店主酔言

書籍・映画・その他もろもろ日記

2005.2

 

 

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2月1日(火) 曇のち雪

 夜更けて帰宅、ちょっとだけ『METALGEAR』セカンドプレイを仕切りなおし。ファーストでは全く使わなかったCQCを活用してみようと、張り切って敵兵に忍び寄る。よし、バックを取った、掴んだ!
 ざくっ。
 あ、あれ?ここここ、殺しちゃいましたよ?変だなマズいな、よし今度こそ!
 ざくっ。
 ○ボタンにかける力が加減できないようです。すまんボス、俺には才能が無かったんだ〜っ!(泣きながら逃走)

 とつ言いつ、ワニキャップを求めて進軍中。シリアスなプレイとは所詮無縁の身であるな。


2月3日(木) 曇のち雪

 その昔、書物に至上の価値を見出していた子供時代、内容を問わず本の形をしていれば僕にとってそれは殆ど聖別されたに等しいものであった。棄てる事はおろか売ることも、犯罪一歩手前の許し難い愚行と考えていた。
 もちろん今はそんなことは無い。そうすべきものは壁に叩きつけ、ゴミ箱に放り込み…は、流石にしないけれど、箱に入れて業者さんに引き取って貰うぐらいの分別はできるようになっている。
 けれど、それでもなお、汚れひとつつけたくない本は存在するし、稀少な書物への憧れは残っている。本好きが嵩じて刑事から古書商になった主人公には、だから親近感を持たないほうが無理である。
 『失われし書庫(ジョン・ダニング/著、宮脇孝雄/訳)』。
 シリーズ3作目、すっかり今の仕事が身についた彼が、歴史の狭間に消えた本を求める一件。発端からして「騎士道精神」であり「探索行」と銘打つに相応しい展開なのだけれど、軽妙洒脱な会話と魅力あるキャラクター群、ストレートな暴力に走らない主人公の思慮が、いわゆる「正統」ながらシンプルなハードボイルドものとは一線を画している。『千夜一夜物語』しか知らなかったリチャード・バートンの知識を増やしてくれる、いつもながらの薀蓄も嬉しい。
 ただ、途中で「本」の書き分けがアヤフヤになった部分があって、そこは艶消しだったけれど…殺意をもって迫る敵の影、言葉のボクシングが楽しい老婦人との旅、人と人を結ぶ思いがけない絆、そして真犯人と最後に会う物悲しい場面に至るまで、退屈とは無縁である。
 さて、この本は大事に書架に収めねば。いや、似合う生地を見つけて特装本に仕立てるべきかな?


2月5日(土) 曇時々雪

 今日は知人の結婚式。あら目出度いなと素直に祝いたいのはやまやまなれど、この種のイベントには妙な記憶ばかりが重なっているので些か不安である。いや、何かやったというんじゃないが、友人もしくは自分が出席した式にケッタイな出来事が多かったのだよね。
 自己ベストは、国旗を持った先導者に従って新郎新婦が入場、しかも余興で剣舞があった。いや、見事なお手並みでしたけどね、結婚式に刃物ってそりゃどうよと。
 友人が参加したヤツでは、キャンドルサービスで暗い場内を新郎新婦が巡っていたら、あるテーブルの回転台(中華風のアレだ)の上にパンツいっちょの筋肉男がローソク握ってくるくる回っていたという。冗談で済むレベルとは思うが、目の当たりにしたくは無いなあ。
 相方が学生時分にバイトしていた式場でのエピソードは多いが、一番笑えたのは座席カードをトランプみたいにシャッフルしちまった話かな…って、笑えるネタを探していたワケじゃないんだが。

 とつ言いつ車内で『西城秀樹のおかげです(森奈津子/著、ハヤカワ文庫)』読了。表題作は終末SFにエロ妄想つき、しかも某ちゃんねるの同人系の板で指弾されそうなイヤな造形の主人公なのに軽く陽気に読めてしまうってのは、ある意味スゲェ。他の作品も妙にズレた、かつレズまみれなナンセンス・ワールドなのだけど、生臭さが無いカラッとした味わいで楽しめる。もっとも、文章に教訓やメッセージを期待する向きには断じてお勧めできないが。

