店主酔言

書籍・映画・その他もろもろ日記

2007.8




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8月1日(水) 晴のち曇

 仕事帰りのコンビニでバンダイの食玩『仮面ライダーキッズ』を発見。「ゼロノス登場編」と銘打たれた電王一色仕様、よっ待ってました!の「俺・参上」である。
 ほぼ2頭身のソフビ製指人形タイプのフィギュアは全10種、本来のターゲットならんお子様のためか1個100円で中身表示ありの財布に優しい売り方になっている。もちろん、大きいお友達としても非常に嬉しい。とはいえ、それだけにすぐ売れてしまってコンプが難しかったりするんだが、今日は手付かずで一揃いが棚にあって幸運これに選るなし。これも日ごろの物欲神への信仰が嘉されてのことであろう。ありがたやありがたや。<そうなのか?
 初代から平成まで好みのモノだけ集めているので、今回も…と思ったが、要らないものがほとんど無い。迷った挙句、バイクに乗ったものと良太郎君を除く8種を買って引き上げた。
 出来はいつもながらに上々。5cm強程度のサイズに、特徴を押さえたデフォルメがほどこされていて実にカワイイ。ゼロノスの武器に彩色が無いので一見腕の一部化しちまってるのが残念だが、とりあえずモールドで表現されてるので贅沢は言わないことにしよう。イチオシは何といってもモモタロス。腕を組んで斜に構えたいつものポーズが2頭身化して、常にも増して微笑ましい。もう一個買ってストラップつけて鞄にぶら下げ、会社で見せびらかしてやろうかな。

 と考えて気がついたのだが、これで羨まれるであろう会社って、一体。
 …ま、深く考えないことにしていいよね?答えは聞いてない。何はともあれ次バージョンで他タロスたちもよろしくですバンダイさん。


8月2日(木) 曇のち雨

 昨年11月に拾った猫のぼたんを連れて病院へ。そろそろ生後8ヶ月ほどとなりオトシゴロの血が騒ぎ出したようなので、避妊手術の相談である。
 いつもながら病院は診療開始時刻の9時には満員。ビーグルにパグ、スピッツにポメラニアンと、犬は品種がはっきりしているものが多い。猫にもヒマラヤンやスコティッシュ・フォールドなどは若干いるものの、ヨモギにミケに我が家の黒、かなり名状し難い柄と雑種が多くを占めている。この差はどこからくるのだろうか。
 差といえば、待合室での態度も犬と猫ではずいぶん違う。病状が重篤でぐったりしているものを除き、犬たちは大概嬉しそうに目をきらきらさせて飼い主の顔を見上げている。何処に居るか、より誰と居るか、が重要なのだろう。で、いざ診察室へ入るとなると「裏切られた!」とばかりきゃんきゃん叫び、足を突っ張って引きずられて行くのがおかしい。
 さて猫たちはというと、ほとんどがケージの底に不機嫌にうずくまっている。不平をとなえるものも数匹いて、低い怨嗟に満ちた「うわぁぁぁお〜」という声が時折聞こえる。ちなみにぼたんは周囲をきょろきょろ見てはまたバッグの底で縮こまるという、内弁慶らしい挙動を繰り返していた。診察室へ行っても台にべったり腹ばいになって固まっており、いつもの暴れっぷりはどこへやら。念のため首輪からハーネスに替えてきていたのだが、杞憂どころか肩すかしであった。
 とりあえずどこにも異常は無いということで来週に手術の予約をし、入院のため3種混合ワクチンを接種してもらって昼頃に終了。初診料が1,700円、2種類の血液検査が各500円前後、ワクチン投与が3,400円と、かなり安い。ありがたいことである。

 帰宅後、ぼたんは玄関を入るか入らないかのうちにバッグからもがき出て、こちらが靴を脱いでいる間に部屋の奥で熟睡していた。
今日の1枚
 あの〜、お嬢様。そこは私の寝床もとい座布団でございますが。


8月5日(日) 曇時々雨

 日ごろ寝られるだけ寝る非朝型の相方が、6時の目覚ましとともに起床してこちとらを起こしにやって来た。年に一度の航空祭にしか見られない奇観である。とはいえ目的が目的なだけに「雨でも降るんじゃねぇの?」というツッコミは厳禁である。うっかりマジで降ってしまったら目も当てられない、つか後が怖い。
 しかし天網恢恢ナントカってヤツで、天がみそなわしたものか空は一面べた灰色の雨もよい。昨日本道の南側をかすめていった5号台風、通称うさぎちゃんの落し物らしい。攻撃力の高いこった、実はヴォーパル・バニーだったんじゃあんめぇか。例年、友人知人には「コンクリの海でちょっくら焼いてくらぁ」と冗談口を利いて出かけては滑走路の端で陽に灼かれるのを常としていたが、太陽どころか青空のかけらさえも見えない。これは中止もやむないなと思いつつ、それでもバスに乗って千歳へ。
 で、格納庫前に到着して唖然。なんだ、この人の波。
今日の1枚
 展示機の天辺がかろうじて見える状態で、滑走路が真っ黒けになってる。某ちゃんねる風に言うなら人大杉。
今日の1枚
 基地開庁50周年記念という節目もあってか、ツアーバスを仕立てて来ている団体様も数組あって、もうなんというか。「自衛隊&航空ヲタ祭」だった昔は遠いなあ。

