて突き抜けまくり。声に出してげらげら笑っちまったのは久し振りだ。
 何より魅力的なのはしっかり形作られた人物群。誰を取ってもキャラクターが多面的なのはいつもながら凄い。外見と思考パターンは秀才タイプのくせにテストは赤点まみれ、ヲタク思考どっぷりなのに硬骨漢、だったら運痴かというと腹が割れててバサロ泳法やらかすような真島君なんて、ちょいと思いつかない。いや、まぁ彼は特別作者に目をかけられてる気もしないではないですが。番外編のコミケ話、次は冬を期待してます。<落し所はそこか?


5月12日(水) 曇

 本日の天気は東京のもの。この歳になると嬉しくも恥ずかしくも無い、日帰り出張先である。
 そもそも、僕は東京が苦手だ。夏の暑さは論外として、湿気のこもったあの空気の重さが耐えられない。なんかこう、重力が違う気がする。訪れるたび、ひょっとして今まで知らずに火星で暮らしていたのではなどと疑ってしまう。
 で、さらに嫌なのが飛行機だ。どうも耳の構造が地球人と違っているようで、離着陸時にえらいダメージを食う。酷い時は絶叫しそうなほど痛い。ハムレットの親父だってここまで痛くなかったろうと涙目で思いつつ、唾を飲もうが生あくびをしようが耳抜きしようが治りゃしねえ。痛む耳で打ち合わせに臨んだって良いこと無いっすよ。
 というワケだが、それでも仕事のため、またちょいとした時間をこさえて地元で入手できないグッズを漁るのを楽しみに、今回もまた機上の人となる覚悟を決めたのである。だが、ここで最大の難関が立ち塞がった。あろうことか目当ての店が休みなんである。出張の意味ねーじゃん!(をい)

 つーことで昨夜、僕はヒロツさんちのカフェでその旨愚痴を垂れたのであった。
 わが畏友ヒロツ氏は、これに次の如き慧眼を向けた。
 「メイド喫茶? メイド喫茶?」
 …いや、メイド喫茶は開いてるよヒロツさん。つか札幌にもあるし。<調べたのかよ

 というような憂愁を抱いての旅(をいをい)の道連れに、血腥い系統は相応しくない。かといって薄っぺらなものは物足りない。そこで選んだのが『ボタニカル・ライフ(いとうせいこう/著、新潮文庫)』。既に何章か読んでるのだが、園芸とは結びつかない「ハードボイルドだど」な文体が今の気分にうってつけ。それに今回の行き先はこの著書における活動の本拠地なのだし。
 いったい、東京の人がベランダに物を置く基準というのは、僕ら雪国人種には想像すらできないものがある。はるか高みに犬小屋がある。野天なのに洗濯機がある。そして床部分を覆い尽くすようにみっしり置かれた植木鉢。この地を訪れるたび、どうやって世話をしてるんだ?いやさ、そもそも配置はどうしたんだよと電車の窓から首を捻っていたんである。
 本書はこれに答えを齎すものであり、またその限られた領域で植物と真っ向から生の在り様を見つめ合う作者の日々を綴った真摯な記録で…は、まぁそこそこに、ある。だがしかし、実質はつーと、植物にハマり魅入られついうっかりと種類を増やし、かつは手をかけ増殖させて捨てることもできず鉢の置き場に悩み、あげく水草のついでに金魚やメダカまで飼ってしまうという、どっかで見たような暮らしなんである。もうなんつーかその、親近感持つなっつーほうが無理です。おまけにその葛藤だの誘惑だの敗北だのを記す文章がとにかく面白い。「シクラメン」との攻防を一度も笑わずに読めるヤツはいるまい。あと、特に最後のヤツ、負けっぷりが潔く楽しくかつ圧倒的に多い(ここ重要)ことも、また同好の身としては嬉しいものなのだ。ほらな、僕だけじゃないんだよ。だからもう一鉢増やしてもいいよな、な?<子供の論理と人の言う
 ただ惜しむらくは、どんなに共感しようと僕にはベランダーたる資格がない。住んでる部屋にベランダが無くて窓辺園芸だし、と思うと大家さんの庭に勝手にテッセンだのアジサイだのラベンダーだの投入してたりもする、いわば日和見派なんである。都会の片隅で植物たちと飽くなき攻防を繰り広げつつ共に生きる道を模索する、そんな漢の世界には憧れるのみである。
 つーか、ベランダでなくても出窓つきの部屋に越そうかな?そしたらもう少し増やせるよな?な?

 ちなみに出張ついでのグッズ漁りは、あろうことか第二候補の店も休みだったために完全な不作であった。札幌でも買えそうなラインナップに憂鬱になり、思い余って某メイドカフェへ飛び込んで6分の1スケールの衣装を土産としてしまったのは遺憾の極みである。笑うなヒロツさん!