 さて、そんなシロモノを読みつつ出向いた先ではあったが、可愛らしい花嫁の笑顔が眩しい、たいへん素敵な式が挙げられたのであった。まあ、肩に力の入ったブーケトスで、並み居る若者たちの頭上を飛び越えた花束が遥か後方の既婚者の腕に飛び込んだ一幕はあったけれど。
 末永くお幸せに。えーと、ブーケを貰っちまった方も、良い出会いがありますように。<駄目だろう!


2月12日(土) 曇

 ちと所用あって、夕刻にデパートへ。ついでに晩飯も調達しようかとエスカレータに乗ったら、食品売り場が地獄絵図と化していた。人口密度マックスレベル、真っ黒な人波がぞわぞわと蠢く、『ハムナプトラ』に出てきたアレな感じ。綺麗どころが多いのもモノホンの地獄っぽいですなあ。<不穏当発言
 思えばチョコレート乱れ飛ぶ祭り直前の最後の休日、菓子売り場が猖獗を極める戦場と化しても仕方の無い時期である。血のバレンタイン前哨戦ともいうべきか。しかも地下鉄への通路付近に売り場が集中してるから、その只中を突破せねばならないときた。甘い匂いも充満して、雑踏嫌いにはもう死地としか言いようも無いが、とにかく生還せねば!

 と帰宅してみたら、いつの間にかねこまの欲しがっていたキノコ型ポット入りチョコ(カファレル社製)を買い求めていた。ううむ、無意識に捕獲(キャプチャー)したものとみえる。MGSで遊びすぎですか?つかどういう遊び方をしてますか?いやさ、あの店内で大忙しだった筈の衝動買いの女神様が、馴染みの僕を見逃してくれなかったというべきですか?
 ちなみに相方からのチョコは無し。いや、毎年のことですけどね分かってますけどね?


2月13日(日) 曇

 めでたく迎えた完全なる休日。朝からごそごそと食料調達&環境整備。準備が調ったところで、溜まったTV録画の消化にとりかかる。『ケロロ軍曹』『デカレンジャー』『仮面ライダー響鬼』『名探偵ポワロとマープル』『義経(大河ドラマ)』…うむ、相変わらず取りとめが無いな。どれも面白いから別にいいけど。あ、新番組の『魔法戦隊マジレンジャー』は…ええと、ちょっと微妙です。
 特に『ポワロとマープル』は、原作を大きく逸れないストーリー構成で上手いこと整理されているのが見易い。また読み漁った子供時代の思い出も蘇る心地して少々ノスタルジックだったりもして。ミス・マープルはともかくポワロは好きな探偵じゃなかったのだが、今思えば尊大でかつ稚気に満ちた可愛げのあるオッサンである。子供が好きになるキャラクターじゃなかったよな、アニメの主人公として橋渡し役を務めてくれる、オリジナルキャラクターのメイベルみたいな存在無しには。きっと今どきのお子様たちは、彼女経由で愉快な小父さんとしてのポワロに接して行くことになるんだろう。かれらには『オリエント急行』と『カーテン』はお勧めできないとしても。