 さて開会したものの、せっかくの節目というのに天候はちっとも良くならない。雲がとにかく低いもんだから飛行はほとんど中止。ヘリによる救難訓練展示がかろうじて行えただけ、他は低空飛行が精一杯。ブルーインパルスですらフォーメーションのみで、目玉のビッグハートなどの曲技は全く無しだった。
 また今年は展示も少なくてちと淋しい。全体に数が少なく、ことに恒例ゲストの米軍はイラクやアフガンの絡みでか三沢から2機ほどが来ていただけだった。スキルの低い政治屋が判断をミスらなきゃ、米兵さんたちだって暢気に飛行機バカと遊んでいられたのにな。
今日の1枚
 そんな中でも、自衛官の皆さんは演し物に工夫をし、一生懸命盛り上げていた。飛行機が無い分、普段は絶対に目に触れないような車輌の展示。小さな子供たちにツナギ&メットでコスプレさせて記念撮影。ガタイの大きなお兄さんたちによる巨大モグラ叩き。おまけに格納庫内にステージを作り、救難用のワイヤで吊り上げ実演なんかもやっていて、はしゃぐ子供の声が実に楽しい。
今日の1枚
 あと見ごたえがあったのは、恒例の歩哨犬の展示。今年は人間の皆さん(写真上・某所のゲノム兵ではありません)とチームを組んで、シチュエーションごとの対応から突入・制圧に至るまでをがっちり見せてくれた。小型車輌で乗り付けるフル装備の面々、ともに身を潜めたバリケードの陰から一気に不審者(役の隊員さん、ご苦労様です)に飛びかかってゆく犬の精悍さは息を呑むほどカッコ良い。これはぜひ来年もやって欲しいなあ。

 そんなこんなで今年は早めに撤収したが、シャトルバスの乗り場には1km近い行列が、それも行き先毎に2本できていた。ちょっと日常を外れた物を見て、露店をひやかして日焼けする、そんな風変わりな夏祭りとして一般市民に愛されているということなんだろうなあ。それもまた平和の証、善哉善哉。

 ただ行列の最後に「最後尾はこちら」というプラカードがあったのが、同じく夏の一大イベントとかぶって見えてしまったのは、こちらの不徳のいたすところだろうか。いや、ほら、あっちも近年ますます一般にいろんな意味で認知されつつあるしさぁ。似てるよね?<違います


8月6日(月) 曇

 あんなにどよよ〜〜〜んと曇っていたというのに微妙に日焼けしてしまい、あちこちヒリつく航空祭明け。加えて空は相変わらず太陽エネルギーを遮断中とあって、しょうことなく家でゴロゴロ、溜まった録画を消費してみる。まずは昨日の『仮面ライダー電王』から。
 先週・先々週に続き、公開中の劇場版とリンクしたエピソードになっているのだが、それでいてちゃんとTVシリーズの流れに連なる話として楽しめる。時間ネタはいかに後から見た時に整合して見えるかが勝負どころだからまだ評価を定めるところじゃないけれど、今のところは先が楽しみってだけで十分かな。
 しかし劇場版のカットをふんだんに使って、ネタバレしちまわないかちと心配。これを避けるにはやはり、早いうちに映画館へ走らねばならんのだろうな。えーと、まずデンライナーのチケットを手に入れて、会社のドアから11:11に踏み出せば…。<勤務時間中です

 で、続いては『クレヨンしんちゃん』。絵柄もネタも好みじゃないので普段まったく観てないのだが、今回はあろうことか『電王』とのコラボだというので録ってみた。
 1時間スペシャルというふれこみだったが、前半は電王とは関係の無い通常展開。とはいえ、着ぐるみのしんちゃんとデンライナーの面々の実写トークが合間に挟まれていて、シュールな光景が妙に楽しい。特に着流し姿のオーナーの常にも増して怪しい振る舞いがイカス。そしてアニメパート、いきなりやってくださいました『世界の車窓』ネタ。電王じゃ絶対に出来ないけれど、期待していた人は多かったろうな〜。
 本編は当たらずさわらず、お子様向け特撮雑誌のノリでまとまっている。とはいえ良太郎・ハナ・オーナー・ナオミ・モモタロスの役はもちろんながら本人たちなので、『クレしん』タッチになった彼らのドタバタにも素直に入り込め、かつカッ飛び具合も楽しめる。それにしても良太郎、アニメの声当ても上手いなあ。普段からスーツアクターと合わせているおかげもあるだろうけど、この1年が終わる頃にはたいしたマルチプレイヤーに育っていそうな気がする。
 あと一種楽屋オチなのだろうけど「伝説のイマジン」が「話そうとすると砂になっちゃう」というくだりはちょっと哀しかった。あのブタが喋らなくなってからもう7年、思い返すと今も切ないです、塩沢さん。

 夜、『妖弄記―書き下ろし実話妖怪談集 (ルナティック・ウォーカーシリーズ)(加藤一/著、マイクロマガジン社)』を読む。
 『「超」怖い話』歴代編集者のなかで、平易で正しい言葉を選び、徒に飾らず盛り付けず、淡々と語るスタンスの好ましい著者が、「幽霊」や「狂気」に分類できない、「あやかし話」を集めたもの。怖くはない、いっそくすりと笑える、けれどつい周囲の空気に何かを探してしまうような、オチの無い怪談の好きな向きにおすすめの分析無し話が並んでいる。たいへん結構なお手前でした、ごちそうさま。
 ちなみに公式サイトはこちら。著者本人に興味のある方、また妙な体験談をお持ちの向きには宜しいかと。