 ちなみに、第一希望はアゾン(ねこまの欲しがってる人形がある)、第二希望は海洋堂ホビーロビーだったあたり、我ながらブツヨクストの業の深さを感じるばかりである。
 …次に出張へ行く時は水曜以外がいいな。<をいをいをい


5月13日(木) 雨

 昨日の東京土産を着た人形がねこまのコーナーに立っている。赤毛のシオンをでっかい胸のボディに換装したヤツなんだが、これがなかなか似合う。彼女のおぼえも目出度かった様子、何よりのことである。
 ただ、この衣装、僕の趣味から言うとちょっと裾が長すぎる。あと、そこについてる白のフリルは要らないなあ。ちゃんと仕事をするメイドさんは、ふくらはぎの半ばより少し長いスカートとそれにマッチしたエプロンで、慎み深くはあれど機能的に軽快にたち働くものだと思うので。そう、森薫氏描くところが理想なのだよな。うーん、いっそこいつをカットして改造。
 ねこま「触ったらコロス」
 …もう1着買ってくれば良かったかなあ。いやどうせ献上品になったと思うけどさ。

 東京行で思い出したのだが、9.11以来の厳重警備は今なお続いているようで、刃物はかなり小さなものまで機内持込を制限されていた。かくいう僕もハサミを取り上げられた。刃渡りにして3センチ強、手帳に挟めるようにまっ平らに作られたモノで僕自身が存在を忘れてたのだが…分厚い手帳とゴチャゴチャ詰まったガラクタと鞄本体を透かしてこれを見つけるたぁ、たいしたもんですな。しかも分類の細目(ソムリエナイフとか万能ツールとか)まで用意された預り証が用意されてるあたり、なんともご苦労様なこってある。
 しかし、コイツを危険視するくらいなら金属製のボールペンのほうがよっぽど危険な気がしないでもない。いや、それより武術の有段者なんかは何も持たなくたって危ないじゃないか!手錠でもつけますか。いやいやいや、ムエタイの達人だとそれは無意味だから完全拘束っすか、それとも丸ごとお預りで専用ボックスに封印ですか。
 とかバカなことを考えるような人間には、たぶん刃渡り3センチの凶器でのハイジャックはできないと思います。それよかそういうテロの元になりそうな馬鹿げた戦争を終わらせて撤収しろやお米の国。<真剣ってことでこれがオチ


5月23日(日) 晴

 季節外れの風邪をひいて、先週末から3日間、ぶっ通しで寝込んだ。で、その後も咳と微熱が続くまま仕事に追いこくられたおかげで、めでたく気管支炎に昇格した模様。まぁいいか、とりあえず咳が出るだけで起居に不自由は無いし喉は痛くないし声はマトモに出るし。
 それにしても、気が向いたときしかつけない近況報告日記とはいえ、こうまで間を明けたのは久しぶりだ。書くネタは結構あったんだけどね。『エヴァーグレイズに消える(T・J・マグレガー/著、古賀弥生/訳、ハヤカワ文庫)』の感想とか。構成要素がちーとも纏まってなくて散漫なシロモノ、SFにもミステリにもサスペンスにもなりきらない半端っぷりに、ひょっとして読み手の加減が悪いからかと一昼夜寝た後で読み返したらやっぱりつまんなかったという。む、これは書く意味ないのとちゃうやろか。
 あとは「大仏様のハナクソ」と「ゆきむしスフレ」についてとか。どちらも実在する菓子の名前なんだけどどうよ。って、これもわざわざ書くような話でもないですな。結局ロクな本も読めず作業も進まず仕事も半端で水槽の水替えさえできずにまるっと1週間を無駄にしちまったというだけがネタってとこでしょうか。うう寒い。

 ということで、少しでもロスを取り戻すべく早起き…したけれど、特撮番組をリアルタイムで観ただけで時間を消費。今朝はあろうことか『ブレイド』が面白かったのでかなり強烈な目覚めではあったが。
 オープニングからして急激にカッコ良くなってきたなぁと思ってたら、話の密度が濃いわキャラも立ってるわバトルシーンは集団で盛り上がるわとサービス満点。しかもコレが『555』のツマンナイ話ばっかり書いていた脚本家氏の手になるというから驚き倍増。いや、そこで驚いては悪いやな、『アギト』『龍騎』の映画版もこの人だったってことを考え合わせると、「やる事」が多い時間内みっちみちみたいな話には向いてるってだけなのかも知れない。ぜひ来週もこの調子で忙しない話にしてください。いっそキャラがブラウン運動するくらいまで!<それやり過ぎ

 水槽のメンテをして外出するも、しつこい咳が消えないので映画も観に行けず、相方と買い物ツアー。駅前近辺をウロつきまわり、細かい日用品を買い漁って帰宅後は『モンスターズ・インク』のDVDを鑑賞して今日はオシマイ。植木の土換えとか作りかけヘッドの削りなおしとか食玩の整理とかはまた来週。ま、持病化したこの風邪が治ったらの話ではあるが。