 午後は『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』スペシャル・エクステンデッド・エディション。なにせ4時間半になんなんとする巨大長編、めったに通しで観られるものではなく、この機会を待ちに待った上映会である。一同、拍手〜!
 とにかく沢山の場面が追加されている。そのいずれもが、キャラクターたちに厚み深みをもたせ、原作により近付け、また時には原作に新たな視点を向けさせる。
 前者の代表は、やはりファラミアとエオウィン、その周囲の人々だろう。ことに、賢明なるがゆえに父と兄に反対せざるを得ず、さりながら情愛ゆえに背を向けることもならないファラミアの苦衷がよく見えるようになった。また、己が矜持と、これもまた愛のゆえに戦場へ足を踏み入れたエオウィンの心情の変化も。ラストで二人が並ぶシーン、原作を知らないと「ドサマギでデキちゃったカップル」にしか見えないけれど、これで誰にも納得の場面となるのではなかろうか。
 後者は、冒頭近くのサルマンの最期の場面でのグリマ。原作では本当につまらない小悪党に過ぎないのだけど、裏切り直後の涙といい、今回の揺らぐ感情と意思をつぶさに見せる表情といい、見事なまでに一個の人間を形作ってくれました。ある意味、秀逸に造られたオリジナルに近いキャラだと思いますです、はい。
 その他シーン追加によってアピール度が増したと思えたのは、例の亡者の皆さん。ギャグの基本は繰り返しとばかり何度も「アラゴルン通り抜け」をやってワラワラ走る姿が痛快。イキイキしててよかったなあ。死んでるけど。
 尺が延びたことで冗長になるかな、と思っていたが、さほどそれは感じなかった。劇場で観た時と同じく、ただひたすらストーリーに引っ張られ昂揚興奮するばかり。ええと、やっぱりセオデン王の演説のほうが燃えました。ごめんアラゴルン。
 ただ、これはワイドスクリーンで拝まねば!劇場公開も観に行くぞ!と誓いを新たにしたところで、やはりこの長さには懸念を覚えざるを得ないことに気付く。家でダラついてオヤツ食べ放題トイレ休憩フリーの分にはいいけれど、この長さを劇場の椅子にず〜っと収まっていられるだろうか。公開は目前に迫っている。誰かスティル・スーツ売ってる店を知りませんか?<イシャーの武器店でも探せよ


2月20日(日) 晴

 ここしばらく、本の整理をしている。老朽っぷり甚だしい借家からそろそろ引越を…なれば積荷を減らさねば離陸はできまいと考えたのが発端なのだが、箱に詰めてあったものを取り出してみるに、自分でも意外なほどサバサバと見切りをつけられるものが多い。若年のみぎり読みふけったスリラー系とか軽いミステリとか、ぽいぽいと処分できるというのはやはり年齢のせいなのだろうか。いや、普通はこういうモノをこの年齢まで取って置かないのか。
 しかし、それより浅い地層には「捨てる前にもう一度」とページを開かせるトラップが多く、作業は遅々として進まない。特にアンソロジーは危険の塊みたいなモンで、うっかり開いたが最後、そのまま今週の通勤の友になってしまったり。
 かくて新しい本がさらにうず高く積まれる仕儀と相成り、サバサバしてる筈の整頓は遅々として進まないのであった。離陸の日取りは限りなく未定である。つか、もう何年もこういう繰り返しをしてるような気もしないではありませんが。


2月23日(水) 曇のち雪

 グリコのオマケに絵本がついた「ぐりこえほん」を見つけてゲット。7×6cmほどの小さなハードカバー本は見るからに愛らしい。1/6ドールに持たせて本屋の店員さんに見立てるのも悪くない、ということでサクっとねこまの持ち物に。不本意ながら、僕の手持ちの人形だと誰をとっても不似合いだからなあ。あ、フランケンシュタイン・モンスターなら何とかイケるか?<ダメだろ

 日が傾くにつれ、風と雪の吹きつのる轟然たる荒れ模様に。夜に入ってようやく落ち着いたので、今だ!とばかり会社を飛び出したら、吹き溜まりに足を取られて捗らないの何の。まさか平地で雪庇を拝むことになるとは思わなかったなあとボヤきながら歩いてたら、車のアシが取られて動けないから押してほしいと、うら若い娘さんに声をかけられた。いやはや、どうせなら別のコトで呼んでくださいお嬢さん。ナニと具体的には申しませんが。