8月9日(木) 晴のち雨

 航空祭以来6時に目覚めるようになってしまったので、今日は人気の無い時間に川から拾った犬(勝手にマルと仮名を設定)を水とブラシ持って訪問。餌を運んでいるおばさん、いやさご婦人のおかげですっかり元気になり、ハゲもほとんど柔毛で覆われ分からなくなりつつある。
 しかしこやつ、どうも感情表現がおかしい。嬉しくなると尾を振る代わりにたかたか駆け出す。それから駆け戻ってきて、ニンゲンの周りをぐるぐる。表情も乏しく、犬がよく見せる「えへへ」と笑ったような顔には滅多にならない。人が呼んでもいまひとつ反応が薄い。また近辺を野良猫がうろついても、車が来てもほとんどリアクションが無い。耳や目が不自由なワケではないから、よほど世間知らずなのだろうか。
 いつも物置近辺にいるのもどうかと、近在の犬好きなおじさんが引き綱をつけて散歩に連れ出そうとしたら、世にも惨めな声でひゃんひゃん鳴きだした。どうやら繋がれたことも無いらしい。
 下半身にハゲが集中していたのも病気ではなく褥瘡めいていたし、個人飼い主ではなくペットショップで育ちすぎたのではないのか。同僚のM嬢的に言うなら、さらに醜い話がみえてきそうな雲行きである。

 昨日極秘裏に(って飼い主の立場で言ってもネタにならんのだが)入院していたぼたんを引き取りに行く。手術用の小さなケージの中ででっかい目をして不平声を上げていたが、バッグに入れるべく抱き上げたら猛烈にごろごろいいだした。不憫なことである。
 ちなみに手術費用は子宮・卵巣の全摘出で2万円弱。そのまま相方に預け、こちとらは湯気が立ち込めるような暑さのなか、とぼとぼと出社した。寒いは財布ばかりなりけり。

 『ヒストリエ 4 (4) (アフタヌーンKC)(岩明均/著、講談社)』を読む。
 主人公・エウメネスの少年期から青年期への移行が、最初の戦と恋と別離をいちどきに、かつ処を得た細密さで描かれる。文明をもった(と思い込んでいる)人間の蛮行ゆえに「故郷」たり得たかも知れない地ごと全てを捨てて旅立つ彼と見送る人々との言葉少ない心の通いあいは、こちらの胸にも言葉にならず迫るものがある。幼い日に憧れたオデュッセウスになぞらえられながら、同じように流離うかに見える彼は、かの王とは異なり帰るところをもたないのだから。
 そして現在へ戻った物語には、ペルシャの美姫(というより元気姉ちゃん)と「変人」の不穏な予兆をはらんだ邂逅が記されて一区切り。さて、この先を期待しつつバックナンバー読み返しつつ、また1年ばかり待つとするか。
 …作中に登場するタイプの書物じゃないんだから、ねぇねぇもちっと早くぅ〜とお願いしたい気持ちは多々ありますけどね。

 夜、ぼたんに新しいエリザベスカラーを買って帰る。以前のものより1cmほど短めで、かつ半透明というスグレモノである。周囲が見えるぶん快適になったようで、彼女は活発に後をついてまわるようになった。
 で、先輩猫のチーズが、これを非常に嫌がっている。以前飼っていた「姫」の時もそうだったが、カラーをつけてやって来るのが『サイレントヒル』の三角頭みたいに見えるのか、ガーッと威嚇してはダッシュで逃げ回る。それでも相手が人間に甘えるのは嫌らしく、離れたところでだみ声を上げて人を呼び、ついてくるぼたんを目にしてまた威嚇&パンチ。心が狭いやつだ。餌椀に使ってる百均のココット皿並みに狭い。
 とはいうものの、カラーをつけた猫に甘えられるのはなかなか辛いものがある。プラスチック板のリーチなんぞ考えずに頭をこすりつけようとしてくるので、ガツガツ当たってたいへん痛い。抜糸は15日の予定だが、この3すくみ状態がそれまで続くのだろうか。うーぬ。


8月12日(月) 超晴

 この地に稀な34度という炎暑に見舞われた日。当然ながら準備おさおさ怠り無く、終日そうめんとかトウキビとか桃とかを冷茶で流し込みつつ篭城つーか絶賛ヒキコモリ中である。
 で、これまたそのため昨日ゲットしておいた『鋼の錬金術師 17(荒川弘/著、スクウェア・エニックス)』を読了。北の離島(っつーにゃデカいが)ではいつものことながら通常の書店ルートには遅れて入っていないのに、コンビニで並んでいたのがラッキーであった。
 今回の見どころは何といってもカバー下…はさておき本編の「筋肉少佐」の姉上ことオリヴィエ・ミラ・アームストロング少将。もともとオットコマエな女性の多い作品ではあるけれど、このひとはもう「漢」というかあっぱれ益荒男ぶりというか、三国志あたりで成り上がってそうな豪傑ぶりである。だからといって暴君になるでないのが、部下の選び方とその部下が彼女に進言するにあたってさのみ言葉を選ばないあたりに見えて、エピソード外でも築き上げられてきたであろう信頼関係の厚さを思わせる。ううむ、マスタング大佐より指導者向きじゃないですか?つかついて行きます行かせてください。
 ところで本巻を読み終えてから、ふと気になってバックナンバーを漁ったのだが、第五研究所の地下にあったのと今回地図上に描かれたのとでは、練成陣の形がちょいと違ってないだろうか。3巻のそれは同じ向きの五角形が二重になっているのだが、今回のは逆方向に組み合わさっているような。
 キンブリーの担当看守なんてぇ端役にいたるまで人物はきっちり描き分けてる作者のこと、よもやそんな間違いはするまいなと思ったら、ついつい夜半までかけてバックナンバーを読み込んでしまった。結果、練成陣については納得がいった(やっぱり違う、つーこたぁ何かの伏線か)し、これまで振られた数々のネタについても概ね腑に落ちた気がする。西と東の賢者とかお父様の目的とかはかなりいい予想してんじゃないかな、われながら。あと話の進行とともに交錯し微妙に変わってゆくキャラクターたちを再認識してその描写に再度感服。たとえば最新刊で傷の男が衛兵を殺さなかったところとか、これがまた先の展開に影響してゆくだろうなという期待をもたされる。
 が、そうこうするうち空が白んできていささかヤバいことに。明日も同じぐらいの熱波に襲われる予報が出てるんだよなあ。ああ、錬金術が実際にあれば、熱量を反転させて一日氷河期とかやれるのに。<やらないように


