南では春一番が鉄骨の足場を吹き飛ばし、北の当地では天の倉庫の総ざらえのような大雪の翌朝。昨夜家に入るまでのラッセル作業(JR一駅分の踏破含む)でヘタばりきって、昼ごろ寝床から抜け出した。総身これ筋肉痛である。実はおまえの正体は筋肉痛なんだよと言われても、今ならたぶん信じるに違いない。
まあ、だからといってボク筋肉痛ですと言ってしまうと消滅を待つだけなので、かるくリハビリ動作をしつつ『サイレントヒル(山下定/著、コナミデジタルエンタテインメント)』シリーズを1〜3まで一気読み。
いずれもベースはきっちりかっちりゲームを踏まえて、プレイ時のイメージを鮮やかに脳裏に甦らせてくれる。イベントもステージの風景も、結構な歳月を経ているのに細部まで思い出させられ、一部トラウマまで掘り起こされる。ええ、リサのあのシーンでマジ泣きしましたから。
とはいえ、小説としての完成度は…というと残念ながら微妙なところ。表現と言葉がかみ合っていないところもままあるし、ゲームの小説化という足かせのため固有名詞が氾濫し、たぶんプレイヤー以外には読みにくかろう。で、プレイヤーにとって十全かというと、残念ながら一部解釈の違いがひっかかることもありそうだ。少なくともヴィンセントの描写には納得できないなあ、個人的に。
しかしトータルしてみると、作品ファンとしては確かな「記録」として嬉しいアイテムだと思う。できれば「4」も、最後にウォルター視点とかで上梓していただきたいものだ。
ちなみに読後、リハビリ動作がバブルヘッドナースみたいだったと、相方から妙にタイムリーな指摘を受けて落胆。せめてヴァルティエルになれるよう、もう少し頑張りますです。
夜、ずいぶん前に録画したままだった『怪奇大作戦 セカンドファイル』「ゼウスの銃爪」と「人喰い樹」を観る。
うーん…面白くないとは言わないが…なんとも舌足らずな感じだ。シナリオそのものが「まずテーマありき」でドラマをなおざりにしてるんじゃないか、これ。
またキャラクターの造形もいまひとつ。SRIのメンバーが誰も「真っ直ぐな若者」傾向へ均質化してて、きわだつ個性がみられない。特にメインをなす牧史郎は、オリジナル版での「科学に魂を売った」スタンスを削ったら何も残ってないんじゃないかと。正義なんて真顔で口走ったら牧さんじゃないっす。まず真実有線の興味しか無くて、異常な出来事の更に斜め上を行くぶっ飛んだ推理をブチ上げて、被害者よりもマッドな「原因たち」に感情移入してくれなきゃ。あとアレだ、リバーシブルのジャンパーは必須だと思いますがどうよ?<それは違う
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