店主酔言

書籍・映画・その他もろもろ日記

2008.11







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11月04日(火) 雪のち曇

 初雪舞う中、根性を据えて自転車で出社。とはいえプラス気温なので路面も凍ってはいず、装備の厚みが却って邪魔くさい気もしないではない。
 それにしても、幾つになっても季節の移ろいというのは面白いものだ。温度が空や草木の色が、目にする生き物の種類や道行く人の服装が変わり、ふと気付くと吸い込む空気の味も違う。天が下には新しきもの無しなんて嘘だな……って、去年の今頃も同じことを口走ってた気がするけれど、まあそれは迂闊ってことでひとつ。


11月6日(木) 晴

 ネットに入るなり、マイケル・クライトンの訃報を目にする。『アンドロメダ病原体』よりは『ジュラシック・パーク』で有名になり、『ライジング・サン』については見なかった事にしてあげたい作家。享年66歳。
 傑作をものした人が老いて劣化していくのも悲しいけれど、まだこれから何か書ける筈のところで亡くなられてしまうのは辛いというかひたすら惜しい。衝撃を受けるほど好きだった訳ではないけれど、ご冥福を祈る。合掌。

 というような話を会社で机を並べる娘さんとしてみたら、彼女は『ジュラシック・パーク』にしかフックしてくれなかった。ヲタ濃度の高い会社にあるまじき知識不足といえよう。
 しかしこの彼女、意外なところで妙な濃度は高めだ。「木亥 火暴  弓単」とか普通に書く。「w」ではなく「(笑)」を用いる。どうもパソ通世代に薫陶を受けてネットデビューしたためらしい。フォークギターを先輩に習ったおかげでジェネレーションギャップたっぷりな反戦フォークを詰め込まれた身には相通じるものがあるな。これがミームによる情報伝達というやつだろう。
 とりあえず彼女には『ライジング・サン』についての要らん知識をしこたま詰め込んで、クライトンについて語り残せるようにしてやるとするか。<それなのか!


11月9日(日) 晴時々曇時々雨

 空模様がごろごろ変わる合間に強風吹きすさぶ変てこりんな天気の日、柚さんご来臨。
 夏の初めにお貸ししたDVDで、しっかり『電王』にハマられた由。うむ、善哉善哉。布教活動の成果が上がって、ファンとしては喜ばしい限りである。CDなども買い集められたようで、すっかり萌え燃えの風情とお見受けした。
 しかしその間にこっちは『コードギアス』に洗脳されてたワケで、業の深さはおっつかっつというところか。つかこの場合は深さ比べのような気がしないでもないような。


11月20日(木) 雪のち曇

 職場の規格取得のために奔走すること半月。自分の仕事をこなしつつ前任者が逃げた後の資料をかき集め寄せ集め、軟化しつつある脳に捻じ込みながら整頓提出しようやく監査に漕ぎ付けた。しかも本日は風邪っぴき、マスク越しながらハナタレ咳き込みまくる物凄い形相で相対したので監査官の方にはさぞやドン引かれたに違いない。
 願わくばあまり面倒な監査結果が戻ってきませんように。今度は肺炎になるかもしんないッス。

 そんなこんなで過ごしつつ、それでも本を何冊か読んでいる己に少々呆れつつ、感想など。
 『あやしうらめしあなかなし(浅田次郎/著、双葉社)』
 怖くないし、いつものように濃厚な泣かせに走るでもない、筆者としては珍しい印象だ。中で『骨の来歴』だけは夕闇の中に密やかに近づくもののイメージがゆらめいてイイ雰囲気の幕切れだったが、他作品はどれもヒトの度し難さと、その世の外側にいるものの量り難さを見せられ放置され途方に暮れさせられる感じがする。
 巻末インタビューで述べられていた『遠野物語』はいい線かもしれないが、どっちかというと中国風の鬼談的な書き口のほうが作者には似合う気がする。書き手のポリシーからすると投げっぱなしの不思議ばなしは有り得ないんだろうけど。

 『おそろし 三島屋変調百物語事始(宮部みゆき/著、角川グループパブリッシング)』
 うら若い身で酸鼻な事件を背負ってしまったヒロインが、世に溢れる様々の霊異譚を聞き取ってゆく……というスタイルの連作長編。1話目のネタはありがちながら描き方にインパクトがあり、これは!と思ったのだが、残念ながら読み進むにつれトーンダウン。全部の事件を繋げるのはいいとして、最後のオチはなんだか肩すかし気味ではなかろうか。ヒトの情が生み出した怪異を追ってきておいて、ラスボスがそれってのはどうなのかな。唐突感が拭えなくて、一気にアンチクライマックス、残念であった。やっぱりこの人の時代物は短編で読みたいやね。


11月26日(水) 晴

 明日からちと入院するので、準備のため中抜けして買い物に。寝巻きだのタオルだのはねこまが用意してくれたので、こちらは数日の無聊を慰めるモノを整えるばかりである。
 がしかし、本命のノーパソ・SIDO(XPS-M1210)は持ち込み不可とあって、アイコンのひとつも作ろうか某所投稿用のSSでも書こうかという目論見は丸潰れ。仕方が無いのでPSPを持って行ってゲームに励むことにした。モノは『サイレントヒル 0』。病院でやるには全力で不適切なシロモノである。これを語った人全てから「看護婦を襲うなよ」と念を押される我が身のほうが不適切かもしれないが。
 とりあえず予備のバッテリー、携帯の充電器など用意。あとマグライトと記録用のクロッキーブックと、ナイフもあったほうがいいかな……ってアレ?



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