8月13日(月) 激晴

 本日の気温もかるがると34度オーバー。北の大地にあるまじき高温にあちこちで火災報知器が誤作動したというニュースを見てたら、ご町内でもジリジリ鳴り出した。みんなニュースを見ているのか、はたまた猛暑の中で野次馬する気力が無いのか、どこからも誰一人出てこないのがいっそシュールである。本当に火事だったらどうするのかね。
 とはいえ、かくいうコチトラも昨日に引き続きヒキコモリングのままである。糧食は冷たい蕎麦(トッピングは大根おろしと納豆)、アイスクリーム等。乾物の貯蔵棚と冷蔵庫が空になるまで篭城したい妄想とか、トワイライトゾーンの1エピソードとかを脳裏にぐるぐるめぐらせつつ、畳の上で猫と川の字になってたりするのもまた善き哉。ここん家が火事にならにゃー動きませんともさ。

 昨日の『仮面ライダー電王』を鑑賞。今回は劇場版とのクロスオーバー話のシメ、いわば帳尻あわせエピソード…とはいうものの、やっつけ仕事では断じて無い濃度の高さ。なにせタロウズの3人までが消えてしまうのだから危機感クライマックスだぜ!である。
 欲を言えば、そんな重大な危機なのに1エピソードの半分で発生と解決をこなすのは勿体無いっつーか、ネタに対して尺不足の感が無いでもない。だが、消えてしまう3人のそれぞれ覚悟と思いやりあっての去り際の台詞や、憎まれ口を叩きながら一人になる覚悟の出来ないモモタロス、がらんと空いた食堂車に残る3人分のアイスコーヒーなんて要素を重ねられるともう淋しさ描き立てられまくり心中ひそかに泣きまくり。過去のどこかにはまだ存在している彼らと、まだ繋がっていたいと望みをこめて携帯電話型のアイテムを抱きしめる良太郎に慰める言葉を探しそうになっている。ええ、いい大人が釣られまくりですが何か。答えは聞いてない。
 かくて登場する究極形態「クライマックスフォーム」。既にネットなどで情報は得ていたので、他フォームの顔面が両肩と胸に張り付くという異様っぷりは意外と平静に受け止められたのだけれど、その登場シーンは予想外だった。ひたすら慌てパニックしまくるヒーローって、おいおいおい!本来ならビシッと決めるべきフォーム完成に「顔が剥けた〜!」だもの、さっきの涙を振り飛ばして笑い転げるしかない。いやはや、龍騎の「折れた〜!」に匹敵する迷場面でしたぜ。

 午後、相方ねこまがWebで公開中の『華氏911』を観始めた。寝そべって一緒に眺めたが、序盤の「宿題放置の夏休み」満喫中の大統領のあたりで既にげんなり。この人の低レベルっぷりつーか先代の劣化コピーっぷりにはもう食傷しちまったんだな。それもまたどうかと思うけれど。
 で、そのブッシュを中心とする現政権が911事件を招き寄せ、また己に都合の悪い点を隠蔽し、うまいこと銭儲け路線に乗せたのを非難すべくがっちり捉えているのは分かるけど、アメリカという国が根底に持っている選民思想的な「悪」にはほとんどノータッチつか他人事なのがなんだか安物の毛布みたいにチクチクと気に障る。既に建国時点で先住民を追い出し殺し、富を蓄えるために奴隷を用い、その分配を巡って国を二分して殺し合い、しかし他国にはそれらを許さず「世界の警察」を自称して殴り込んでくるジャイアン体質。それが蓄積して今があるのに、自分たちは被害者、騙されたんだと声高に唱え続けるのもどうかと思う。確かに三千人の命は重いけど、そんじゃアフガンやイラクで、はたまた介入真っ盛りの頃のソマリアで、いったいどれだけの民間人が居なくてもいいアメリカ軍に殺されたのか、ちょっとカウントしてみたらどうかねと皮肉のひとつも言いたくなる。
 …と中盤まで不満を溜め込みつつ観ていたのだが、そのうちいい風が吹いてきたんで猫たちと「りっしんべん」の形になって寝てしまい、後半がお留守になってしまった。そのうちちゃんと見直して、再度感想をしたためるべきかな。あまり気は進まないけど。


8月14日(火) 晴

 今日も今日とて酷暑に見舞われるとの予報に、早めに家を出て会社へ。冷房の効いた社内でぽつぽつ業務をこなしつつ、夜までこころ穏やかに過ごす。途中で何か飛び込み仕事がぽこぽこ湧いたり、本来出社の別部署のやつらが油を売りに来たりして足を引っ張られまくったような気もするが、まあ良し。この環境に居られるだけで今日は極楽でございますです、はい。普段もこうだといいのにな〜。