5月29日(土) 雨のち曇

 ビジーに明け、ビジーに暮れ、まんべんなく咳をまぶした1週間が終わった。いや〜治りませんて。毎日夜中、下手すりゃ午前様になるまで仕事してるんじゃ、医者にかかるどころじゃねぇっすからねぇ。咳止めシロップと解熱剤と栄養ドリンクと胃腸薬を流し込んでようやっと動いてる有り様は、さながらブードゥーの秘薬で操られてるようです。ゾンビの如き君なりき。
 がしかし、ゾンビと違って着たきり雀ではいられぬ身、とりあえず掃除と洗濯に励まざるを得ない。ああ、いっそ腐ってれば面倒に思うことも無いんだろうなぁ。洗濯してるウチにスッキリ身軽になっちまう可能性も無いではないですけどね。

 夕方、ちょいと落ち着いたところで、相方が録っておいてくれた『ヴァンパイア・ホスト』を観る。『仮面ライダー龍騎』のナイトこと松田悟志が主演のコミカルホラーと聞いていたのだが、これがなかなか面白い。
 殺人事件に巻き込まれ失踪した友人を探し、女子高生が足を踏み入れたのはホストがヴァンパイアのコスプレをした怪しげな店。しかもそこには本物がいて…という展開はアリガチなのだが、この本物の吸血鬼がセオリー破り。人に紛れて暮らすべく狩りをしないのは良しとして、昼日中も平気で出歩くわニンニクたっぷりのギョウザが好物だわ、世慣れているというより下卑た…いや、オヤジくさいというほうが相応しい発言を繰り返すわ。で、それらをヒロインに指摘され「先入観」と切り捨てる大雑把ぶり。しかも彼女にボコスカ蹴られたり決め台詞の途中で邪魔されたりという情けない面が、笑えてかつ微笑ましい。アクションや台詞に『龍騎』の頃のネタがちらちら被るのも、特撮ファンにはツボだった。
 ストーリーはさのみ捻りが利いているとはいえないが、軽い台詞の応酬や小道具の凝りっぷりで引き付けどころはキッチリ押さえてる。欲を言えば、衣装や特撮にもうちょっと予算が欲しいところかな。まぁそのチープさも、この番組の味とみるべきか。先行放送している本州ではもうすぐ最終話らしいけれど、ちょいと後追いしてみたくなった。生腐れのゾンビの追跡がどこまで続くかは、来週のビジー度合いによるけどね。


5月30日(日) 晴のち曇

 ねこまとふたり、街へ出る。まずはアニメイトへ。ン10年前はよくウロついてた店なのに、溢れるキャラグッズの色彩と行き交う子供達の熱を帯びた眼差しに少々たじろがされる。こ、これが若さか?<ちょっと違うような気もしますけど。
 とりあえず、目当てのピンキーストリートの特殊バージョンの予約を済ませ、イエサブその他のヲタショップをハシゴ。ここらはまだ違和感無いな〜。幸か不幸か分からんけども。

 とかなんとか、おのれのヲタレベルを計測しつつ、かつ微妙に手荷物を増やしながらハンズへ。到着後はポーチにつけるカラビナだのマグライト用のLED球だの棚板だの買うつもりのなかったミニ観葉だの、さらに荷物を増やしながら上の階を目指す。なんかこう、リアル『塊魂』てな趣がありますな。

 で、最上階でヤマトヌマエビとボララス・マキュラータを各10匹ゲットし、早々に帰宅してかれらを水槽に移そうとしたら、妙なものが目に付いた。2ミリ程度の小さなゴミが、ツイツイ…と規則正しく移動している。よ〜く見ると目がある。かなり高速で動く尾がある。ええええ?稚魚じゃないっすかコレ?
 いったい何だコイツら。マキュラータとエビは別の水槽に入ってて、それぞれ別の袋に入れて貰っている。んでもってチビがいるのはエビのほうだから、断じてマキュラータじゃない。同じ水槽に入ってた魚が繁殖してるのに店側が気付いてなかったっつーことだろうなぁ、まぁアリガチなこった。だが、問題は大雑把に水を捨てた時に他にいたかもしれん奴らを流してしまった可能性が大きいってこった。いや、それよか、どうしたもんだか?ベビーフードなんて用意してないぞ?
 ねこま「そのまま入れちゃえば?」
 おいおい。何者かも分からんつーのに。
 ねこま「大きくなれれば分かるじゃん?」
 むむう。なんつー過酷な判断。違う意味でワイルド水槽っすな。
 ということでかれら(2匹いた)は、めでたくか不幸にもか、60cm水槽の荒波に叩き込まれたのであった。可哀相だがこれも西部の掟(違)てきとーに育ってみせるがよいぞ。




翌月へ






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