例によって布団の中から『仮面ライダー電王』を観る。今回もまた個々のキャラを立てつつ、コメディとシリアスをいい具合に塩梅して、気がつくとエンディングになっている面白さだった。おお、リアルで時間を飛び越えてるぜ!<違います
個人的な見どころは時間の中で孤児となってしまったヒロインの気丈さと、言葉に出さず彼女を気遣う主人公たち。これまで重ねたドラマの中でいつの間にやらしっかり呼吸が合ったイマジンたちも総出で協力体制に入ってたりして、自然にファミリーと化してるあたりが微笑ましい。そしてアウトサイダーとして登場したいま一人のライダーが彼らとの関わる中で微妙に気持ちを揺らがせているのも、(回数)制限つきの変身という不安定な立場あいまって思い入れを誘う。
大きな謎をはらんだドラマの脇で展開する小ネタもおかしく、画面の外からツッコミたくてムズムズ。えーとデネブ、君どこからソレ出してるの?あとウラタロス「もう電車じゃないね」って、デンライナーだって似たようなもんだろが。
先週いっぱい二人揃ってひきこんだ風邪がまだ治りきらないので、今日は引きこもって短編小説など読む。主として手持ちのクリスティ(ミス・マープルもの)を再読していたが、未読棚からも1冊とってみた。『パニックの手(ジョナサン・キャロル/著), 浅羽 莢子 (翻訳) )』。
ふとしたきっかけで日常から言葉巧みに誘い出され世界の舞台裏を見せられて、当惑の中置き去りにされるような物語集。足元の頼りないところをふよふよ歩くのが好きな人種には悪くない味わいだ。とはいうものの、本当に読み手を放り出してゆくオチ無し話や、アリガチなネタをそのまま幕切れへもってく展開もあるので手放しには褒め難いところ。熱狂的な犬好きならあるいは、そこらに目をつぶれるかもしれないが。
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