 『鋼の錬金術師』の荒川弘氏の別シリーズ『獣神演武 1』を読む。残念、いまいち惹かれるものがない。
 そもそも、氏の作品の魅力は「絵」単体ではないと思うのだ。いや決して画面に魅力が無いと言うのではない、むしろ非常に好みなクチだ。が、だからといって、連載作品とは無関係な1枚絵を欲しいと思うかと言われたら、よっぽど好みの題材・構図でもなければ正直微妙なセンである。物語とそれを展開する脚本・ネーム、その台詞の端々にまで作者が気を配っており、かつこの絵柄とコマ運びで表現しきっているからこそ『鋼』は大勢のファンを擁する傑作なのではなかろうか。
 で、本作はというと、まず別人の手になるシナリオがイマイチ。というか、現時点ではありがちというか平凡というか、三国志と水滸伝の上澄みみたいな印象しかない。「凄い運命」「凄い武器」とスゴイスゴイ連発されてもなぁ、まだ背景世界がしっかり立ってないからちーとも重みが無いんだよね。だったら主人公かサブキャラに強烈なヒキを持たせてるかっつーと、それも正直微妙だし。
 アニメ化作品ということだけれど、果たしてこれで集客効果があるのだろうか。個人的には荒川氏の絵で読んでるほうが楽しそうなので、とりあえずコミックスの次巻が出たら買う…かなあ。

 帰宅途上、そろそろビアガーデンも終わったことだしと大通公園を抜けにかかったら、太鼓の音と浴衣姿の人々に阻まれた。そういえば世間ではお盆なんてものもやってるんだったな。ご先祖様の帰ってくるアテがある身ではないが、櫓を巡って人影が連なり踊る風景はちょっぴりプリミティヴな郷愁をそそられる眺めであった。ふんじゃコチラも笛に合わせて踊るとするか、いあ・いあ・はすたー…ってソレはちょっと違うものをそそられてる気もするが。


8月15日(水) 晴

 抵抗するぼたんをバッグに詰めて病院へ。先日の手術跡から糸(つか細い針金)を抜いてもらうのである。今日も強烈な日差しと熱波のもと、怪しい音声を出す「にゃーにゃーぶくろ」を抱えて通りへ出、タクシーに乗せてもらった。
 お盆期間のせいなのか、いつもに増して混んでいる待合室には大物も多く、ジャーマンシェパードとか秋田犬まで持ち込まれている。密度が高いと距離が狭まり不快感がつのるのは動物のほうが敏感なのだろう、吠えあう犬もわめく猫もいて騒然。隅に座った若い娘さんがケージから出したフェレットだけが妙にのんびりした顔つきで周囲を眺め回していた。
 そういえばフェレットって鳴くことがあるのだろうか。以前、ネット仲間の圭ちゃんが鞄からにょろ〜ん♪と出して見せてくれた彼女の「皇子さま」も実に穏やかな気性だったが、さてどうなのか。やたらめったら手触りが良かったことだけは確実なのだが…ここはやはり一度ぐらい飼ってみないと検証は難しいのかな。と、暑さのせいかちょっと物欲神が舞い踊ったりするひとときであった。

 夕方、水を替えてやろうとマルを訪ねたら、いつも餌をやっているご婦人と遭遇。以前、ここにあった会社に勤めていた方で、近辺の野良猫の面倒を見に通っているうちこの犬と関わったそうな。お互いに「いつもお世話になりまして」と自分のものでない犬のことで頭を下げあい話し込んでいたら、なんと貰い手が決まったという。それも、例の引き綱にトライしてくれていた近所のおじさんだそうな。
 こちとらも件のご婦人も猫飼いで借家住まい、飼い主が決まらなければ地主に頼んで小屋だけ置かせて貰って通いで世話をしようと思っていたことや、実は他にも数人、食事をやったり様子を見たりしていた人がいるのも判明して、なんだかおかしいやら嬉しいやら。
 とまれ、捨てた奴に出くわすことがあったら、指つきつけてざまぁみろと言ってやりたいものだ。いや、その前に犬のいた場所に下ろしてやるべきだな、丁重に。春先の増水してる時が望ましいもの、今から呪詛しておくとしよう。えーと、祈念すべきはアヌビスあたりですかね?<八百万にもほどがあると思われ


8月18日(土) 曇時々晴

 『おちおち死んでられまへん―斬られ役ハリウッドへ行く(福本清三/談、小田豊二/著、集英社)』を読む。
 TVの時代劇で、鬢のそそけ立った荒んだ風体の用心棒が正義の味方にずんばらりんと斬り捨てられ、仰け反り宙を掴んで倒れる姿を目にする…ところで、あれ?この人前にも見たことないか?と思った子供時代。それがWikipediaにいわく「5万回斬られた男」こと福本清三氏と知ったのはそう昔のことではない。だから本書も文庫化されて初めて手にしたのだけど。
 もっと早く読めば良かったなコレは。
 夢や憧れに押されるでなく、あくまで「就職先」として役者の道に入り、ひたすら「スターさん」を引き立てるべく「仕事」で真面目に斬られてきた人。代表作無しと自称する大部屋役者、キャリア中で台本を手にしないことも少なくは無かったという人。本書はそんな彼がハリウッド映画『ラスト サムライ』のオファーを受けて半信半疑(というか何が起きてるか分からない)で旅立ち、彼我の映画製作の違いに驚き、異国での暮らしに戸惑い、けれどそれらを柔軟にいっそ素直に楽しみつつ、いつも通りに「脇」に徹しながら60歳の定年を迎えてしまった顛末を綴ったもの。内容もさりながら聞き書きによる文章の語り口も軽妙というか陽気というか、上出来な落語のようで実に愉快だ。後半、書き手氏とのキャンプ場行きなどは「それどこの『長屋の花見』?」という、なんともいえない可笑しみがある。
 またその語りを通じて東西の芝居そのもののあり様の違い、ことにも日本の芝居に特有の「間」の存在などは改めて思えば実にユニークなのだと今さらに気付かされるものもある。それこそ戦国時代以前に「やぁやぁ我こそは」と名乗りあってた頃の名残みたいだよな、今も時代劇はもとより特撮ヒーローものに受け継がれていたりするけれど。
 (そういえば『仮面ライダー電王』で先週あたり、名乗りの途中で攻撃されるギャグがあったっけ)
 けれど海外へ出て認識を新たにした日本の映画界の層の薄さ衰退ぶりを語られるくだりでは、映画ファンの風下のひとりとしてともに寂しさを覚えずにはいられない。そう、こんな素人にそういう事を教えるためにも、まだまだ死に続けて注目を集めてもらわにゃです、福本さん。