 夜、ヒロツさんから新ネタのアップを知らされてKCEJのサイトへ。MGS本編を遊びきった者なら爆笑必至のSECRET THEATER。僕の好みを言うならシンプル系のトップ2本だけれど、やたらに手の込んだキャラの入れ替えネタも力押しで笑わされる。しかもスキップさせるって、わざわざこのためにモーション作ったんですか?そこまでして笑いを取ろうとするのは、やはり関西ゲノム注入済みだからですか?
 とまあ、尽きせぬ疑問も沸いてくるお楽しみコンテンツ、ぜひ多くの人に一緒に笑っていただきたいものである。そのためにはまず本編をクリアする必要があるが…って、これもある意味本末転倒な気がせんでもないが。


2月25日(金) 晴のち曇

 ネットをうろうろしていて「ときめきメモリアルONLINE」サイトにでくわす。えーと、これはアレですよね、恋愛シミュレーションといえば!ってぐらいに一世を風靡したあのゲーム。で、オンラインてぇからにはプレイヤーの皆さんが学生でいろんな会話をしたり一緒に出歩いたりなんかしてフラグを立てまくると。
 しかし、嚆矢たるTRPGからこっち架空世界ではオノレとかけ離れた存在を演じることがお楽しみの基本、ましてモノが学園恋愛モノとなれば、ぶっちゃけネカマと俺女の坩堝になりそうな気がするんですが。いや、それはそれで楽しいかなとも思うけど、そのかみパソコン通信時代に「ネカマ殺人事件」なんぞがあった土地に住んでると、ちょっぴり要らん心配なぞしたくなりますです、はい。


2月27日(日) 晴

 諸般の事情あって、交易所を閉鎖。要は管理してくれる人間もビジーまみれになっちまったってだけなんだが、後始末が厄介である。中身の食玩そのものを整理すべく、山と積まれたプラコンテナに久々に手をつけたのだが…いや〜、こうしてみると凄いもんですな、物欲神の導くままに捧げ奉った供物の数々が、こう、どどどどど〜っと。一応、種類ごとに分けてはあるけれど、山積みになったヤツをカウントすると思っただけでも気力がもりもりと抜けてくような心地である。
 まあ、本と同じく、ちょこっとずつ片付けるしか無いっすね。同病の諸氏には、ぜひ日頃からの整理整頓をお勧め…しても無駄な人しか思い浮かびませんけどね。

 タイトルの懐かしさに惹かれ求めた『幻想と怪奇〜ポオ蒐集家〜(仁賀克雄/編、ハヤカワ文庫)』を読む。懐かしいのも道理、かつて読み耽った名編の後作を集めた、これはいわば続編なのだそうな。
 がしかし、わくわくとページを追うごとに、見知った…どころか記憶にがじがじと刻み込まれたような作品が続く。懐かしいとか言ってられないなあと思いつつ最後まで読んだが、なんと全部既読でした。あはははははは。目次も見ないで買ったからな〜。いやはや。
 これまでの人生のほとんどを読書に費やしてきた人間、しかも怪奇趣味の濃厚だったクチとしては嵌まって不思議の無いトラップだったかもしれない。とりあえず、ラインナップそのものは満足このうえない名品揃いではあるので、手近な恐怖小説ビギナーに押し付けて教化するとしよう。

 古典が食い足りなかったので、続いてサッパリ系怪談の肌寒さを求め『「超」怖い話』の新しいところを2冊、一気に読む。いつもながら、ちょいと間の抜けた人間くさい話が面白く、かつ怖い。例えば「端は怖い」の一言に笑いながら、その場で凍る空気をありありと感じる、この愉しみは得難いものがある。
 ただ、巻を重ねるに従って出てきた「作り」の部分が、どうも目障りになってきているきらいはある。樋口氏、加藤氏に比して調味料が多めの平山氏の文体が舌に合わないということもあるし、また僕好みの「こんなことがあったとさ、以上」みたいなオチなし怪談が少なくなってるというのもあるだろうけれど。
 さあれ、他の会談本に比べれば殊のほか読ませる本シリーズ、処分箱に入れるなど論外である。かくて床がまたミシリといって、僕らの心胆を寒からしめるのであろう。いや〜、怖い話ってホントに楽しいですね!



翌月へ






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