 おりしも今夜の地上波で、まさにその『ラスト サムライ』が放映されていた。トム・クルーズに渡辺謙に真田広之、そして小雪(ドラマ『アンティーク』での眼鏡っ娘っぷりも忘れられませぬ)と好きな役者が揃ってるのに、今日ばかりは福本氏に注目せずに居られない。
 主人公が捕虜となってからある時点まで傍らを離れず、まったく口を利かない「サイレント・サムライ」が氏の役どころである。ただ黙然と影のように立つ姿は決して目を引くものではないのだが、20〜30代が大勢を占める侍たちの中に重なるとその年月を刻んだ風貌が不思議と際立ってくる。
 またふと思いめぐらすと、総髪の多い中に彼だけきちんと月代を当てていること、腕力にすぐれた若者ではなく彼が任に当てられたことなど、気がかりな点がぽつぽつと見えてくる。よく出来たコミックがコマの外で小説が行間で語るように、この老武士にも画面の外の物語を想像させるものがあるのだ。いい役にいい役者が当たった、なかなかの好例だと思う。
 映画自体はいろいろツッコミどころがある(そもそも侍の概念がもっと古い時代のものだとか騎士とごっちゃになってるとか人名や風景・小道具類があちこち微妙だとかラストは無理があり過ぎだろうとか)。だが、BGMに銅鑼が鳴らず辮髪も居らず、寿司の女体盛りも無く幔幕めぐらせた作戦会議もせず四十七士の討入をヘンテコ解説するでなく(以下略)下手なTV時代劇よりずっと真剣に日本を、同時にアメリカの影の部分を描こうとしている姿勢が見えて好ましい作品だと思う。たしかDVDを買ってあるので、後でまた観直してみるとしよう。

 そういえばパチンコメーカー(平和)のCMで、合戦場だったらしい一面の荒野の中でメリーゴーランドに興じる武士(つか落ち武者)たちの中、ひときわいい笑顔をしてアップになっているのも福本氏だった。エディット・ピアフの『愛の賛歌』が流れる中、夕焼けを背に巡りめぐる回転木馬、その上で満面の笑顔で目をきらきらさせてる彼は、うっかりすると萌えちまいそうになる。ネットのどこかにまだ映像があると思うので、ぜひご覧いただきたい。いや、ファンならとっくに保存しているよね。
 え?ウチですか?放映時に相方が激萌えして、しっかりキープしてあります。ううむ、家庭内でも出遅れてたか。


8月20日(月) 晴

 まだ暗い時間、救急車のサイレンで起こされる。時計を見ると3時45分。火事ではなく、国道沿いのビルの屋上で何か騒ぎがあったようで、梯子車だのパトカーだのが出張り何やら拡声器でがなっている模様。野次馬しに行こうかと思わないでもなかったが、怠け者の血が騒がなかったため再度布団へ潜り込む。
 きっかり1時間後、異臭に目を覚ます。ペルシャ猫の腹具合が悪かったようで、寝間の入り口の敷物にいつものゴルフボール(笑)を転がしてあった。起き出して処理。空は明るくなりそめて美しく、かつ夜明けの冷えた空気も心地よかったが、眠気には勝てずみたび布団へ。
 そしてさらに1時間後、窓のすぐ外でカラスの大合唱が始まった。なにごとならんと窓へよろめき寄って見ると、今年巣立ったらしいのと両親との都合4羽が、大家さんちの犬の餌で楽しく盛り上がっているところ。
 …なにか、誰かに嫌がらせをされてる気がする。
 既に日差しは強烈になりつつあったので、身動きするのが辛いということにして二人ともに寝床へ戻ってしまったからと責められるいわれは無いと思う。ええ、午後まで寝てましたともさ。

 で、夕刻になって、猫の砂を買いに出る。ついでに本屋へ寄ったら、入り口のガシャに『電王』のフィギュアがあった。ウエスト部分を捻ってポーズを微妙に変えられるらしい。今日びのオモチャは凄いよねえ、と相方が1個購入したらゼロノスが出現。ポーズを変えてもあまり変化は無さそうなのがちと惜しい、せっかくベガフォームなんだから、デネブらしさが欲しいかも。
 しかし「これはデネブ」と思うと、きりりとした立ち姿と昨日の放映分で腰を抜かしながら肝試しに挑んでいた姿とのギャップで和めるのでよしとしよう。1/6スケールの食玩の大おにぎりと一緒に飾ってやるか?


8月25日(土) 晴時々曇

 盆もとうに過ぎ8月も下旬となったというに、相変わらず異常な酷暑続き。猫の額菜園は見事なまでにツルボケ状態となり、ことにズッキーニはどこの人食い植物かという大きさに葉を茂らせている。しかし観葉植物のつもりになってみると、これはこれで味があるかもしれない。黄色い花は早朝にしか鑑賞できないが…って、考えてみたらコレも食えるんだよな。地球温暖化がこのまま進んだら、花を目当てに植えることになるんだろうか。

 『どこかで誰かが見ていてくれる―日本一の斬られ役 福本清三(福本清三/談、小田豊二/著、集英社)』読了。18日に書いた『おちおち死んでられまへん』の前の本、内容ボリュームから言ってこちらが本編あっちが続編というところ。古きよき日本映画の全盛期に15歳で就職しとにかく真面目に懸命に「斬られ役」を務めてきた福本氏の半生記であり、同時にかの時代を彩った「スターさん」たちの横顔を垣間見られるユニークな資料でもある。
 もっとも当方の世代では、「ある時は片目の運転手…」の片岡千恵蔵御大は唐沢なをきの漫画で笑える程度にしか知らないし、大川橋蔵といえば銭形平次だし、萬屋錦之介というと既に「兄ぃ」じゃなく「叩ッ斬ってやるのオジサン」だった記憶しかない。けれどそんな人たちの花盛りの頃をフレームの中心に据えて勢いよくカメラが回っていた時代を語り聴かされるように読み進むにつれ、不思議と懐かしくまたちょっぴり羨ましくなってくる。それはたぶん自分の属した映画の世界、それも時代劇に対する思い入れの深さを語るその口調にあるのだろうな。そうして語られるままにその世界を垣間見るうち、そこに生きた人々の数やそれぞれの役割も考えさせられるだけの深みもまたあって、読み応えも十分だった。
 そして巻末、今の時代劇の衰退ぶりを寂しく語った福本氏が「ハリウッドで作ってくれないかな」と呟いた夢が実現してしまったのだから実にじつに小説より奇なることこの上なし。故・淀川長治氏がつとに語っていた「映画の神様」って、実は存在してるのかもなぁ。
 …とりあえず洋画とコメディ好きながら、時代小説にもハマってる身として、もっと面白い時代劇が作られるように祈っておくとしよう。カミサマカミサマ、ヨロシクデス。


8月26日(日) 晴

 早めに目覚めたので午前中に『仮面ライダー電王』を観る。先週のエピソードの終幕で大失敗をしたデネブが家出(っていうか電車出)し今回はその解決編。不運の塊の良太郎とドジの見本市みたいなデネブが二人でうろうろするくだりに、拳(いや足裏か今回は)で語るモモタロスの優しいお節介を絡めて、なかなか質の良いコメディになっている。不器用に、かつあくまでもワガママ小僧風味にデネブの謝罪を受け入れる侑斗と、そのオチも含めて。
 ただ、その脇で流れたエピソードは書き込み不足。花火職人と妻子の関係修復がどう成されたのか非常に曖昧だ。おまけに、その中でとんでもない事件が起きていやしないだろうか。
 物語当初の「現在」で離婚したことになっている妻には子供が二人居て、その名前は「シュンスケとショウタ」である。が、物語の終わりで花火職人が抱き上げた息子は1人で名前は「龍」。つまり、その子の名前は過去への干渉によって変わり、かつ(おそらくは再婚相手との間に生まれた)弟は存在しなかったことになっているのではないか?もしや本来の、愛理の姉の恋人だった(オリジナル?)桜井侑斗が目論んでいるのは大規模な破壊ではなく、こうして選んだ人間を消したり運命を書き換えたりすることなのか?おそらく遠くないところで対決が待っていると思うけれど、ここらが伏線だとしたら、取りこぼさずにしっかり描ききってほしいものだな。
 ついでにもひとつ疑問なのだが、デネブが帰るかどうか、ハナちゃんとウラタロスが花をむしって占ってたけど、これはよもや「ハナとウラで花占い」ってギャグなのではあるまいな。誰の発案かも含めて、ぜひ公式見解を承りたい(笑)


【8月28日追記】
 上記を読んでくださった奇妙愛博士から「イマジンが花火を見せた"奥さん"は不特定多数のそれで、肝心な花火職人の妻とは別人では?」とのご指摘をいただいた。イマジンが「奥さんたち」と言ってた記憶があり我が家の住人はそれを「妻子」と認識したのだが、考えてみりゃイマジンがそんな素直に願いを叶えるワケが無いし、もしストレートに解釈したとすると「妹に星を見せたい」の時と同じになってしまう。
 (考えてみたらあのイマジンはかなり真面目だったな。最後の仕掛けも含めて)
 録画で見比べてみると確かに別人のようだ。博士のおっしゃるとおり「画面には出なかったけれど、花火職人に無関係な複数の母親がイマジンに攻撃されたんじゃないか」というのが正しいと思われるので、上の勘違いは訂正させていただきたい。
 つか、僕の考えレベルまで時間が改変されたら、オーナーからのダメ出しが来ないわけがないんだよな。それに、いくらなんでもダークに過ぎる話になっちゃうし…って、子供のいる"奥さん"が片端から砲撃されたんだとするとそれはそれでヤバい話ですな全く。


 午後、家電量販店へ冷蔵庫を買いに行く。最近のは冷凍冷蔵機能にもさまざまな特殊モードがある上に保温庫までついてたりして驚くことしきり。とはいえ我が家にはまるっきり必要無いので、小型で冷凍庫の大きいシンプルななものを導入。来週の到着までに、水漏れの続く旧型の中身を片付けるというミッションが発生した。さて、どこまでコンパクト化できるやら。いっそ大き目のクーラーボックスなど買って一時保管に努めるべきかなあ。

 夜、そろそろ寝ようかという刻限にぼたんからピッチングマシン稼動の要求が出た。冷蔵庫売り場を彷徨して疲れた身体に鞭打ってせっせと投げたが、敵は情け容赦なく球っころを持ち帰り、さながら逆千本ノックの様相を呈してきた。一部映像を録画したので、ご用とお急ぎで無いむきはぜひご覧戴きたい。ペットに芸を仕込むということは人間もまたそれ用に調整されるという恐ろしい実証だ…というか、我が家では誰も積極的に彼女に芸など入れてないのだよな。つまり、猫に飼いならされる下僕の見本つーことになるんでしょうか例によって非常に不本意ながら。


8月27日(月) 晴

 ねこまと二人、『仮面ライダー電王』劇場版を観に行く。いや〜面白かった!すぐもう1回観たい!いいよね、答えは聞いてない!
 ねこま「却下。買い物の予定でしょいろいろと」
 えー…と、まあ、その、下手にダダをこねるとハナちゃん的解決にもってかれるので、ここはひとまず引いておきますです。

 さて本作、とりあえずまだ公開中ということで内容は述べないけれど、ドラマの密度は高いが進行が重くなることなく、明快かつテンポよく話が展開する。また例年とは違ってパラレルものではなく、きっちりTV本編とリンクし表裏一体に出来ているものだから、そこらを思い出して脳内で並行再生する楽しみもあった。
 妙な間や演出でダレる箇所も見当たらず、上映中一度も時計が気にならなかった。隙間を残さず画面の端々まで遊び心が詰め込まれた印象で、たとえば小太郎のTシャツが仮面ライダーだったり、お子様ランチの旗がドラグレッダーだったりなんて小ネタ探しも楽しくあっぱれな上作、繰り返し観たいものである。
 あと今回、キャラクターの使い方がとにかくいい。イマジンたちも含めて結構な大所帯というのに「とりあえず顔だけ出させておくか」ってな使い方は誰ひとりされていない。途中で身動きのとれなかった連中でさえ、その中できちんと個性を見せている。特に美味しいところを貰ったのは、やはり侑斗か。良太郎たちをフォローしつつ話を動かし、ラストの逆転劇ではあっぱれ立役者である。デネブとの掛け合い漫才も短いながら笑えて良かったし。<おデブ贔屓
 とはいえ難も無いではなく、悪役がちょっと重みに欠けた印象はある。渡辺裕之氏、ルックスは申し分無いんだけど、声が若いっつーか爽やか系なんだよな。そこから全体の印象が軽めになってしまい、何かをというと食物をわし掴みにがふがふ喰ってるのに獣じみたとか品が無いとか脂ぎったとかって感じがしない。併映の『ゲキレンジャー』の悪役が我執の塊だったのと見比べると、もっとヤバいやつが出てきたらひょいと方針転換してくれそうな印象さえある。
 もっともこれは彼の背景というか動機付けがイマイチ不足なのも原因かもしれない。「時間にうんざりしている」からにはそこへ至る何事かがあったのじゃないかと思うのだ、例えばハナや侑斗のように「消えた時間」に取り残され何処へも属せず流された果てだとか。まあ、そこまで説明すると『アギト』のように別な物語を立てねばならず尺のうえで無理があるし、何より子供たちに入りにくい話になってしまうのだろうけれど…大きいお友達の脳内補完のためそこらを加味したディレクターズ・カット版を出してください早いトコ。

 あと同時上映の『モモタロスのなつやすみ』は…えーと、ぶっちゃけ気持ち悪かったというか怖かったというか。毎回予告の画面下でうにうに動いている頭でっかちを大画面で観るのがあんなに違和感あるものだとは思いませんでした。夢に出てきたら泣きます。映画サイトのバナーについてる可愛いキャラでリメイクしてもらえないっすか?

 今日は平日ながら、本来のターゲットである小さな子供が結構いた。全体の構成としては子供連れ(うち2組は父親つき)が6組、大人(女性同士の2人連れ)が6組。とはいうものの、並びの席にいた夫婦の場合、幼児がぐずりだすと抱いて外へ出たのは父親で、母親はほとんどスクリーンから眼を離さなかったから、あれは父子+女性1人とみるべきか。きっと楽しみにしてたんだろうなあ。つか子供が小さくて劇場へ足を運べないファンが、この層にかなり潜在してるとみたね。そんな人のためにも、とっととDVDを以下略。


8月28日(火) 晴

 満月が地球の影で覆われる皆既月食。今夜それがあるというので楽しみにしていたのだが…余裕で間に合う時間に会社を出たというのに、うっかりハンズメッセに飛び込んでしまった。物欲神の導き給うままにフロアを彷徨し、レザーの端材を拾い集めて外へ出ると、ちょうど半分ぐらいのところまで影が退きつつあるところだった。
 ううっ、馬鹿ばかバカ。次は2010年だっつーに。それまで地球があるかどうか分からねーじゃん!

 しかし煌々とまばゆいばかり(目を閉じると残像が残る)の満月に微妙なカーブの影がかかり、それがゆるゆると動いていくさまはなかなか面白いものだった。豊平川の岸辺で影が消えるまで見物し、脳内に『レディホーク』のオープニングテーマを鳴らしながら帰宅。

 ちなみにメッセの収穫は、質的には扱いやすそうないい物ばかりだった。ただパックものはちょっと量が少なめ。やはり大物を作ろうと思ったら、きっちり分量を計って買ってこないとあきまへんな。



翌月へ





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